森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.01.09
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今日は 対人恐怖症は治そうと努力すればするほど悪くなる というテーマです。
こればどういうことだ。意味不明と思われる人が多いと思います。

私は小学生のころから対人緊張が激しかったのです。
中学生のころから、他人の思惑が気になってしかたがありませんでした。
高校、大学、社会人になってからも苦しんできました。
森田療法に出会ったのは、会社勤めをしていた37歳の時です。
長谷川洋三先生の「森田式精神健康法」で生活の発見会を知りました。
その時は会社内で人間関係が悪化して孤立していました。


あれから34年。ほぼ毎回集談会に参加してきました。
入会してから「症状はそのままにして、なすべきことをなす」をキャッチフレーズとして、実践目標を掲げて頑張ってきました。
世話役も引き受けて、様々な経験を積み重ねてきました。
1年ぐらいですぐに効果が現れました。
きめ細かな仕事ぶりで、上司からも信頼されるようになりました。
ボーナスの査定もよくなり、昇進もできました。
プロジェクトのリーダーにも推挙されたこともあります。
行動面は申し分なかったのですが、対人恐怖症の葛藤や苦悩は全く改善できませんでした。
昨日投稿したような葛藤や苦しみはどんどん強くなりました。
その後15年くらいは、依然として対人恐怖症でのたうち回っていたのです。

そんなある日のこと。森田先生の次の言葉にくぎ付けになりました。
「神経質の症状はこれをなくしようとする間は、10年でも20年でも決して治らない。治すのをやめたら治る」

森田療法で対人恐怖症を治そうとしている人は、みんな涙ぐましい努力をしているではありませんか。そのために森田理論学習を続けているのですよ。
森田療法は神経症を治すためにあるのではないのですか。
治そうという努力をしなければいつまでも神経症で苦しむことになるじゃありませんか。
何もしないほうがいいというのが、どうしても腑に落ちなかったのです。
これが私の言い分でした。憤懣やるかたない気持ちになりました。

今考えると、これが最大の誤算だったと思います。

反発心を持ったまま、症状から解放されることもなく、失意のうちに15年の年月が流れました。
そのうち、森田理論にはたいした期待もしなくなりました。
生活の発見誌も読まなくなりました。
でも世話役をしていたので、仕方なく生活の発見会には残りました。
懇親会での宴会が楽しみという有様でした。

ある日の集談会の体験交流の時、ある方が 「森田はまな板の鯉になったような気持で取り組むとよい」 という話をされました。症状を治すという気持ちを捨てて、焼くなり、切るなり好きなようにしてくれという開き直りの気持ちになれば症状は治るといわれるのです。

私はそれを聞いて、なるほど、これが森田先生の治そうとする間はいつまでも治らないという意味ではないかと理解しました。
15年も対人恐怖症で苦しみ、絶体絶命、自暴自棄になっていましたので、この言葉は比較的すんなりと心の中に入ってきたのだと思います。
ここでイチかバチかで、いったん治すことをやめてみようと決意したのです。
このように決意すのまで15年の長い年月が経過していたのです。

では果たしてどんなことができるか考えました。
私の場合は対人恐怖の症状が出ると、一目散に逃げるという習性があります。
逃げたのでは症状は取り去ることはできませんが、逃げた瞬間一時的に精神的に楽になります。
逃げまくることで不快感、不安、恐怖から逃れようとしていました。
でもその反動は実に恐ろしいものがありました。
そのあとの味気なさは言葉では言い表すことができません。

アフリカの草原でライオンに追われる小動物は一目散になって逃げています。
逃げれば逃げるほどライオンは勢いよく追い掛け回して最後は仕留めてしまいます。
私も症状から逃げれば逃げるほど、症状に追い掛け回されてしまうのです。
そして症状はどんどんと雪だるまのように大きくなるのです。増悪してくるのです。
そこで何とか踏ん張って、逃げないで一旦不快感、不安、恐怖を受けいれてみようと考えました。それも最初は10回に1回か2回受け入れられればよいという気軽な気持ちでした。
受けいれたら自分で自分を誉めて、ご褒美を与えることを考えました。

つぎにミスや失敗については、ごまかさない。
隠蔽工作をしない。事後報告をすぐに行うようにする。
弱点や欠点については取り繕ってなかったように見せることは止めよう。
ありのままの自分をさらけ出してみよう。
批判、叱責、否定されたときは、言い訳は止めよう。
反発したり、喧嘩を売るのは止めよう。
自分が悪かったら素直に謝ろう。相手の言い分を聞いてみよう。
すぐにはなかなか実行できませんでした。
いつも反省して、今度こそはという気持ちは常に持っていました。

これらは、対人恐怖に伴う不快感、やりきれない不安感、恐怖を是非善悪の価値判断をしないでそのまま素直に受け入れることにつながります。
これがその後の展開を大きく変えていくことに気づかされることになりました。
この続きは明日投稿いたします。





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Last updated  2021.01.09 08:38:50コメント(0) | コメントを書く
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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