森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.07.17
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カテゴリ: 行動のポイント
観念優先の態度を事実優先の生活に切り替えるために!

その5、物の性を尽くすことに専念する。

これはそのものの持っている潜在的な価値を見つけて、命が尽きるまでとことん活用していく方向を目指していくことを言います。

形外先生言行録に片岡武雄さんが次のような話を紹介されている。
縁の下をもぐって掃除していたら、汚い古下駄が1個出てきたので、井戸のような深い穴(塵を捨てる穴)へ持って行って、ポイと投げ入れた。
その途端書斎にいられた先生に、ちらりと見られてしまった。
「今何を捨てたのか」「はい、下駄を捨てました」「燃えないか」「はい、燃えます」
早々に梯子を持ってきて、穴にはいり、拾い出してきた。

下駄としては寿命は終わっている。でもまだ燃料として、活躍できる道が残されていると森田先生は言いたいのであろう。その道を全うさせてあげることが、下駄にとっては生き尽くすことにつながる。生きとし生けるものは、最後まで役に立つ生き方をしたいのである。

田原あやさんは森田先生が亡くなるまで近くで接しておられた方です。


「綾子たちは、1000円の物は100円に、100円の物は10円にしてしまう。もったいなくてやる気にもならない」とよくいわれました。

新聞に入ってくる広告でも一度見て裏の白いのはメモにして、他はまるめて焚付けて、正馬先生のご飯を炊いていました。薪は火が強いので難しくなりますけれども、紙で焚くとふんわりとよくでき上がります。先生は薪で焚いたか紙で焚いたかすぐわかっていました。
捨てる時は灰になって肥料、それで尽くしきったものです。なんでも捨てるということは一番最後にする。どんなものでも何かの役に立つので捨てることは最後としていました。

物の性を尽くすことは、己の性を尽くす、他人の性を尽くす、時間の性を尽くす、お金の性を尽くすことにもつながります。
他人から、自分の存在価値を見出され、活用場所を与えられ、さらに行動したことに対して、最大限の賛辞を与えられることは、生きがいを持ち幸せな人生を送ることにつながります。
自分としては、ネガティブで悲観的な自己内省に向かうことなく、意識や注意が前向きに、外向きに広がってきますので、神経症とは無縁になります。

以上の5点に対して、絶えず意識して、取り組むことで、「かくあるべし」の態度から、事実優先の生活へと転換することが可能となります。
これらに取り組むことで、精神的な葛藤や苦悩と決別し、生の欲望に向かって努力する人間本来の生き方に立ち戻ることが可能となるのです。





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Last updated  2021.07.17 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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