森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.02.10
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
ビクトール・フランクルは苦悩そのものに意味があるといいます。
苦悩なくして人間は成長しえない。
苦悩そのものが人間のなしうる最も人間的な行為だというのです。
しかし、あらゆる苦悩を肯定するのではありません。
自己愛的な、「苦悩のための苦悩」をフランクルは否定します。
それは、人生を停滞させるだけだからです。
「正しく悩みぬかれた苦悩」だけが、人に成長をもたらすのです。
(「夜と霧」 ビクトール・フランクルの言葉 諸富祥彦 80ページ)

苦しみに意味があるからこそ、人生は生きるに値する。(同書82ページ)



神経症は創造主が私たち神経質者に与えた宿題のようなものだと思います。
投げ出さないで、答えが見つかるまで、粘るのが私たちの務めだと思います。
神経症の渦中で苦しんでいるときは、「どうして私が神経症になったの」と嘆き苦しみましたが、幸い森田理論にたどり着いて、解決のヒントをつかみました。

森田理論は神経症を治すだけではなく、神経質性格者がどう生きていけばよいのか、社会はどうあるべきなのか、人間は自然とどう付き合っていけばよいのか、その解決策のヒントを与えてくれているように思います。
森田理論には人間社会を変革する人生哲学が含まれているように感じます。
世界中の人が学ぶべき必須科目になるのではないでしょうか。

ここで自己愛的な、「苦悩のための苦悩」はダメだといわれています。
この点に関して、森田理論を学習して分かったことが2つあります。

1、不安は欲望が芽生えてくると必ず発生してきます。
コインの裏表のような関係にあります。
本来は欲望の追及を前面に押し出して生活していく。

神経症に陥る人は、欲望の追及を放りだして、不安を取り除くことに精力を費やしています。これがフランクルの言う「苦悩のための苦悩」ではないでしょうか。

2、人間は大脳の前頭前野が高度に発達しました。
思索、検討、分析、創造性を担っています。
これが文明や文化の発達に多大な好影響をもたらしました。
しかし、その結果人間に驕りや慢心が出てきました。

これは人間にだけ見られる現象です。
ところが観念の世界で考えたことを、現実に当てはめようとしても、必ずしもうまく進展しない。
むしろ、事実の世界が精いっぱいの抵抗を見せることが多くなります。
人間は観念と事実の乖離の中で「苦悩のための苦悩」でのたうち回っているのではないでしょうか。森田理論の「事実唯真」はここに焦点をあてた考え方です。





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Last updated  2022.02.10 07:53:36
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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