森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.02.01
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ヴィクトール・フランクは、三年間にわたりアウシュビッツ強制収容所で過酷な体験をしました。フランクルはその極限状態を何とか生き延びました。
しかし、その間、妻や両親、弟は亡くなっていました。
彼は過酷な運命に翻弄されながらも、最後までその危機を乗り越えて力強く生き抜きました。何が彼の心の支えになったのか。

彼は、日々の生活の中で生きる意味や生きがいを見つけることが大切だと述べています。その方向は次の三つの視点から見ていくことが重要になるという。

1、創造的価値。これは新たなものを生み出していく中で生まれてくる。

2、体験的価値。楽しみや学びの機会を持つことによって生まれてくる。

3、態度的価値。苦難や試練に出くわしたとき、その人がどういう態度でそれを受け取り対応していくか。

この三つの中で一番重視しているのは、態度的価値である。
過酷な運命に翻弄されて、たとえ創造的価値や体験的価値の実現が遮断されたとしても、態度的価値をしっかりと持ち続けられると生き延びることが可能になる。


そして過酷な体験を反面教師にして、精神科医として心の危機に陥っている人に、解放されるための提案をまとめ上げていった。

これは森田理論でいうと、「かくあるべし」という観念優先の態度で現実や現状を非難・否定してしまうと、逆に事実の方から愛想をつかされてしまう。
大量のエネルギーを投入して精一杯抵抗しても、取り返しのつかないしっぺ返しを受けてしまう。そして運命を呪い、自己否定で苦しむようになる。
苦難の人生の始まりとなります。そして生きる意欲が萎えてきて、ただ単に生命を維持することで精いっぱいになる。

「かくあるべし」を自分や他人の押し付けないで、どんなに理不尽な出来事であっても、価値判断しないで素直にその事実を受けとめると事態はまったく変わります。まず事実と闘うことがなくなりますので、エネルギーの無駄遣いがなくなります。そのエネルギーを生の欲望に投入できるようになります。
事実をより深く把握できるようになると、しだいに問題点や課題が明らかになります。今まで上から下目線で見ていた態度が、下から上目線に変化してきます。
こうなりますと、気づきや発見、興味や関心、アイデア、創造力がコンコンと湧き出てくるようになります。やる気や意欲が出てきます。
小さな目標の達成は自信になります。生活に張りが出てきます。
そして弾みがついてさらに大きな課題や目標が見えてくるようになります。
フランクが生きる意味や生きがいと言ってるものは、このようにして生み出されるものだと考えています。





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Last updated  2022.02.01 06:33:31
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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