森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.07.12
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昨日の続きです。

観念優先の態度を抑制して、事実、現状、現実主導で生活していく態度を養成するためにどんなことを心掛けていけばよいのか。その手法はいろいろあると思います。
自分が取り組んでいる手法があれば、引き続いて取り組んでみてください。
とっておきの方法は、私もぜひ教えてもらいたいところです。
ここでは私が取り組んでいる9つの方法をご紹介してゆきたいと思います。

1、「かくあるべし」の弊害と事実本位の利点について理解を深める。
2、自分のなかにいる二人の自分を一つに統一する。
3、事実観察を徹底する。事実は具体的、赤裸々に取り扱う。
4、観念による先入観、決めつけ、マイナスのレッテル張りをしない。

6、「あなたメッセージ」を「私メッセージ」に変更する。
7、両面観のものの見方を身につける。
8、直観、第一の感情、初一念の感情を大切にする。純な心の態度の養成。
9、否定語から肯定語の活用を心掛ける。

これらはいきなり全部に取り組む必要はありません。
「二兎を追うものは一兎も得ず」という言葉もあります。
私の学習仲間は、5番の「物の性を尽くす」に取り組んで、人生観を確立した人がいます。
富士山への登山口は5つあるそうですが、どの登山口を選んでも最終的には、頂上に立つことができます。これと同じことがいえると思います。

それでは何日かにわたって、順次説明してみたいと思います。
1番目ですが、森田理論の中の「かくあるべしの発生と苦悩の始まり」「事実本位の生活態度を養成する」を学習することです。手っ取り早いところでは、「これで納得!実践的森田理論学習のすすめ」というテキストで説明しています。
「かくあるべし」の弊害はご自分の経験を振り返ってみることが有効です。

それから事実をどう取り扱うかという点になると、「状況が人を動かす」(藤田英夫 毎日新聞社)をお読みになる事をお勧めいたします。目からうろこの本でした。

さて「かくあるべし」というのは、観念の世界で作り出されます。
人それぞれのモノサシを当てはめて、是非善悪の判定を下して、自分や他人に押し付けるわけです。特徴としては、硬直的で変化対応力に乏しい。
人それぞれ多様な価値観で生活していますので、一方的に「かくあるべし」を押し付けると、対立が生まれます。
この態度は、観念重視で、事実を軽視しているわけです。

事実を隠蔽する、捻じ曲げる、捏造する、言い訳をする、平気で他人に責任転嫁をするようになります。
そして最終的には、事実を観念の世界に合わせてしまおうと考えるようになるのです。
人間の思い上がりも甚だしいと思わざるをえないところまで来ているわけです。
この態度が、神経症を生み出し、人間の葛藤や苦悩を生み出しているのです。
ですから森田理論の事実唯真、事実本位の考え方が大事になるのです。

その9つの手法はこれから順次説明してゆきます。
ここではその前提として、「かくあるべし」の弊害、事実本位の利点について理解してほしい。

NHKの番組に「逆転人生」があります。
この番組の冒頭部分で青い矢印がどんどん下降していきます。
ところがある時点を境にして、赤い矢印に変わり、方向も上昇軌道に乗り始めます。

森田理論でいうと、神経症と生きづらさを抱えてのたうち回っていた状態から、生きていくのが楽しいという心境と行動の変化が訪れるということです。
それは「かくあるべし」を抑制して、事実本位の生活態度を身につけることで可能となるのです。この態度を身につけると2つの利点があります。

事実唯真の生活態度は、葛藤や苦悩が少なくなりますので、エネルギーの無駄遣いがなくなります。また、事実を素直に受け入れるという態度になると、生の欲望の発揮に向かって、その出発点に立てることになります。オリンピックの出場権を得るようなものです。
有り余ったエネルギーを集中投下できるようになるので、やりがいの持てる人生へと昇華してくるのです。本日はここまでです。明日以降の投稿にご期待ください。





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Last updated  2021.07.12 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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