森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.24
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森田先生の言葉です。

我々の日常生活は、実際において、まず第一に、時と場合における「感じ」から心が発動し、種々の欲望が起こる時に、それに対して、理知により、理想に従いて、自分の行動を調整して行くのであって、すなわち第一が「感じ」で、次に理想が働くのである。
これを反対に、理想を第一にして、それから感じを出そうとするから「思想の矛盾」となり、主義の色合いにかぶれて、純白無垢の行いができなくなるのである。
例えば時間がたてば腹がへり、御馳走を見れば食べたくなる。
これが「感じ」である。(森田全集第5巻 405ページ)

ここでは 感情の事実を第一優先順位とする ことが大切だといわれている。
「好き」「挑戦してみたい」「食べたい」「行ってみたい」という感情や欲求が湧き上がってきたら、その気持ちを大切にすることが出発点になります。
ここで「感じ」というのは、 最初に湧き上がってきた素直な感情

ところが神経質者に限らず多くの人間は、高度に大脳が発達してきたために、感情の事実を軽視・無視してしまうようになった。
森田先生が理想と言われているのは、 観念優先の態度 と読み替えられます。今や人間は観念を最優先してプライドだけが高い鼻持ちならない生き物になってしまった。
自分の主義や思想や主張を他人や自然に押し付けるようになってしまった。
さらに自分自身も、辛辣に批判や否定する生き物となっている。
人間が人間を殺し合う戦争も平気で行う生き物になってしまった。
このままではいずれどこかで核戦争が起きるのは時間の問題だ。
核戦争が始まれば、相手も対抗措置をとってくる。そして人類は滅亡する。
せっかく高度な文明や文化をはぐくんできたのに残念なことです。

感情の事実を無視して、観念を優先する態度の弊害は計り知れない。
森田理論はこの問題に警鐘を鳴らしているのである。

それよりも、受け入れられない事実を受けいれる態度に切り替えませんか。
事実から出発して、問題のある現状を少しでも改善できるようにみんなで力を合わせて努力することが大切なのではありませんか。
言われてみれば当たり前のことですが、現実は観念が第一優先順位で、事実は第二優先順位どころか軽視・無視され続けているのです。
森田理論は神経症を克服する理論として産声を上げましたが、今後の人類史を左右する理論としてとらえ直す必要があると考えています。





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Last updated  2024.06.01 23:40:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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