森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.06.20
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神経症に陥ると不安を一つに絞る傾向があります。
この不安さえなくなれば、万事うまくいくのにと思ってしまいます。
実際には精神交互作用によって不安は増悪します。
そして日常生活に支障が出るようになり、神経症として固着してしまいます。

この悪循環を防止する方法があります。
それは不安を一つに限定しない方法です。
同時並行的に不安や心配事をいくつも意識するということです。

例えば人前で楽器(アルトサックス)を演奏する時は予期不安が出てきます。
「正確に演奏できるだろうか」という不安です。

不安を打ち消すために運指を確かめるようなことをすると逆効果になります。
金縛りがあったようになり、手先の動きがぎこちなくなります。
練習では問題なくできることが本番ではできなくなってしまうのです。

このとき次のような課題を持っていると、プレッシャや予期不安ばかりに関わっているわけにはいかなくなります。

・リードは正しく取り付けられているか。保護キャップはつけてあるか。
・リッププロテクトは装着しているか。
・消音モップは取りはずしてあるか。
・他の楽器の人との音合わせは済んだか。
・今日の曲目の順番と進行の段取りは分かっているか。
・仲間との立ち位置の関係は分かっているか。
・楽譜は演奏予定順に並べ替えているか。

・私物の保管は問題ないか。特に貴重品管理。
・靴、帽子、衣装などに問題はないか。
・時計は持っているか。
・トイレは済ませているか。
・携帯はマナーモードになっているか。

・名刺は用意しているか。

本番前にはチェックリストを見て一つ一つ丁寧に確認していくのです。
これにはプレッシャや予期不安に振り回されない効果があります。
これは森田理論の「無所住心」の応用にあたります。
森田先生は注意を一つのことに集中してはいけないと言われています。
同時並行的にいろんなことが気になるように仕向けていく方がよいのです。
我々の心が最もよく働く時は「無所住心」といって、心が四方に働いて、昆虫の触角が、ピリピリしているときのように、ハラハラしているときである。
(森田全集第5巻 328ページ)





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Last updated  2023.06.20 06:35:49
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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