森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.02.06
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カテゴリ: 認識の誤り
湯島山緑泉寺の青江覚峰住職のお話です。料理僧と言われている。

2006年から、アイマスクをつけた状態で食事を取る体験会「暗闇ごはん」を始めた。現代人の食事はご飯を食べながらスマホを操作したり、テレビや新聞を見たりしている。
現代人は、目の前の食事に集中することがおろそかになっている。
「いま、ここに」意識や注意が向いていないのです。
目の前のことに集中することが自分自身を見つめ直すきっかけになる。
何より、食事を大切にすることは自分を大切にすることになります。

「暗闇ごはん」では、食感や香り、味覚を頼りにいま何を食べているのか必死で考える。この過程を通じて、自分と食事が一対一で向き合うことができ、食材に対する感謝の気持ちや新たな発見に繋がるのです。

毎回出す料理にトマトの透明スープがあります。
私の統計上、目隠しの状態でトマトと言い当てる人は99%に上ります。

これは、トマトは赤いというバイアスに囚われ、誤った見方をしてしまう。
日常生活に置き換えても、固定観念が判断に悪影響を及ぼすケースは数え切れません。だから仏教にいう「正見」、溢れる情報を鵜呑みにするのではなく、あるべきものを正しく見ることが大事になるのです。
(人間学を学ぶ月刊誌 致知2月号 84ページ)

この話は、目の前の事象の観察を怠り、先入観、決めつけ、思い込み、早合点で判断し、拙速に行動することの危険性を説明されているのだと思います。

最近ネガティビィティバイアスという言葉を耳にすることも多くなりました。
これは人間の脳にはポジティブな情報よりも、ネガティブな情報がより多く記憶されている。つまり記憶に偏りがある。バイアスがかかっているということです。
これは太古の昔、他の肉食獣に比べて非力な人間が生き延びていくために、必要不可欠な脳の仕組みだったのです。
その名残として、ネガティブ情報には鋭く反応して、身体や精神的な安全を確保しようとしているのです。

・テストで平均点以上なのに、間違ったところが気になって落ち込む。

・職場での考課表でプラスの面があるのに、マイナスの評価ばかりに目が向いて落ち込む。

・人間関係は馬が合う人20%、馬が合わない人20%、どちらでもない人60%の法則があると言われますが、馬が合わない人の言動ばかりを気にして目の前のことが手につかない。


しかし一人の学生が居眠りをしているのを見つけました。
そのことにとらわれて、全員が僕の講義に興味も関心ないのだと決めつける。

これらはネガティビィティバイアスの影響を強く受けているのです。

人間が思考するとき、ネガティビィティバイアスの他、先入観、決めつけ、思い込み、早合点で事実を歪曲する特徴があることをしっかりと学習する必要があります。
興味のある方は、このブログの「認識の誤り」のカテゴリーをご参照ください。



白い部分に注目して見れば、壺に見えると思います。
でも黒い部分に注目して見れば人の顔に見えます。不思議です。
壺だと決めつけてしまうと、人の顔には見えなくなるのです。
片寄った見方はとても危険だということがよく分かります。





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Last updated  2025.02.06 06:43:03
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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