森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.12.13
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外国人と日本人は事実の取り扱いに違いがあるようだ。

ちょっとした行き違いや事故などでは、外国人は必ず、自分の有利な事実や状況を述べて、自分の方が正当であることを主張する。自分の不利なことはなかなか言わない。
これに対して日本人は、明らかに相手が犯した問題行為を、わざわざ自分から指摘するのは、大人げないと思っている。気まずくなるいさかいは避けたい気持ちがあるので、「私も気がつかず、悪かったですよ」などと穏便にすませようとする。
しかし相手は自分から非を認めない。仕方なく相手がしたことを指摘するときには、だいぶ形勢が悪くなっている。その結果、一歩的に相手が悪い状況なのに、フィフティーフィフティーのお互い様になってしまう。後味の悪い思いをすることになる。
(いい加減力 竹村健一 太陽企画出版 57ページより引用)

一般的に、外国人は事実を素直に認めずに、その責任を相手に転嫁する立場をとりやすい。
自分の都合のよい情報や相手のミスや問題点をことさら大げさにしゃべる。
日本人は、この一件が大きな対立を生むことを恐れて、あからさまに相手を非難することは避けようとする。事実を実際よりも過小評価するのだ。自分でも少しはその責任を負ってもよいと考える。
けなげな気持ちを持っているともいえるが、事実への対応としては、お粗末というほかない。


例えばも交差点で出合い頭の衝突事故を起こしたとする。
直進車優先なので、右折車は一時停止しなければならない。これは常識だ。
ところが、右折車が間隙をぬって突然右折してくることがある。
こんな状況で接触事故はよく起きる。
直進者の人が車から降りてきて、開口一番「すみません。私がもう少し注意していたら事故はなかったかもしれません」などと謝ったらどうなるのか。
右折車は最初「しまった。早まった」などと思っていても、相手がいきなり謝るものだから、「そうだ、相手もそれなりの非があった」過失割合は50%ぐらいだと勢いづいてしまう。

ドライブレコーダがあればいずれ事実の詳細は明らかになる。
事故直後にどちがかよいか悪いか言い争いをしても仕方がない。
それよりもしなければならないことがある。
相手のケガの確認である。
「お怪我はありませんでしたか。私は今のところ大丈夫です」

次に警察に事故の連絡をする。勤務先や保険会社にも連絡する。
それから巻ぞいになった人はいないか、二次災害が起きる可能性はないかの確認をする。
そして適切な措置をとる。自分たちは安全なところに移動する。
過失割合については、警察の事故処理に基づいて保険会社の決める仕事である。
ここでは言い争わない。


目の前の問題ある事実に対して、すぐに対処しなければならないことに手をつけることをいう。
「気分本位」とは反対の態度のことだ。
つい事実をねじ曲げたり、責任転嫁したいと思っても、事故を受けいれて、今できる最善を尽くすことをいう。そして事実認定は、客観性をもった第三者に判定してもらう。
この方がのちに後悔することが少なくなる秘訣である。





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Last updated  2019.12.13 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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