森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.07.13
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観念優先の態度を事実優先の生活に切り替えるために!

その1、「かくあるべし」の弊害と事実本位の利点について理解を深める。

これは生活の発見会に入り、地区の集談会に参加して、学習することになります。
ここでは、概略を説明しておきます。

「かくあるべし」の弊害・・・観念優先で事実を軽視するということは、事実を批判、否定しているということです。批判や否定を繰り返していると、お互いが対立関係になります。喧嘩になります。また事実を隠蔽する、ごまかす、捏造する、他に責任転嫁をするようになります。
事実を観念の世界に引き上げようとすると、事実の抵抗にあい、なかなか思っている方向には向いてくれません。そこで葛藤や苦悩を抱えてしまうのです。
いわゆる思想の矛盾に苦しむことになります。
私たちでいえば神経症に陥ってしまうのです。

この件については、イソップ物語の狐と葡萄の話が有名ですね。
ある日、狐がたわわに実っている葡萄を見つけました。

すると狐は、「きっとあの葡萄はまずくて食べられるようなものではないのだ」と自分の気持ちをごまかしてしまいました。
そして、もともと自分は葡萄なんか食べたくなかったのだと言い聞かせようとしました。
また、ブドウを獲るこのできない自分に劣等感を抱いてしまいました。
そんな自分を生み育てた親を恨みました。
すぐに葡萄を手に入れる超能力を得たいと考えました。
事実を素直に認めないとこのような展開になるのです。

事実本位の利点・・・ではここでの事実とは何か。
「自分は葡萄を獲って食べたい」
「でも自分の力では葡萄を獲ることはできない」
この2つです。この事実を素直に認めると、事態は急展開します。
自分を否定するのではなく、葡萄を手に入れるためにはどうすればよいのかと考えられるようになるのです。これは生の欲望に向かう出発点になっているということです。

あるいは、仲間に声をかけて、知恵を借りて共同作業に取り組む。など。

苦しい困難な現実に直面したとき、動物であれば、四方八方手を尽くして、力及ばなければ、そのままその事実に服従します。
だが人間の場合は、事実をあるがままに認めようとしないで、観念で事実をごまかし、自分の気持ちを欺いてしまうのです。これが人間の苦悩の始まりとなるのです。
事実優先の態度は、無駄なエネルギーの消費を抑えることができます。
そして、今度はその貴重なエネルギーを生の欲望に投入することができるようになります。

「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」 という句があります。
人間誰でも弱みや欠点があります。病気を抱えて体調を崩している人もいます。
人間関係や経済的な問題を抱えている人もいるでしょう。
ミスや失敗は生きている限り永遠と繰り返されます。

これらを隠す、ごまかす、言い訳をする、他人のせいにするのではなく、あるがままにすべてを開示する。表も裏も包み隠さずにありのままに開示して生きていく。
そのときは気まずい思いをしても、長い目で見れば、その方向がよいと思います。
その手法は、葛藤や苦悩でのたうち回ることを避けることができます。
防御態勢をとっていないので、周りの人も安心して近寄ってきます。
何よりも、エネルギーの無駄遣いが無くなり、エネルギーを効率よく使うことができるようになります。

観念優先の態度を事実優先の態度に切り替えるためには、先ずその弊害と利点を森田理論学習に取り組み理解することから始まります。





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Last updated  2021.07.13 10:44:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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