森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.06.01
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夜、居間で夫婦喧嘩が起きたとします。
大声で激しく言い争い、時には暴力的になることもあるでしょう。
このとき幼い子供が自分の部屋でその出来事に遭遇しました。
子どもにとってはとてもショックなことです。
頭が真っ白になります。

程度の差はありますが、夫婦喧嘩はどこの家でも起こりえます。
問題は夫婦喧嘩を子どもにどのように伝えるかです。
子どもの動揺を抑えるためにきちんと伝えるか、子供の不安な気持ちのままに放置してしまうか、その後の子どもの精神状態に大きく影響します。

子どもの動揺を抑えるためにきちんと伝える家庭
居間にやってきた幼い子どもは母親に抱きとめられます。

母親「お父さんがこんなことを言ったので、お母さんは腹が立って喧嘩になったのよ。でも喧嘩ができる夫婦はほんとは仲がいいのよ」
子ども「私びっくりしてとても怖かった」と涙声になる。

翌朝食卓に行くと、父親からもけんかの経緯の説明がありました。
父と母がいつものように仲良くしているのを見ると、子供は安心します。
夫婦喧嘩をしても、その後修復不可能になるのではないのだなと感じます。
むしろ喧嘩によって夫婦の信頼感が強くなっているような気がする。
この体験が大人になって活きてきます。

子どもの動揺を無視してしまう家庭
子どもが居間に行くと怒りが収まらない母親が悔し涙を流しています。
子供はもう父と母は仲直りすることがないかも知れないと感じます。
父親はもうこの家に帰ってこないのではないか。
家庭がバラバラになるかもしれない。そんなことは受け入れられない。

父と母は喧嘩をするために一緒に住んでいるのか。

子供はその出来事そのものは、よく思い出せないようになります。
親につらいことをされたのに具体的に思い出せなくなるのです。
しかしその時の怒鳴り声や取っ組み合いのトラウマは長期記憶となって残ります。同様の出来事が起きたときに、その不安や恐怖の感情で支配されるようになるのです。この現象は解離性障害と言われています。

成長して相手と喧嘩になりそうなときは、自分の感情や気持ちを抑圧するようになります。一旦喧嘩をしてしまうと、人間関係が壊れて修復不能になるという考えになるのです。

自分の感情、気持ち、意思、欲望、欲求を抑圧して生きることは辛いことです。
本音を無視して、建前だけで生きることになるからです。
自分の感情を抑圧する習慣が出来上がってしまうと、生きることは苦しむことだと誤解するようになります。

子どもを持つ親は、夫婦喧嘩を通じて人間関係のコツを伝えていく責任を負っていると思います。森田ではまず相手の言い分をよく聞く。
そして自分の言い分も相手に伝える。
二人の間に大きな溝があれば、それを確認して、話し合いによって歩み寄る。
譲ったり譲られたりの話し合いと妥協が大切だと教えてもらいました。
win winの人間関係を作り上げていくことが、子どもに好影響を与えていくのです。





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Last updated  2024.06.03 10:33:56
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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