森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.09.23
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7月号の生活の発見誌に興味深い記事があった。

神経症の治癒を目指して、「精神交互作用」重点型と「思想の矛盾」重点型に分かれているという内容であった。

精神交互作用というのは、自分の気になる不安に対して注意を集中するために、注意と感覚の悪循環が生まれて、アリ地獄にまっしぐらというものである。
ここに注目すると、神経症の克服のためには、精神交互作用を断ち切ることが大切になる。
そこから、不安はあるがままに受け入れて、なすべきをなすというのが神経症治療の方針になるというものです。
これは50数年前に集談会が生まれた時から、これを金科玉条にように教えられました。実際これで救われた人も多かったのです。
それで集談会から卒業した人も多かった。
しかし、生きづらさは全く解消されませんでした。
仕事や生活が大きく改善したにもかかわらず、神経症の葛藤や苦悩は相変わらずでした。


それに沿って「森田理論学習の要点」が改訂された。
これは、森田用語で「思想の矛盾」と呼ばれている。
私は最初の頃「思想の矛盾」という言葉の意味が全く分からなかった。
今では、「かくあるべし」振りかざして、素直な感情を否定したり、現実で苦悩している自分、他人、自然を敵視する態度のことだと理解しています。
観念優先で事実を軽視する態度のことです。

この2つの視点は森田理論の核心部分です。
車の両輪となって、森田理論を支えているものですから、甲乙つけがたいものです。
ですから、どちらかに偏って、森田理論を理解しているとすれば、飛行機でいえば片肺飛行しているようなものだと思います。
両方を均等に学習して、修養する必要があります。

注意点があります。
精神交互作用ですが、不安にとらわれて、神経症に陥るので、それを断ち切るために実践・行動しましょうというのは説得力がないように思います。

まず不安と欲望の関係性を学習することが肝心だと思います。
神経症的な不安は、欲望があるから発生しているという考え方です。
不安と欲望のバランスをいかにとるかというのが眼目となります。
また不安の役割や特徴、過大な欲望は不安を制御力として活用するという考え方もしっかりと学習する必要があると考えます。
これらが理解できると、神経症的な不安と格闘することはバカバカしいことだと思えるようになります。


エネルギーの無駄遣いが起こり、いつまで経っても生の欲望への発揮のスタート地点に立てないということをしっかり学習したいものです。
オリンピックでいえば、国内予選を勝ち抜いて、世界の舞台でスタート地点に立つということです。生まれ変わって人生の檜舞台に立つということです。
事実本位を身に付けるための手法はいろいろありますが、まず「かくあるべし」をまき散らすことの弊害について理解することが先決だと思います。
観念優先の態度の弊害が理解できるようになると、原点回帰ができるようになります。
手法はいろいろとあります。このブログでも紹介しています。
身につけるのはあなた次第です。





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Last updated  2022.09.23 06:20:06
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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