森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.16
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人間関係をよくしたいと思っている人にとっておきの本を紹介します。
「人間関係にうんざりしたときに読む本」(杉本良明 日本実業出版社)です。
「どんなきつい相手とでもうまくいく対人心理術」という副題がついています。

「それを早く言わんか、バカモノ」
「だから、お前はダメなんだ」
「そんなんじゃ話にならん、やり直しだ」
「作業に時間がかかりすぎているのは、君の努力が足りないからだ」
「何回言えばわかるのだ。真面目に仕事をしろ」

上司からこんなことを言われると、普通の人は反抗的な態度になります。
行為の指摘と人格の批判 がごちゃ混ぜになっていることです。

やり方の問題点や改善点だけを指摘されると、言われた方の受け取り方は違ってくるのではないでしょうか。
例えば、「納期がないから、もう少し急いでやってください」
「ミスや失敗は誰にもあります。すぐに報告してください」
「仕事のやり方が間違っています。基本にのっとってやってください」
「仕事は会社で決められているマニュアル通りにおこなってください」
これらは仕事の改善指示・命令です。
相手の人間性や存在価値を否定しているのではないのです。

杉本氏は、相手の人格や存在価値を否定する言葉は、たとえそれが間違っていなくても、厳に封印する必要があると言われています。
相手に向かって、批判、否定、叱責、脅し、罰を与える、暴言を吐く、暴力をふるう、無視する、バカにする、からかうなどは慎むことが大切です。

人間関係がうまくいかない人に限って、これらの手法を多用して、墓穴を掘っている。幼児並の言動ですが、習慣化していて、本人は制御不能に陥っている。


自分の不快な感情を払拭したくなっても、その前にやるべきことがある。

それは 一旦相手の感情を肯定する、承認する ということです。
「分かる、分かる。その気持ちはよく分かります」
「そうおっしゃるのも無理はない」


感情を承認するとは、相手の話をほめたり、賛同することではありません。
また相手の考えや意見、見解を肯定、同意する必要はありません。
相手の感情を承認するだけの事ですから、間違えないでください。

これを身に付けるためには、 まず自分の感情や自分自身を自己承認する 必要があります。
自己承認ができない人は、他人を承認することはできないといわれる。
自分の不安、恐怖、違和感、不快感をあるがままにうけ入れる。
「かくあるべし」を封印して、事実に素直に寄り添うようにする。
自分の感情や思考、ミスや失敗、欠点や弱点などを受容・許容する態度を養成することです。

そのためには、誰でも自分という一人の人間の中に、二人の自分が住み込んでいます。葛藤や苦悩している自分と、その自分を絶えず非難・否定しているもう一人の自分が同居しているのです。
雲の上の方に居座っている自分が地上に降りてきて、事実や現状に寄り添うようになると、問題は解消してきます。
このようにして自己肯定感が育ってきた人は、同時に他人の感情を肯定・承認することが可能になると言われているのです。
これを身に付けるためには、森田理論学習の「事実本位の態度の養成」が大いに役に立つと思いますが如何でしょうか。





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Last updated  2022.05.16 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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