森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.26
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一昨日岡山で開催された心の健康セミナーに参加した。
今回講演をしてくださった先生は、皮膚科の専門医だった。
この先生が言われるには、慢性の皮膚疾患に対して、薬物療法や外科的治療だけでは不十分である。
慢性疾患を抱えている人たちは、様々な皮膚症状に対して、心の中に不安、葛藤、怒りなどが渦巻いている。
たとえば、 「アトピーが治らなければ何の希望もない」 「アトピーが治ったら働く」 「皮膚炎のために受験できない」 「自分が嫌い、どうなってもいい」などと考えがちである。
進化している対症療法的施術と並行して、心のケアを付け加えると慢性の皮膚疾患は驚くほど良くなるケースが多いと言われる。
この先生は、心のケアについては森田療法を研究され、皮膚疾患による不安、葛藤、怒りなどの悪循環を断ち切るように指導されていた。
つまり外来森田療法を慢性的皮膚疾患の患者に取り入れられていたのである。
このような皮膚科の専門医が存在すること自体大変な驚きであった。


傾聴・共感を心がけて、肯定的側面を評価する。
できることや興味のあることに取り組むように提案をする。
私メッセージの発信に心がける。ユーモアを心がける。日記指導を行う。
食事、運動、音楽、ダンスなどの効用についても言及されていた。
その中で印象に残った言葉は、 「人間はもともと何かを作り出す行為に生きがいを感じるように生まれてきている」 (伊丹仁朗 生きがい療法の証明 海竜社)だった。
不安を持ち抱えたまま、なすべきことに取り組んでいくという考えだった。

私はこれまで、がん治療、難病疾患、慢性疼痛などの専門医が外科的施術に加えて、森田療法を応用して、身体疾患を軽減させている講演を数多く聴いてきた。
慢性疾患やストレスが原因となる身体疾患は、心や考え方の歪みが症状を悪化させていることがよくわかった。
森田療法理論は、神経症を治すだけではなく、慢性疾患、身体症状、免疫力の低下した人に大いに応用できることがもうすでに証明されているのだと考える。
身体疾患に対症療法だけでは無理があるのだ。心身一元論で取り組む必要がある。
つまり、森田療法理論は、 「人間はいかに生きて行くべきなのか」について、明快な指針を示しているものと思われる。


ちなみに、来年2月10日(日)14時から16時30分まで、広島市西区区民文化センターですばるクリニックの伊丹仁朗医師による「心の健康セミナー」が開催される。
伊丹先生はガンの専門医であるが、ガン治療に森田療法理論から「生きがい療法」を開発され応用されている先生である。森田療法理論を広く紹介し、一人でも多くの人に森田療法に対する関心を高めてゆきたいものです。





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Last updated  2018.11.26 06:53:46
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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