森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.10.22
XML
カテゴリ: 行動のポイント
「オペラント条件付け」という行動療法の基礎となっている考え方があります。
これは人間は、何らかの見返り、メリット、ご褒美を求めて行動しているものだという考え方です。
直接ほしいものが手に入る。人から高い評価を受けるなどです。
これによると、見返りやメリットがないと、行動を起こす意欲がわいてこないということになります。

ネズミを箱の中に入れます。
箱の中にはレバーがあり、ブザーが鳴った直後にそれを押すと、エサが出てくる仕組みになっています。
最初はネズミはそのことは知りません。
しかし、箱の中を動き回っているうちに、偶然、足がレバーにかかることがあり、それがブザー音の直後であると、エサが出てくることを経験します。
そういう経験を二度、三度と繰り返していくうちに、ネズミはその仕組みを理解し、ブザー音の直後にレバーに足をかける頻度が高まってくるというものです。


これを応用した例を考えてみましょう。
幼児をスーパーなどに連れて行くと、自分の食べたいものを見つけると、勝手に棚から引っ張り出して、「これ買って」などとせがむことがあります。
「今日はダメよ」などというと、その場に座り込んで、泣きわめいて駄々をこねることはよく目にする光景です。泣きわめく子供の声が店内に響き渡り、他のお客さんの注目が集まります。
しつけもできないダメな親にみられないために、「もうしようがないわね。じゃ今日は特別だからね」と買い与えてしまうことになります。
問題行動を防ぐことができたので、よかったと思われるかもしれません。
しかしこの行動は、子供にとっては、またいつか欲しいものがあるとき、駄々をこねると親が買ってくれるに違いないという学習をしたことになります。
別の場面でも、こういうことが繰り返されるとどういうことになるでしょうか。
欲しいものがあれば、相手が嫌がる行動をとれば、願いはかなうという信念を持つようになります。
気に入らないことがあると、無意識的に、すぐに相手を威嚇するような態度をとる人がいますが、こういう学習を繰り返してきた人だと思われます。

スーパーでの幼児の場合は、家で「今から買い物に行くけど一緒に行く、それとも家でお姉ちゃんとお留守番をしている?」と聞きます。「一緒に行く」といえば、「今日は好きなお菓子は買えないけどそれでもいい?」と約束させます。
それでも、幼児は欲しいものは、衝動的にほしくなるのです。

「今日は家でお菓子は買わない約束をしたよね」
「ダメなものはダメなのよ」
幼児のやり方では、絶対にお菓子は手に入らないということを、経験によって学習させていくのです。
その場を離れて遠くからその様子を見るなどするのです。

そして次に、お菓子が手に入る別の方法を提示してあげることが有効です。

「今日我慢したら、今度からは3回に1回は買ってあげるよ」
この約束は次回の買い物ではきちんと約束を果たさなければいけません。
親はその場しのぎではなく、子供にどんな行動を学ばせるのか、しっかりと考えて行動することが大切です。こういう体験を積み重ねることで、欲望の暴走を自ら制御できるようになるのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.10.22 07:53:29
コメント(0) | コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: