森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.12.01
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昨日の続きです。今日は3と4の悪循環の打破を考えてみましょう。

3、人間関係における本音と建前の悪循環をどうやって断ち切るか。
自分の素直な感情、気持ち、意思、欲求を優先的に扱うことです。
これが優先順位の1位にこなければなりません。
他人に対する思いやりの気持ちはその次に考えることです。
人間関係の悪循環を断ち切るためには、この優先順位を間違えないことです。

これは他人を踏み台にした自己中心的な生き方になるのではないかという人もいます。でも考えてみてください。
自分を大事にしない人が他人を大事に扱うことができるでしょうか。
私は自分を大事にできる人が他者も大事できると思います。


これはそれぞれが元々持っている特徴、存在価値、能力、技術を再評価して、とことんまで活かしきるということです。
それは、最初に自分が自分を最大限に評価できることが前提になります。
自分がかけがいのない存在なのだと認めることができたとき、おのずから他人もかけがいのない存在だと認めることができるのではないでしょうか。

石原加受子さんはこのことを「自分中心の生き方」と言われています。
それに対して、自分を粗末に扱って、真っ先に他人の思惑に媚びる生き方は、「他人中心の生き方」だといわれています。これが葛藤や苦悩を生み出すのです。
自分を粗末に扱って、人の思惑に振り回される生活は、自分の望むところではありません。そんなことをすると、一生涯つらくて苦しい人生になります。
それは自分のアイデンティティが失われてくるからです。
そんな生活に甘んじていいものでしょうか。
早く足を洗わなくてはなりません。

その他に人間関係の悪循環を断ち切る方法として、森田理論でいう「不即不離」を応用していくというのがあります。広くて浅い人間関係を幅広く築くことです。
必要な時に、必要に応じて、必要なだけの人間関係作りを目指すことです。

親密で狭くて濃い人間関係作りにあこがれる人が多いようですが、これは大変リスクが高い選択になります。これはできれば避けた方が賢明です。

4、つぎに行動上の悪循環について考えてみましょう。
人間は目の前の問題や課題、或いは目標や夢や希望に向かって、積極的に行動することを宿命づけられた生き物だと思います。その時は誰でも活き活きしています。
行動することを控えて、考え事ばかりしている人は、人間の本来性から逸脱していると言えます。熟慮することはよいことですが、行動することを前提にしていないとまずいいと思います。
考えるばかりだと、目標を見失ってさ迷うようになる。

あるいは、壊れたGPSを使って航空機を操縦しているようなものです。

また手足が動かないで、考えてばかりだと、プラス思考にはなりにくい。
ネガティブで悲観的な先入観や決めつけ、レッテル張りをするようになる。
自己嫌悪、自己否定的なことばかり考えるようになる。

納得してから重い腰を上げるという人もいます。
でも考えている間に状況はどんどん変化していきます。
やっと納得したので、重い腰を上げようとしても、すでに状況が変わってしまっていることになりかねません。チャンスは前髪はあるが後ろ髪はないといわれます。
チャンスを見逃して歯ぎしりしても後の祭りになります。
行動しながら随時修正を加えるほうが理にかなっていると思います。

他人の思惑にとらわれて、自己防衛に忙殺されて、やらなければならない事ややりたいことに手が回らないという人もいます。
これは将棋でいえば専守防衛ばかり考えているようなものです。
最後には必ず自滅します。攻撃と防衛のバランスをとることが大切になります。
3で述べたように、自分の素直な感情、気持ち、意思、欲求を最優先にしないと、この悪循環にはまってしまうということになります。

おっくう、めんどくさい、煩わしい、難しそうという感情は、人間である限り誰でも湧き上がってきます。
ここで注意したいことは、気分本位に流されて、本来なすべき行動を回避してしまうことです。それは幼児並の対応になります。
マイナスの気分に振り回されていると、ホッとするのは一瞬で、その後味気ない気持ちでみじめになるだけだと思います。

そういう人は、嫌な気分を振り切って行動してうまくいった過去を思い出すことです。しぶしぶ行動したにもかかわらず、行動してよかったという経験は誰でも持っています。これをプルバックカー手法というそうです。
過去の成功体験を思い出して、気分本位の態度を乗り越えることです。

実践や行動によって、気づきや問題点の発見、或いは興味や関心が刺激されます。それらは、新たな目標を生み出します。
モチベーションが高まりやる気に火が付くと、葛藤や悩みは吹き飛んでいきます。
森田理論は、生の欲望の賦活が最終目標になると思います。
集談会で不安を活用しなから生の欲望に邁進している人を見ると刺激を受けます。
今度は自分もあの人のようになりたいという意欲が湧いてきます。





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Last updated  2021.12.01 06:38:42
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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