森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.20
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​森田先生は、「風邪をひくのも魔がさすのも、必ず常に気の緩んだ時で、周囲の状況とこれに対する自分の反応が、適応性を失ったときに起こるものである」と言われている。
暖かいところから急に寒いところに入り、また寒いところから暖かいところに入る時に、これに対する心の変化が、適応せず、気が緩んだところで風邪をひくのである。
故にうたた寝のようなことがよくない。

ここでは周囲の状況の変化に対して、素早く対応できるように心がけて生活しなさいと言われている。
目の前の変化をよく見て、緊張感を持続して生活しなさいと言われている。
森田先生は車に乗るときも、ゆったり、のんびりされていることはなかったようだ。
急ブレーキで止まったり、事故に備えて、片足を前に出してとっさの危険回避の態勢をとっておられたという。何をそこまでと思われる人がいるかもしれない。
森田理論の中でも、この「変化対応力」はぜひとも身につけたいところだ。

変化対応力で分かりやすいのは、サーファーの波乗りである。

その後は波の変化を予測して、その変化に対応している。
波で体が隠れるので、見ているものまで興奮させる。
うまくいけばそのまま波打ち際まで疾走することができる。
爽快な気持ちを味わうことができるのだ。
しかし素人ではなかなかうまく波に乗ることはできない。
それは技術が未熟で、波の変化をうまく捉えきれていないからである。
変化対応力が身についてくれば、爽快で人を感動させるような波乗りができるようになる。

気象の変化の兆候は、つねに気象衛星が観測している。
人間はその衛星画像を目で確かめて分析している。
そのおかげで、1週間先の天気までほぼ正確に当てている。
台風が発生するとその進路がほぼ分かる。

特に太平洋などを航行する大型船舶などは、気象レーダーなどで気象の変化を分析して、航路を変更している。航空機もそうである。
これらは観察を怠らなければ、ある程度、変化の予測が可能なものである。
関心を持って、事象を観察すれば、変化の兆候をつかむことができる。
小さな変化を見逃さないで掴もうとする生活態度の養成は必須となる。
そうなれば、森田理論でいう「無所住心」の世界に入り、緊張感のある生活となる。


交通事故、ケガや病気、伝染病、地震、雷、火事、土砂災害、火山の噴火、経済変動などである。
予測するまえに突然人間を襲ってくる。変化に対応する時間的余裕がない。
変化予測不可能なものに対しては、 仮説を立てて、変化を予測し、対応策を事前に決めておくこと が有効です。そうしないと慌てふためくことになる。こういうのは取り越し苦労とは言わない。

地震に備えて家具を固定しておく。耐震化工事をしておく。
非常食を備蓄しておく。生活用品を用意しておく。
ヘルメットを用意しておく。ラジオや懐中電灯を用意しておく。
家の中ではどこに身を寄せるのか。逃げるときはどこに避難するのか。
津波が発生したときはどこに行くのか。
もしものことを予測して普段から対応策を準備して、避難訓練をしている人は、とっさの行動がとれる。
変化の予測を無視している人は、頭が混乱して、右往左往することになる。
最悪の場合は命を落とす。

変化には観察していれば容易につかめるものと、予測や予想が極めて困難な変化がある。
どちらの変化にも対応できるようにしておくことが大変重要であると思う。
普段から変化対応力を身につけた人は、神経症とも縁が切れていく。​





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Last updated  2020.03.20 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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