森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.06.01
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森田先生のお話です。

今の医学は心悸亢進、めまい、のぼせ、疲れやすいという症状を見て、ただちに検査を行う。
心臓に多少の問題点が見つかれば、心臓病の危険を吹き込んで、いたずらに患者をして恐怖に委縮せしめるのである。そして対症療法で問題を解決しようとする。

現代医学は専門の局部に分かれ、いたずらに局部的の研究に没頭して、その人間の全体を見ることができない。森田先生のところにやってくる心悸亢進の人を見ると、重大な心臓の欠陥は見つからない人である。私が診察すると、明らかに精神的の症状であって、決してこれら器質的な病気ではないことが分かる。(森田全集第5巻 237ページより要旨引用)

森田先生は心身一元論である。
身体の異常は精神に影響を与える。精神の異常は身体に影響を与えている。
あざなえる縄のごとしであって、身体の異常を見つけ出して、元に戻すだけでは不十分であるといわれている。身体の異常が起こってきた心の問題点、つまり生活習慣、食生活、人間関係、経済的な不安、神経質性格、観念優先の生活、認識の誤り、考え方の誤りなども加味して、総合的に解決を目指すべきであると指摘されている。

森田の考え方は両面観です。
心悸亢進の人であれば、まず心臓疾患を疑って様々な検査を行う。

もし問題点が見つからなければ、それきりというのは問題だと言っているのです。

実際に電車に乗ればパニックになって、冷や汗や脂汗が噴出して、今にも息が絶えるような恐怖が襲ってくるのだ。心臓に問題はなくても、生活するうえで大きな障害が存在している。
森田先生は、そういう人に対しては、森田療法が必要だと言っているのです。
生活習慣、食生活、人間関係、経済的な不安、神経質性格、観念優先の生活、認識の誤り、考え方の誤りなどを見つめ直して、従来のパターンを修正していかないと、決して問題解決にはならない。治ったように見えても、またすぐに再発する。
器質的な病気だけではなく、精神的、人間関係、考え方の誤りにも意識や注意を向けていくことが不可欠なのである。

両面観を考える上では、人間に元々備わっている精神拮抗作用について学習することが有効です。
森田理論学習の中で出てきます。
ある欲望が生まれると、それを打ち消し、抑制するような考え方や不安が同時に湧き上がってくる。その中でいかにバランスを維持できるか、これが人間が生きていくという事なのです。
どちからに片寄るとヤジロベイでいえば、バランスを失ってヤジロべイとして存在できなくなってしまう。人間でいえば葛藤や苦悩に振り回されて失意の人生で終わってしまうという事なのです。
森田理論で両面観の考え方はぜひ身につけたいものです。
そうすれば、臨機応変で、対立的な人間関係が改善されます。





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Last updated  2020.06.01 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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