森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.11.27
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ジョン・グレイの著書「ベスト・パートナーになるために」(三笠書房)にこんな寓話があります。

男性は火星人、女性は金星人でした。
ある日、男性が望遠鏡を覗いていたら美しい女性の姿が目にとまります。
彼は思い切って声をかけました。
思いがけずデートに応じた彼女とその後もデートを繰り返すようになります。
この頃、二人はお互いの考え方、感じ方に自分とは異なるものがあるのに気づきます。
それはすぐには受け入れることのできないものですが、それでも二人は相手は異邦人なのだから、そんなことがあって当然、と許し合ことができました。
やがて惑星空間でのデートにも飽き、そろそろ落ち着きたいと考えた男性は女性にプロポーズし、めでたく結婚して地球に新居を構えます。
子供が生まれます。実はこの頃から二人のコミュニケーションはギクシャクし始めます。

するとそれまで相手の考え方、感じ方に違和感があっても、相手は自分と違う異邦人だからと許せていたのに、同じ地球人なのになぜ同じように考えないのだろう、感じないのだろう、許せない、ということになるのです。
始めは分からなくて当然と思っていて、分からないことを前提に逆にわかろうとする努力をしていたはずなのに・・・。(アドラー心理学入門 岸見一郎 ベスト新書 170ページより引用)

人間は百人百様で、生育環境、性格、ものの考え方、欲望、経験、行動様式が違います。
そういう人間が自分の気持ちや考え方を述べ合えば、一致しないのは容易に想像できます。
そういう前提に立って、相手と付き合っているかというとはなはだ疑問です。
最初から相手の話を聞くという謙虚な気持ちになりません。
暴力に訴えてでも、自分の考え方に同調させたいと考えがちになります。
相手は戦う相手であり、一旦その戦いに負けてしまえば、以後すべて相手の言いなりにならなければならないという恐怖心から来るものと思います。
相手に思うがままにコントロールされることは、心身共に地獄の苦しみを味わうことにことになります。
自由を奪われて、服従させられることはなんとしても避けたいという気持ちがとても強いのです。
こうなりますと人間関係は対立的、防衛的、逃避的になります。


これを解消するためには、相手とは生育環境、性格、ものの考え方、欲望、経験、行動様式が違うのが当たり前という前提に立って付き合うことが大切になります。
その立場に立つことは、森田理論学習では「事実本位」の生活態度というのです。
そういう立場に立つと、まず相手の気持ちや意見、考え方をよく聞くようになります。
そして自分の気持ちや考え方との違いをはっきりさせて、その間に横たわる溝を理解しようとします。
ここが人間関係ではポイントとなります。


その気持ちや考え方を抑圧してはなりません。
そうすれば相手の言いなりになるばかりです。
またそれらを相手に押し付けることでもありません。
相手とのギャップを相手に分かってもらうことに力を入れることです。
相手とあくまでも対等な人間関係作りを目指すことです。

あとは双方による話し合いです。譲ったり譲られたいという駆け引きに持ち込むことです。
貸しを作ったり、借りを作ったりする付き合いが普通の人間関係と心得ておくことです。
これが、ストレスの少ない人間関係作りのコツとなります。





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Last updated  2019.11.27 07:42:34
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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