森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.20
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カテゴリ: 行動のポイント
私たちは何かに取り組むとき、その方法については多角的にシュミレーションを繰り返します。
そしてある程度、成功のイメージを作り上げていきます。
仮説といわれるものです。本来はその仮説に向かって、挑戦していくのです。
成功すれば自信となり、次の新たな目標に向かう出発点となります。
思い付きで行動するよりも、最初に仮説によるシュミレーションをいくつも考えることは成功への近道です。

ところが神経質者の場合は、これが仇となっているのです。
神経質者の場合は、その過程で障害となる問題点をことさらピックアップします。
ネガティブで悲観的なことが一つでもあれば、行動に移すと失敗してしまう確率が高くなると考えます。失敗することが予想されると、挑戦することはエネルギーの無駄遣いとなると考えます。無駄なことはしたくないのです。効率性を第一に考えているのです。

別の面から見ると完全欲が強いとも言えます。

やりながら完璧なものに近づけばよいということは考えません。
最初から完全、完璧なものや人以外には近寄らないという考え方をしています。
また失敗すれば、周囲の者から能力のない人だと軽蔑されることもある。
そんなことになると、仲間として受け入れてもらえなくなると考えてしまうのです。
100%成功すると確信を持てた場合にのみ行動する方がよい。
少しでも、不安や障害物があれば行動や挑戦は中止した方がよいだろう。
その方が肉体的にも精神的にも楽ができる。
そしてますます観念の世界に迷い込んで、葛藤や苦悩を深めているのです。

森田先生はこの問題について次のように説明されています。
理屈で考えると、不安を持ちながら、イヤイヤながらする事は間違いが多く、イヤな心を取り直しておいて、朗らかにやればよくできると思うけれども、実際にはうまくいかない。
不安な感情は、これをため直して、やる気を鼓舞していくには及ばない。

そして、ただ自分のなすべきことを、止むを得ずになし、なしてはならないことを、仕方なしになさなければよい。
このことを私は「自然に服従し、境遇に従順なれ」と称して、その自然に発動する自分の感情をそのまま忍受する事を、「自然に服従」といいます。
不安を抱えながら、仕方なしに実践・行動していく。
これが「境遇に従順」であって、素直に我慢して、なすべきことをするのである。
そうすると、心が自然の流れに従うようになる。

(森田全集第5巻 554ページを参照して一部引用)





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Last updated  2020.10.20 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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