森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.10.01
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私たちはポジティブなことよりも、ネガティブなことを考えがちです。

不安だ、怖い、めんどうだ、つまらない、面白くない、イヤだ、失敗したらどうしよう、やる気が出ない、できるとは思えない、失敗するに決まっている、緊張している、大変なことになった、ついてない、ツキに見放された。

目の前にやるべきことがあっても、こんな気持ちや感情が湧き上がってくると手も足も出なくなります。
これは脳の仕組みでいうと、ノルアドレナリン主導の防衛系神経回路が活性化して専守防衛に偏ってくるからです。
防衛系神経回路は、扁桃体から青斑核を通して脳全体に広がります。
最終的には前頭前野に行きつきますが、積極的、生産的、建設的、創造的にはなりません。その神経回路がドパミン主導の報酬系神経回路に切り替わらないと、行動は益々消極的、逃避的、回避的になってきます。

それを改善するために 「イエス・バット法」 というのがあります。
これはまずネガティブな感情をそのまま「イエス」といって受け入れます。


たとえばスポーツ観戦で贔屓のチームが逆転負けを喫しました。
それまでよい気分だったのに急に奈落の底に落とされた状態になります。
こんなとき、「やっぱりだめだ。救いようがない。このチームでは応援する気にもならない。監督がの采配が悪い。どうしてあの選手を使うのか。選手も選手だ。少しは頭を使ったプレーをしたらどうか。今後しばらく観戦は見合わせておこう」
このようにネガティブな感情はどんどん膨らんでしまいます。

早速ネガティブ感情を「バット」で打ち消してみましょう。
「確かにこのチームには弱いが、かもにしているチームもある。
チームの順位だって今は真ん中あたりだ。
客観的にみると箸にも棒にもかからないというほどではない。
連敗するときもあれば、連勝する時もある。
先日はこの監督のおかげで、思いもよらない逆転サヨナラ劇を見せてもらった。
今回結果が出ていない選手も、勝ち星は上位にランキングされている。

この次の奮起が期待できる。さらに応援していきたい」

私たちは仕事で小さなミスをしたとき、すぐに取り返しのつかない大失態を犯してしまったと思いがちです。
このままでは同僚や上司に顔向けできない。
辞めてお詫びするしかない。場合によっては死んでお詫びしようか。
客観的に見れば、致命的なミスではないのに、本人は自分の一生を左右するかのように膨らませてしまうのです。損な性格です。

そして次のミスや失敗を恐れて、積極的な攻めの仕事ができなくなってしまうのです。これでは無能な社員に甘んじてしまうことになります。

ここでも「イエス・バット法」を活用したいものです。
「ミス自体はほめられたものではないが、仕事をしている以上ミスはつきものだ。
営業の仕事はほとんど失敗に終わっている。
ミスをいかに素早くカバーするかが腕の見せ所だ。
これによって得意先の信頼感が強固になることもある。
完璧な人よりも欠点を持ち合わせている人の方が親しみが持てる。
なんどもミスをしないように、対策を立てて今後に活かすことができれば、自分の成長にもつながる」

「イエス・バット法」は、積極的、建設的、生産的な行動へと強力にアシストくれる手法となります。





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Last updated  2022.10.01 06:20:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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