森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.08.13
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覆面調査会社というのがあるそうです。
これは、飲食店やサービス業、セールスのお仕事など、経営者から依頼を受けて、お店、現場のスタッフが実際にどんな接客やサービスを行っているかを調査する仕事です。

調査員が、その立場を隠して、お客様のふりをしてお店を訪れ、接客を受けてその内容を報告するというものです。普通は接客サービス、店員の態度、服装、お店の雰囲気、清掃、提供された商品などの改善点を見つけて指摘することが多い。
相手の問題点を見つけ出して、非難、否定しているわけです。
それが依頼主の要望にかなっていると思ってしまいがちです。
ところが実際は、その手法を推し進めて行くと、仕事の依頼は減ってくるそうです。

ではどんな点に着目した調査を行うと仕事が繁盛するのか。

簡単なことのようですが、発想が反対になるために実行は難しいのです。

大阪市内にある焼き鳥チェーンの覆面調査の事例です。

彼女は、人の見ていないようなところで、客の帰った後のテーブルを一生懸命拭いたり、テーブル下を見て「忘れ物なし。OKです」「あ、忘れ物、傘です!」とレジまで走って行ったり、とても丁寧に、そして一生懸命に仕事をしていました。

すると後日、その報告書を目にした店長が彼女を呼び「 お前の仕事の丁寧さ をこのお店の基準にしたい。だからミスが多くてもいい。失敗してもいい。 この仕事の丁寧さだけは失わないでほしい 」と告げたそうです。

彼女は、元々仕事が遅く、店が満席になるとミスを連発する「ダメバイト」のレッテルを貼られていたのです。店長の言葉で、彼女の仕事ぶりが大きく変わりました。
仕事が少しずつ早くなり、ミスが減ってきました。
仕事を覚えることに苦労し、さまざまな失敗を繰り返してきたことを教訓にして、新しいバイトたちに分かりやすくアドバイスすることもできるようになりました。

それから3か月後。彼女は系列店7店舗130人のアルバイトスタッフの中で「最優秀アルバイト」に選ばれて表彰されました。さらに半年後、お店の売り上げは161%になりました。
ひとりのアルバイトのがんばりを店長が評価したことが店のスタッフ全体によい影響を与え、それが業績アップという形となって表れたのです。
(ほめ下手だから上手くいく 西村貴好 株式会社ユサブル 122ページより要旨引用)

「かくあるべし」の強い人は、相手の弱点、欠点、ミス、失敗を実態以上に大きく取り上げて、相手を非難、否定、叱責、説教することが多いように思います。

自分もたびたび間違ったことをしているのに、それを棚に上げてよくそんなことがいえるものだ。開いた口がふさがらないというのはこのことを言うのではないか。

反対にそれには目をつむり、 できていて当たり前のことを見つけ出して、そこに光を当てて実態以上に評価する能力を身に着けている人もいます。
これは森田理論でいえば、相手の状態に寄り添い、そこを出発点と考えて、新たな生きる課題や目標を提案していくことになります。この方向を森田理論は目指しているのです。
こういう人生観を森田理論で学習して、身に着け、悔いのない人生を送りたいものです。
あきらめないかぎり、森田理論に取り組んでいる全員にそのチャンスは与えられています。





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Last updated  2024.06.02 22:44:23
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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