森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.07.05
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カテゴリ: 行動のポイント
宇野千代さんの言葉は、森田の考え方に近い。
小説家だけあって、無駄のない表現方法にほれぼれする。

人間のすることは、すべて現実と想像である。
私たちは朝から晩まで、この二つの現象の間を往復して、巧みに生活している。
誰が、生活を巧みに成し遂げるかは、この間の微妙な感覚の揺れ動く有様で決定する。
どこまでも体をぶっつけて、逃げないことである。

おかしな言い方ですけれど、あの時は思わずそうした、考える隙間がなかった、と思うほど早い、速力のある行動ほど、「生きていた」という感覚が強いのです。
悪かったかもしれない、しかし後悔はみじんもしない、という感覚です。

人間の考えていることは、いつでも、変転極まりないものです。

ただ私の場合は、その考えている間が、とても素早いのです。
まるで、考えたことなぞなかったように、素早いのです。

自分から進んでその中に這入っていくことによって、私は傷つかないことを覚えた。
(行動することが生きることである 宇野千代 集英社文庫)

この考え方は陶芸家の河井寛次郎氏と同じです。
河井寛次郎氏は、 「手考足考」 と言いました。
頭の中で構想を練るだけでは優れた陶芸作品は生まれない。
手足を動かして、試行錯誤の中からこれはという作品が生まれる。
行動すると、いずれにしても出来栄えという結果が出る。
その結果をもとにして、工夫やアイデアが膨らんでいく。



しかし実際に行動に移してみると、考えた通りにならない。思わぬ壁も立ちふさがる。
見込み違いが常に付きまとう。こうなりますと、急に意欲が衰えてしまう。
すぐに撤退を考えて実行する。そのうち予期不安に苦しみ、手も足も出なくなる。

宇野千代さんは実は結婚を4回経験されている。
たびたび結婚と離婚を繰り返すことは、精神的には振幅の幅が大きすぎて、普通の人は耐えられるものではない。宇野さんは以前の夫やその家族ともつきあいは継続している。


宇野千代さんは、好奇心の塊のような人ですね。しかも凝り性です。
書き残された文章や挑戦してこられた内容を拝見すると、「すばらしい」の一言に尽きます。
神経質性格者も執着性が強く、好奇心旺盛です。
あとは観念優先の態度を少なくして、「手考足考」の考え方を一部取り入れると、素晴らしい人生の幕が上がります。私たちは元々観念的なので、そちらの方は放置して、行動面に力を入れると、観念と行動のバランスが取れてくるはずです。





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Last updated  2021.07.05 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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