森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.05.15
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森田全集第5巻の652ページに神経症の治り方が分かりやすく説明されている。

まず小学校卒業程度の治り方である。
神経症に陥って苦しい。気分が悪い。
そんな時、そう思いながらも普段の生活を維持していく。
イヤイヤ仕方なしに仕事に行く。人付き合いもする。趣味の会にも行く。
当たり前のようなことだが、神経症に陥ると、症状に振り回されて当たり前のことができなくなる。森田理論を学習して、当たり前のことができるようになると症状は治る。
この段階では症状で頭が狂いそうであるが、症状だけにかかわっているわけではない。
100パーセント症状のことばかり考えていた状態から、抜け出しつつあると判断できる。
その割合が80パーセント、70パーセントと低下することで、症状から離れていくというイメージである。生活が充実するにしたがって、周囲の人からは症状に振り回されている人とは見えなくなる。こういう治り方である。第一段階の神経症の陶冶のことである。


今でいうと高校卒業程度の治り方のことである。
不安、恐怖、違和感、不快感は嫌なものである。
普通はそれを取り除こうとする。すっきりした精神的な安心感を得たいのである。
そこまでのエネルギーのない人は、気分に振り回されて逃避的な行動をとる。
これが神経症発症の原因を作り出している。
森田理論学習によって、そのからくりや弊害が分かり、取り除いたり逃げ回ることをしなくなった人は神経症を克服した人といえる。
一口で言うと簡単であるが、ハードルは高くなる。
不安な気持ちが襲ってきても、どんな理不尽な出来事が目の前に立ちはだかっても、事実や現実を受け入れていけるようになった人のことである。
そのためには森田理論学習と仲間や先輩の援助が必要となる。
その方法を様々に用意しているのが森田理論である。
それらを総動員して自ら体得していくものである。


生の欲望の発揮のことである。生の躍動そのものになり切っていくことである。
ここで肝心なことは、欲望が発生すると不安も発生するということだ。
欲望を車のアクセルとすると、ブレーキにあたるものが不安になる。
アクセルを踏み込まないと車は前に進むことはない。
第一に心掛けることはアクセルを踏み込むことである。

生の欲望の発揮は、不安の役割を理解して、不安を活用しながら行うことが肝心である。

こうしてみると昔から小学校卒業程度で森田から離れていく人が多い。
私は森田のだいご味は、中学卒業程度にあると考えている。
この段階は観念中心の世界から解放されて、事実の世界に自らの置き場所を変えた人だと思う。
そういう人は楽に生きている。あるものを大切にしている。活かしている。
人間に生まれたことを感謝している。
他人との人間関係もよい。立派な子育てをしている。
つまり確固たる人生観が確立しており、自信にあふれているのである。
こうなれば周りの人にとても良い影響を及ぼすようになる。
この段階に来れば、大学卒業程度の段階にはすんなりと入ることができるようになる。
森田の学習に取り組んでいる人は、ぜひとも中学卒業程度を目指してもらいたいものである。





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Last updated  2024.06.03 10:40:15
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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