森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.08.04
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カテゴリ: 森田番外編
森田先生は、好きだった酒と煙草を止めたといわれている。
これをすんなりと止めることができたわけではなかったようだ。
習慣になっていて、理知的に抑制しようとすると「度を過ごしさえしなければ、さほど悪いことはあるまい」などと言う自己弁護に負けてしまう。
煙草を止めるきっかけとなったのは、肺炎の時の咳と、呼吸困難の苦しさを思い出すようになってからである。肺炎の時の呼吸困難は死を予感させるのである。
(森田全集 第5巻 400ページより要旨引用)

森田先生は死を予感するようになってやっとニコチン依存症と決別できたのだ。
現在依存症といわれているものに、アルコール、ギャンブル、薬物、ニコチン、仕事、投資、ネットゲーム、風俗、買い物、グルメなどがある。
これらは本能的な欲望、刺激的、快楽的な欲望が暴走して、自分の意志の力では制御できなくなっている。車でいえばブレーキが壊れた車を、坂道でアクセルをふかしている状態である。
この状態では理性で制御できないし、無力である。

またある時止めようと思いついても、イライラなどの禁断症状で悩まされる。
最後に解雇、自己破産、家庭崩壊、精神錯乱、健康破壊、逮捕などで強制的に中止させられる。
新聞やテレビ報道などに及ぶと親族にまで悪影響が及ぶ。
依存症さえなければ、まともな生活が送れたのに、取り返しのつかない人生に陥ってしまう。
後で悔やんでも悔やみきれないのだが、あとの祭りである。
最悪の結果を招く前に手を打つ必要があると思う。

私は以前パチンコ依存症になりかけた。湯水のようにパチンコに財産を使っていた。
寝ても覚めてもパチンコのことが頭から消えることはなかったのだ。
幸い借金をしてまでのめりこむことはなかった。
知り合いは、友達から借金したり、キャッシングに手を出している人もいた。
夫婦でのめりこんでいる人もいた。そういう人は最後には悲惨な目にあっていた。


最後には貯金が底をつき、毎日こずかいを1000円しか持たしてもらえなかった。
また借金をすること自体が嫌な性格だったことがよかったと思う。
こうなれば手も足も出ない。それでも500円だけパチンコをするという日もあった。
つまり物理的に不可能という状態に追い込まれて、仕方なしに遠のいていった。
最初はパチンコ屋の前の道は避けるようにしていた。


今ではパチンコやスロットをやりたいという欲望は全くない。

今振り返ってみると、依存症になった時は自分の力では乗り越えることはできないと覚悟を決めることだ。そういう傾向のある人は、自分一人で行動してはいけない。
信頼できる配偶者、友達、先輩などと行動する。
自分は抑止力が壊れているのだから、他で補いをつけるしかない。
また依存症の人たちの自助組織もあるので参加することが有効だ。
公的機関やNPOなどの助けを借りることも考える。

依存症になると、少しぐらいはいいだろうと考えることが、命取りになるという事を肝に銘じておくことだ。一滴のアルコールが悪魔のささやきともなるのである。
神経症の人は依存症とは関係ないような気がするが、時々依存症の人をみかける。
脳の問題なので誰でも陥る可能性があるのだと思う。





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Last updated  2020.08.04 13:52:34
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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