森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.01.27
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カテゴリ: 感情の法則
​以前に学習したノートを見てみると、次のように書いてある。
愚痴を言う事は、行動をにぶらせ、仲間を困らせるだけである。
愚痴を言う相手がいると、ある程度は気持ちが楽になります。
でも、所構わず愚痴ばかり言っていると、愚痴を聞かされている相手は「またか」という気持ちになり、そのうち真剣に相談相手にはなってくれなくなります。
また、自分にとっても、愚痴を言うことによって、過去の嫌な出来事が思い出され、怒りや恨みが増悪してしまいます。これは感情の法則が教えてくれている通りです。
愚痴を言えば言うほど、相手が逃げていき、自分が惨めになってしまいます。
「愚痴を言わない」という言葉をキャッチフレーズにして、生活を立て直して神経症を克服している人がいる。愚痴はできるだけ控えたほうがよさそうだ。

今考えても確かにその通りだと思う。でも、ここで1つの疑問が湧いてくる。
カウンセリングの基本技術では、信頼感の形成が欠かせないものとされている。
傾聴、受容、共感の態度でクライアントに接しないとカウンセリングは前には進まない。

カウンセラーはその愚痴を永遠と聞くことになる。
ロジャーズの来談者中心療法では、傾聴、受容、共感が大きな柱になっている。
私たちの学習でも、傾聴、受容、共感の重要性が叫ばれている。
しかし愚痴の弊害を考えてみるともうひとつすっきりしない面がある。
愚痴を聞いているだけでは、何の問題解決にもならないのではないかという面があるからだ。
積極的な問題解決のヒントを指示すことが大切なのではないかということだ。

この問題に対して、石原加受子さんは、次のように言われている。
悩みを相談すれば、誰かが私の話を親身になって聞いてくれると、私の気持ちはほっとする。
その時間だけは相手に依存していられる。この関係ががっちりと確立してしまうのはまずい。
石原さんは、この関係性を「同情の支配」といわれている。
つまり相談者は自分の愚痴を永遠と述べる。

2人の関係は共依存関係で、一方が心の傷を吐き出し、もう一方が傷を舐めるという相互関係が出来上がる。

こういう関係は、相談者は、自分の話を聞いてくれる人が欲しいのです。
ですから、本質的には自分の悩みを解決したいという欲望はないのです。
むしろ悩みを解決すると、話を聞いてくれる人がいなくなるので困ってしまうのです。
この時相談者は、自分自身を哀れみ、惨めな気持ちになっているはずです。

自己肯定感が持てなくなり、自己嫌悪、自己否定の悪循環に陥っているのです。

石原さんは、他人中心の生き方から自分中心の生き方を提唱されています。
そういう方向に転換しないと、人間関係の問題は解決しない。永遠と愚痴を繰り返す。
この場合は、相手の言動に焦点を当てていくのではなく、自分の感情、自分の気持ち、自分の意思、自分の身体感覚に焦点を当てて、自分をかけがえのない人間として取り扱うことが大切であると言われています。

これは、森田理論で言うと、「かくあるべし」を少なくして、事実の立場に立脚して、そこから一歩、視線を上に向けて生きていくという「事実本位」 「物事本位」の生活態度のことを言われているのだと思います。森田理論も外部の人の考え方と比較しながら学習していくと、より深耕できるものと考えています。(しつこい怒りが消えてなくなる本 石原加受子 すばる舎 124ページより1部引用)​





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Last updated  2019.01.27 06:51:37
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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