森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.09.23
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カテゴリ: 森田番外編
​​今日は、「木を植えた男」(あすなろ書房)という絵本を紹介しょう。

この絵本に出てくるエルゼアール・ブフィエという人が木を植え続けた主人公である。
この人が木を植え続けた所は、フランスのプロヴァンスというところである。
この地方は気候が激しく、アルプス山脈から吹き降ろす冷たい北風で有名なところだ。
当時海抜1300mほどのところは、どこまで行っても草木はまばらだった。
つまり人を寄せ付けない不毛の荒地だったのだ。

そんな過酷な不毛の地になぜ移り住んだのか不思議に思った。
エルゼアールは、羊を飼育しながら、その地に一人で住んでいた。
元々は、ふもとに農場を持っていて、家族とともに暮らしていた。

そこで世間から身をひいて、まったくの孤独の世界にこもり、犬と羊と一緒に、ゆっくり歩む人生に、ささやかな喜びを見出したという。
でも、ただのんびり過ごすよりも、なにか人のためになるような仕事をしたいという気持ちを持っていた。そこで思いついたことが、この不毛の土地を緑豊かな土地にすることだった。
水もなく土地は死んだも同然のこの不毛の土地に生命の種を植え付けることを思い立ったのだ。

1910年代から1940年代にかけて、毎日仕事の傍ら、荒れ地に木の実を植え続けたのだという。
ドングリ、カシワ、カエデ、ブナなどである。
するとどんな変化が起こったか。
不毛の荒れ地が、ゆっくりと時間をかけて、緑豊かな森へと変身したのだ。
そして風が種をまき散らし、水が再び湧きだしてきた。
小さな実践の積み重ねがその土地を魅力ある土地に変えた。
次第に若者たちが、この地に移り住むようになった。
柳は芽を吹き返し、小さな牧場や菜園が次々に生まれて、生きる喜びがよみがえった。

小鳥や動物たちも住みつくようになった。
そして不毛の荒れ地を命あふれる緑豊かな森へと作り変えてしまったのである。
これは報酬もなく、途方もない長い年月を費やしながらの挑戦であった。
こうゆう人こそまた人間に生まれ変わってきてほしいものです。

彼は大地がゆっくりと変化していくのを見るだけで十分に幸福でした。


最後にこの本の一節を引用しておきたい。

人びとのことを広く深く思いやるすぐれた人格者の行いは、
長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
名誉も報酬も求めない、まことに奥ゆかしいその行いは、
いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、
のちの世の人びとにあまねく恵みをほどこすもの。



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Last updated  2019.09.23 08:48:39
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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