森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.08.19
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カテゴリ: 感情の法則
自動車のハンドル操作する時、左右に回した際に数ミリから数センチの間は全くタイヤが動かない部分があります。これは「ハンドルの遊び」と言われています。

この遊びがあることで、走行時に蛇行しにくくなったり、ハンドルをスムーズに動かすことができるようになります。
ハンドル操作が直接にタイヤに伝わる方が効率的に思えますが、これはかえって危険なのです。
遊びは、車をスムーズに走らせるために必要不可欠なものになっています。
ですからどんな車にも、この遊びは標準装備されています。
考えにくいことですが、遊びのない自動車は欠陥車ということになります。

この遊びは人間関係でいえば何でしょうか。
ゆとり、包容力、許容性のことではないでしょうか。
感情と行動を区別する緩衝帯、間と言ってもいいのではないでしょうか。

普通なら笑って許せるところで、対立するので気が休まりません。

森田理論では、感情と行動はきちんと分けなさいと言われています。
遊びのない人は感情や本能の赴くままに行動する人です。
不快な感情が常に破れかぶれな問題行動に直結しています。
遊びのない人間は、欠陥人間ということになるでしょう。

相手の気持ちを思いやることは、もともと誰にも備わっていたものです。
ところが昨今この「遊び」の機能を失ったかのような人が増えています。
あおり運転などはまさにそうですね。
また、「遊び」の機能を果たしていないことに、全く気が付かない人が増えています。毒蛇が街中をうろうろはい回っているようなものです。
お互いに疑心暗鬼になります。

例えば思ったことをすぐに口にする。


また腹が立ったら、売り言葉に買い言葉ですぐに怒りを爆発させる。
そういう人は犬も食わない代物だといわれますが、本人はそれが当たり前のことだと思っている。自分のどこに非がある。それを証明して見せろなどと意気込む。
人間関係が悪化しても、それは相手に責任があると主張する。
反省しないので、問題がどんどんこじれてきます。

こういう人は、基本的に森田対象外だと思います。

専門医の力が必要です。我々がいくら手助けしようとしても無駄になります。

さて、集談会に参加している神経質性格者で「遊び」がない人は、できるだけ早く修復することが必要になります。
自分は感情と行動をきちんと分けられない人間であるという自覚がある人は、すぐに修復に取り組みましょう。
感情と行動は別物として取り扱うという課題に取り組むことです。
これができるようになれば、人間関係は劇的に改善します。
しかし実際問題一人では難しいと思います。

そんな人には強い味方がいます。
集談会の先輩会員に、自分の場合、感情と行動はきちんと分けられているかどうか素直な気持ちで聞いてみるのです。
例えば1から10までの遊びの内、自分の遊びはどれくらいだろう。
あるいは、学習会のテーマとして取り上げ、お互いに無記名でアンケートを取るのはどうだろうか。

10名くらいのベテラン会員に聞けばほぼ見当がつくと思う。
評価が5以下の場合は、不快な感情に行動が多分に影響を受けているのかもしれません。つまりハンドルの遊び部分がほとんどないという状況です。
それが人間関係を大きく毀損しているわけですから、修正していくしかないですね。車でいう遊びの部分が生まれると、人間関係は改善できますし、生きることが楽になります。





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Last updated  2022.08.19 06:20:07
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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