森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.08.05
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カテゴリ: 行動のポイント
形外会で森田先生が入院患者の日記を紹介されている。

夜、「事実唯真」の彫刻をする。興味が起こらず、居眠りを催す。
小刀を動かすだけで、時間のくるのを待つに過ぎない。困ったものなり。

入院10日目。寝床に束縛を感じたが、思い切って起きた。
一日、熱のない仕事ぶり、他の人がやっているから、やるというに過ぎぬ。

これに対して森田先生は、「それでよし。当然のこと」「それで上等。これを従順という」と赤字でコメントされている。(森田全集第5巻 396ページ)

この入院患者の人は、さあやろうという風に気持ちを高ぶらせて、しかる後に行動しなければ、取り組んだ結果はでたらめになる。頭で考えているような結果になることはない。
兎に角、やる気を出して、しかる後に行動すべきであると考えている。
取り組む前からそう決めつけている。


失敗するのが分かっている。成功することは夢のまた夢だ。
このような考え方をしていると、取り組んでいることに集中できない。
失敗やミスすることを心のどこかで期待しているところがある。
そうすると、案の定失敗やミスが現実となる。
やはり自分の思った通りのことが起きた。
自分で自分を納得させている。
そして、不安や恐怖を感じることは、今後一切手を出さないという固い決意を抱いてしまう。

森田先生は次のようにコメントされている。
昼間一日働いて、夜疲れて、眠くなり、彫刻しても身が入らない。
それはその時と場合とにおける心の状況であって、腹のへらないときに、食が進まないと同様である。何ともしかたがない。

こんな時に、身を入れてやらなければと自分を叱咤激励すると、強迫観念となる。

入院中の患者が、初めは仕事がいやでも、その心のままに、これを否定・抑圧しようとせずに、ボツボツやっておれば、心は自然に、外向きに流転して、いつの間にか、仕事三昧になるのである。

行動というのは、最初から意欲満々で取り組むことはまれである。
イヤイヤ仕方なしに取り掛かっているうちに、興味や関心、気づきや発見、アイデアなどが生まれてくる。心身ともに弾みがついてくるものである。
軌道に乗るまでは誰でも苦労しているのである。
その苦労を惜しむという考えでは、自信や楽しみはいつまでたっても味わうことはできない。





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Last updated  2020.08.05 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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