森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.10.03
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池ポチャの法則は、ゴルフで絶対に球をフェアウエイに乗せたいと意識する時に起きます。
細心の注意を払っていると、そんな愚かなミスをするはずがないと考えがちです。
そう考えながら球を打つと、池に引き寄せられるように、心配していたことが現実となってしまうという現象です。
「池に打ち込んではいけない」ということはよく分かっているのに、どうしてそのようなミスを犯してしまうのでしょうか。
今日はこの問題を取り上げてみました。

これはゴルフだけに限りません。楽器の演奏でもそうです。
過去に間違えたところは、今度は絶対にミスをしてはならないと考えていると、今度もまた同じところでミスをしてしまう。
ミスしたところにさしかかると「間違いなくできるだろうか」という不安が生まれます。
小さなパニックに陥ります。その不安はすぐに前頭前野に伝えられます。

つまり意識をいつまでもその部分に固定してしまうのです。

演奏は側頭葉や運動野に蓄えられた長期記憶を基にして行われています。
意識的行動ではなく、無意識的な行動です。
練習ではほぼ正確に演奏できても、本番で前頭前野が介入してくるととても厄介なことになります。
ケガをして出血しているときは急いで止血しなければなりません。
前頭前野の介入は、止血が必要な時に、ケガの原因究明をしているようなものです。
大量出血をすると命にかかわるようなこともあります。

前頭前野は事前に問題が予想されるとき試行錯誤する時は役立ちます。
ただし十分な練習をして、あとは本番で成果を出し切ればよいという時には何の役にも立ちません。
むしろ弊害が大きくなります。手先が金縛りにあったようになります。

この場合は前頭前野に不安の情報を送らないことが大切になります。

せめて意識を一点に集中しないように心がけることは必要になります。

イチロー選手や羽生結弦選手はルーティンワークを心がけていました。
これに意識を持ってくることで、分散化が図られているのだと思われます。

私はサックスの演奏をしていますが、最初にソロで演奏する時に不安が高まります。
その時は1時間前に不安を多少和らげるデパスという抗不安薬を飲んでおきます。

これを名づけて、「パフォーマンス限定社交不安障害」と呼ぶそうです。

次に本番ではまずゆっくりと運指を音を出さずに確認します。
そして時間を置かずにすぐ演奏に移るようにしています。

あとは同じサックスの人が高齢で、「私がしっかりリードしないでどうするんだ」という意識を持つようにしています。

この3つ以外にもいろいろと工夫してきましたが、それらはすべて症状の強化につながりました。
シンプルイズベストという結論に達しました。





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Last updated  2023.10.03 06:41:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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