森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.04
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カテゴリ: 行動のポイント
青山学院大学陸上部監督の原晋さんのお話です。

テレビを見ていると、オリンピックで金メダルを取った直後のインタビューで「次なる目標はなんですか」と聞いているのを見かけるが、つくづく邪道だと思う。
「試合が終わったばかりなのに、そんなことを聞くなよ」と嫌な気持ちになるのだ。
人間はそもそも、1年365日1日24時間ずっと気を張ったままで過ごすことは不可能だ。
人間はサボるもので、緊張感はそれほど続かないという人間観が前提にある。
だから当然のように失敗をする。失敗したときにどう起き上がるかというところを見てあげるのが指導者の役割になるわけだ。

そこで、青学の場合、箱根駅伝を走った選手たちについては「走りたくなったら言ってこいな」と告げて、1月いっぱいは「放牧」と称して集団練習からは外し、自由にさせている。

選手の調子にも波があって、いい状態をずっとキープするのは無理である。
だから、その波の幅をできるだけ小さくし、上り調子の波をどれだけ高く大きくするかがポイントになってくる。調子の波がぐっと下がった時期には、休んでも構わない。

(勝ち続ける理由 原晋 祥伝社新書 108ページ)

人間は緊張状態と弛緩状態が波のように繰り返されていると言われている。
その波にうまく乗ることを考えて行動した方がよい。
森田先生は、冬の寒いときに外出しているときは緊張状態にある。
その状態で家に帰り、炬燵に潜り込んで、身体が温まり、転寝などをしてはいけないと言われています。緊張状態から急に弛緩状態に方向転換しても、身体の方がその変化に対応できないので、その結果風邪をひくのだと言われているのです。
緊張状態から弛緩状態に移るとき、徐々に移行することが肝心だと言われているのです。

弛緩状態から緊張状態に高めていくにはどうすればよいのか。
たとえば箱根駅伝である。正月の2日と3日に開催される。
その日に緊張の波をピーク持って行くようにしないと優勝はおぼつかない。
選手一人当たり20キロくらい走ります。ハーフマラソンの距離です。
往路と復路を合わせて10名の選手でチームを組みます。


そのためにはまず出場権を獲得する必要があります。
出場権を得たら、1年をかけて選手を鍛えて、選手の適性を判断します。
目標管理を徹底して、スタミナ、走力、精神力を鍛えていきます。
規則正しい生活を習慣づけて、精神状態の安定、食事と体調管理を身に着けていきます。
徹底して鍛えたら、レース直前になると緊張状態を少し緩めます。


私たちもこの考え方は頭の中に入れて、行動するようにしたいものです。
緊張状態と弛緩状態は1日の中でも繰り返されています。
昼間は緊張状態にあり、交感神経が優位に働いています。
逆に夜間は、副交感神経が旺盛です。
それに応じてホルモンの出が変わってきます。
だから、その時々の波に乗って規則正しい生活を続けることが肝心になるのです。
昼間は仕事や日常茶飯事に精魂傾けることです。
仕事や日常茶飯事から手を抜いて楽をする事ばかり考えていると、精神が弛緩状態になります。
逆に、夜間ネットゲームなどにはまり、夜間を緊張状態に持って行くと、生活のリズムが崩れて、体調が悪化し、うつ状態に陥ることになるでしょう。

緊張と弛緩の波は、1週間のうちにも発生します。
1ヶ月の間にも発生します。1年のうちにも発生します。
さらに言うと自分の一生の間にも発生しています。
この点については、次の本が参考になりますので興味のある方は読んでみてください。
「意識の法則と6年周期リズム 石原加受子 長崎出版」
私たちは、その波をうまくとらえて、すんなりとその波に乗ってどこまでも疾走していくというイメージを持つことが肝心です。波乗り名人を目指すことです。





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Last updated  2021.10.04 15:17:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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