森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.28
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カテゴリ: 神経症の成り立ち
身体醜形障害というのがあります。

顔全体、目やまぶた、鼻、体型、髪、肌、唇、脚、髭などを人と比べて気に病んでいる障害です。不安が強くなり過ぎると、ストレスになります。
人前に出ることを恐れて日常生活が滞ることになります。
整形外科にかかり手術をする人もいます。

この問題に真正面から取り組んでおられるのが、鍋田恭孝先生です。
「身体醜形障害」(講談社)という本に、その成り立ちや解決方法などを詳しく紹介してありますので、悩んでいらっしゃる方にお勧めします。

この本によると、身体醜形障害の悩み方に2つの方向性があると言われています。

1、こうあってほしいという自分の姿が鏡の中には見出せず、身体に裏切られていると感じる。完全な容姿でないことが納得できない。

2、自分の容姿はおかしい、あるいは容姿におかしな部分があると感じるが、そのような消してしまいたい部位が気になってしまい、鏡で確かめずにはいられない。


(同書88ページから89ページ)

鍋田先生は、身体醜形障害で苦しんでいる人は、完全欲の強い人が多いと言われる。イギリスの研究では69%の人が完全主義、完璧主義の人だったといわれる。

鍋田先生が身体醜形障害の人に次のように質問するそうです。
「超美形を100点、平均点を50点、ひどく容姿が劣る人0点したら、あなたは自分の容姿を難点だと思いますか」
これに対する答えは、「0点以外にありません」「点数がつけられないほどひどいです」「マイナス100点です」
鍋田先生の見立てでは、ほとんどの人は70点から80点くらいの人だと言われています。看護師さんなどに聞いても大体そんな評価です。

本人の自己評価が実態とあまりにもかけ離れているのです。
見当違いが大きく、しかも否定的です。
この状態になると、雲の上のようなところに自分の立ち位置をとって、上から下目線で現実を非難・否定してしまうことになります。
つまり自作自演で苦しんでいるのです。
先入観で事実を受けいれない弊害はとても大きいものです。

勝ち負け がテーマになっていることが多いと言われています。つまり負けず嫌いの性格を持っていることが多い。
これは神経質性格の特徴の一つになっています。
また思い込んだらどんどんエスカレートして、気持ちを他に転換することができなくなります。
注意と感覚の相互作用によってアリ地獄に真っ逆さまに落ちていくことになります。

森田では神経症的な不安は、欲望の裏返しとして発生するものだと言います。

森田では不安はそのままにして、エネルギーを生の欲望の発揮につぎ込みましょうという考え方です。そして不安と欲望のバランスがとれ始めると、神経症との葛藤や苦悩はどんどん小さくなっていくという理論になっています。
(同書152ページから153ページ参照)

容姿に不平不満のある方は、自分は個性派俳優である。
この個性を活かす道はないかと、活用の道を探すのは如何でしょうか。
それと、例えば髪の毛が薄い人は、歯は丈夫だという人がいます。
あるいは、生活習慣病では特に問題点が見当たらない。
がん検診でも引っかかったことがない。
家系的にはガンにかかった人がいない。
心臓病や脳卒中で突然死した人がいない。
こうして全体としてバランスがとれていると考えれば、マイナス面だけではなく、プラス面にも光を当てて公平に見ることが肝心ではないでしょうか。





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Last updated  2022.05.28 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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