森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.10.17
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あなたは他人が簡単なミスや失敗をした時に、「こんなところで間違うなんて、ありえないでしょう」という言葉を聞いたことはありませんか。
しかし考えてみれば、「ありえない」と思われている事故や災害は毎日のように発生しています。
交通事故、あおり運転、大雨による土砂災害、浸水被害、オレオレ詐欺などです。
自分の身の周りでは滅多に起きないけれども、新聞やテレビなどでは日常茶飯事のことです。
毎日「ありえない」と思っていることが、実際には現実として目の前で起きているということです。
この事実をどう理解したらよいのでしょうか。

対人関係でこの言葉を使う心理について考えてみましょう。
「そんなことはありえないでしょう」という言葉は相手を否定している言葉ですね。
しかもミスや失敗を批判する以上に、相手の人格否定をしている言葉です。


そこから生まれるものは憎しみあいでしかありません。
もっと言えば、絶対に間違ってはいけない。間違うはずがない。
自分たちに迷惑をかけるようなミスや失敗は絶対に見逃すことはできない。
徹底的に責任を追及させてもらいますよという態度です。
自分の頭で考えたとき、「もしかしたら起こりうるかもしれない」という選択肢は全く存在していなかったということです。

こういう人は、自分が「ありえない」ミスや失敗をした時、いいわけをする。ごまかす。隠そうとする。責任を放棄して逃げる。反対の立場に置かれると借りてきた猫のように見る影もない行動をとる。
それは自分が叱責、非難、否定、軽蔑、無視、拒否されることに耐えられなくなるからです。
だから「ありえない」という言葉を使う人は、人間関係も悪化し、さらに自己否定にも陥ってしまうのです。

これは森田理論でいえば「かくあるべし」で、自分の考えや理想を相手や自分に押し付けている態度ですね。「かくあるべし」は理想と現実のギャップで葛藤や苦悩を作りだしてしまいます。
ギャップを解消して完全・完璧を押し付けたり、理想通りにしようとすると神経症に陥ってしまうのです。どんな理不尽なことでも、「もしかしたらありえるかもしれない」と柔軟に考える態度を養成していくことは大切です。
事実を素直な態度で認めて、受け入れなれるようになると、精神的には楽に生きられるようになります。

なかなかそういう人を、すぐには思い浮かぶことは難しいですが、その方向で努力している人はたくさんおられます。そこが大切なところだと思います。





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Last updated  2024.06.02 22:46:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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