森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.11.12
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岸見一郎氏のお話です。

子どもや部下を叱るのも、ほめるというのも対人関係の構えに問題があると言われています。
対人関係がヨコではなくタテ関係になってくることは同じだと言われている。
タテの人間関係は敵対関係、権力闘争に向かいます。
力や能力のある人が、弱者や能力のない人をコントロールするようになるのです。
人間関係が支配、被支配の関係になってしまいます。
支配者は巧みにアメとムチを使って人々を支配するようになります。
ほめるというのはアメにあたります。叱るというのがムチにあたります。
褒賞必罰は他人をコントロールする時の常套手段です。



岸見一郎氏によると、ほめるというのは人間関係が対等ではなく、能力のある人間が能力のない人に、上から下にくだす評価の言葉である。
人間誰しも、たとえ子どもであっても、上下の人間関係に置かれることを好みません。
だから、子どもや部下たちをほめるのはおかしいのです。
「やればできるじゃない、よく頑張ったね、よく我慢できたね、あなたはすごいね、あなたは偉いね」というほめ言葉は、あなたはいつもは無能で何もできないけれども、今回は珍しくよくできたので大いにほめてあげましょうと言っているようなものです。
つまりほめるという言葉が差別用語になっているのです。

評価される、ほめられていることをよりどころとして成長した人は、どのような人間になるでしょうか。
行動の目的が人から評価されるか、非難・否定されるかに置くようになります。
本来の行動は、必要に応じて、必要なことを、必要なだけするのがセオリーです。
ほめられることを期待して行動する人は、良きにつけ悪しきにつけ、人目を引く行動に焦点を当てるようになります。

その傾向は成長とともにどんどんエスカレートしてきます。
ほめられるために時間とお金を投入します。

日常茶飯事、仕事で最低限の責任を果たす、良好な人間関係作り、人の役に立つこと等には目が向かなくなってきます。

目立つことばかりしても人々の注目を集めることは難しいです。
そのうちやることなすことが裏目に出るようになります。
人に迷惑をかけ、自分もやりがいをなくしてむなしくなってきます。
人も次第に寄り付かなくなってきます。

​「ありがとう」という言葉を使う​ ようにしましようと言われています。
「ありがとう」と言われた人は、人の役に立つことができたという気持ちになります。アドラーは人の役に立つことをした時、自分に価値があると思える。
すると意欲ややる気が発生してくる。
だから貢献感が持てる行動は大切だと言っているのです。
人が喜び、感動してもらうことに取り組むことは、自分の生きがいを育てることにつながります。
(ほめるのをやめよう 岸見一郎 日経BP )





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Last updated  2024.11.12 06:33:11
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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