森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.08.03
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大橋秀行さんのお話です。
「将来、世界チャンピオンになれる選手かどうかわかりますか」
大橋さんの返事は、「わからない」でした。
しかし、そのあと、こう付け加えています。
「世界チャンピオンになれる選手は分からないが、なれない選手ならわかる。周囲に不満を持つ選手は、どんなに素晴らしい素質があってもチャンピオンには絶対なれない」

これはご自身の体験を踏まえたものです。
大橋会長は、小学生のころからボクサーを目指し、子供ながら1日2食を通したほどの意志の人です。
けれど、「150年に一人の素材」といわれながら、ここ一番の勝負になるとなぜか勝てません。何となく勝てそうな格下の相手にも負けてしまう。
そんなことが続き、「なぜだろう」と自分に問いかけた大橋会長は、思いがけない答えを見つけます。

そのことに気づいてから、その不満をなくすように努力したといいます。
「不満」の反対は、「感謝」です。
不満を感謝の心に置き換えるようにしたときから、「不思議に結果が出るようになった」と大橋会長はいいます。

このお話を脳科学的に解釈すれば、不満というストレスのために否定的な脳になっているときは、体のキレが悪くなり、判断力も低下する。
しかし「ありがたい」という感謝で脳を肯定的にしたら、脳の機能が格段に上がったということです。
(NO.1メンタルトレーニング 西田文郎 現代書林 74ページ引用)

この話は、最新の脳科学の知識があればすぐに分かります。
グチや不平・不満は不快な感情です。
扁桃体が不快と判断した感情はノルアドレナリンという神経伝達物質によって青斑核に送られます。ここから大脳全体向かって、自分の心身の安全や安定を維持するために、守りの態勢に入るようにという命令が下されます。
いざという事態を想定して専守防衛態勢に入るわけです。

そのとき、ドパミン主導の報酬系神経回路は休眠状態に入ります。

精神状態が否定的なことばかりを考えるようになるのです。
相手が闘志満々で脳の中を報酬系神経回路が駆け巡っている時に、「負けたらどうしょう」「惨敗したらこのまま国には帰れない」という悲観的な感情で覆われていたとすれば、戦う前から大きなハンディを負っているようなものです。

それを払拭するために、大橋氏は不満を感謝の心に置き換えるようにしたといわれています。
感謝の言葉は、毎日唱和することが肝心です。
私は毎日仏壇に手を合わせています。

それから今日一日無事に過ごせたこと。
三度の食事をいただいたこと。

最初は感謝の気持ちが湧き上がらなくても、感謝の言葉を口にすることでいつの間にか、感謝の気持ちが持てるようになります。形から入るということです。
グチや不平不満を口にしているのとは、雲泥の差がついてしまいます。
そういう習慣が少なからず、精神の安定に役立っているのではないかと思っております。





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Last updated  2022.08.03 06:26:53
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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