日記によると、読書には「精読、通読、通視の三通りの読み方あり。通読は疎粗略に読み、通視は所々必要なるところを読むものなり。雑誌、毎月凡そ30余冊を通視す。
読書ははじめて昨年10月(1925年)より記録することを試みたり。
此の1年間、79冊、1か月平均6冊半、総頁数凡そ20030頁、一日平均64頁なり。
電車、汽車、人を訪問して待つ間等には常に雑誌又は小冊子を読む。
病気の時は読書すること一つの楽しみなり。
平常読みたき物を買い集め置きて、病気するとき、片端より之を読む。
長く病むときは30冊許りも読みたり。常に枕元に書を起きて、不眠には読書を楽しむ。
2時、3時迄も読むこと稀ならず」
79冊のうち文芸書が32冊にのぽる。
次いで精神医学、医学、心理学などの専門書が17冊である。
この中に「二葉亭全集」がある。全三巻で、平均700ページの大冊である。
正岡子規については、作品そのものよりも、病床の身にありながらも創作活動に情熱を傾けたその生き方に注目していたという。
森田正馬の身の回りの世話をしていた田原あやさんによると、「森田先生は、熱があって、床についておられても、何かをなさっていらっしゃいました。
40度位の時には「漫画でも学べる」といって漫画を読まれ、38度の時には寝たまま勉強をされ、37度の時には、普通に起きて、仕事をなさいました」と述べている。
さらに「先生は、時間も、1時間たりとも無駄にされませんでした。
40通の手紙も20分で処理され、返事を書かれました。
「だれでも返事が貰いたいから手紙を出すんだ。返事はすぐに出さねばならない」と言っておられました」森田正馬のノートには、手紙、毎日23通書く。大正14年発信1005通とある。
大変な作業を日々淡々と継続されていることに驚いてしまう。
ふつう体調の悪い時には、憂鬱で何も手につかなくなるものだが、森田正馬は寝込んでしまうということはなかった。体調に応じて臨機応変に、今の自分ができることに精いっぱい取り組まれていたのである。
64歳という短い生涯ではあったが、その中身を見てみると、普通の人の2倍も3倍も充実の人生を送られているように感じる。
ガンの予防になる食べ物について 2025.11.07
大村崑さんの健康法 2025.10.17
秋冬野菜の植え付け時期について 2025.08.28
PR
Keyword Search
楽天星no1さん
メルトスライム25さんCategory
Comments
Calendar