森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.07.30
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藤沢周平氏の小説「海鳴り(下) 258ページ」に家族の幸せについて述べた部分がある。

ひとは、いや少なくとも一家を背負う男というものは、家の中に多少の不満があってもじっとこらえ、こわれればとりあえず繕って、何度でもそうして、辛抱づよく家を保ちつづけるべきものなのだろう。

家は決して、完全で居心地がいいだけの容れ物ではないだろう。
人びとはその中で、お互いに殺したいほど憎み合ったりする。
だが、それだけではなく、時には打ちとけて笑い合うことだってあるだろう。
そのときは殺したいと思ったことも忘れて、どうしてあんなに憎み合ったのかと訝しく思うのだ。

そうしていがみ合ったり、笑ったりしながら生きて行くのが、人間のしあわせというものではないだろうか。
そういう平凡で、さほどの面白味もない、時にはいらだたしいようなものが、じつはしあわせというものの本当の中身なのではなかろうか。
とすれば家は、不完全ながらやはりしあわせの容れ物なのだ。

家の中の不しあわせというものは、たかがしれている。

集談会の仲間で家族の人間関係に問題を抱えている人がおられます。
夫婦、両親、義理の両親、子供、兄弟姉妹の人間関係である。
家族はたとえ同じ家に暮らしていても、別々の人格を持った他人であるという認識を持つ必要があるのではなかろうか。
家族を自分の意のままにコントロールしようとすることは厳に慎むべきである。
結婚するまでは美辞麗句やプレゼントで相手の関心を掴もうとするが、結婚した途端に態度を豹変させるようなことは許されないことだ。

家族の人間関係でぜひとも気を付けておきたいことを紹介します。
まず結婚する時はクリナップ契約(夫婦の取り決め)を結び文章にする。
一番大事なことは意見が対立したときは、どのように解決するかを決めておくことだ。決してお互いに「かくあるべし」を押し付けてはいけない。

次に不即不離だ。あまりベタベタしない。でもいつも気にかけて、無視しない。
相手を束縛しないで、お互い自由に行動する。


次に自分の考えを「私メッセージ」を使って相手に伝える。
両者に大きな乖離があれば、話し合いによって、溝を埋めていく。
譲ったり譲られたりの交渉を試みる。
それでもつい感情的になって口喧嘩をしてしまう。
そのときはムキになっても、時間の経過とともに水に流す。


一方行動はコントロール可能で、意志の自由が効くといいます。
感情に振り回されて、行動に影響を及ぼしているのは残念なことです。
感情は感情、行動は行動と区別することが肝心です。
森田で最初に身に着けてもらいたいのはこの部分です。





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Last updated  2022.07.30 06:20:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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