森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.02.16
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森田先生はただ現実を見つめさえすればよいと言われています。
しかし不安や症状にとらわれているときは、心ここにあらず状態で、見ているようで見ていないことが起きます。

先日も某君に、ある花を枯らさぬように頼んだところが、その人は一生懸命に、従順のつもりで朝夕に水をやっている。
花は咲き終わり、その茎は藁のようになっても、まだ気がつかないでいる。
見つめるという言葉にとらわれて、その周囲のものが見えない。
枯れるものと枯れないものとの草花の区別なども、少しも気がつかないのである。
(森田全集5巻 231ページ)

神経症で苦しんでいるときにありがちなことです。
不安や症状、他のことを考えながら見つめていると、表面的には見ているのですが、実際には見ていないのと同じことです。

この状態では、気づきや発見、興味や関心が生まれることはありません。
気づきや発見、興味や関心が生まれると、積極的、生産的、建設的、創造的な行動へと向かいますが、心ここにあらず状態で不安や症状を見つめていると、ますます悪化の一途をたどります。
見つめるときは、 ​ものそのものになりきって対象物を見る ​​ ことが大切になります。

しかし神経症で苦しんでいる人に、自分の心を見つめないで、目の前の物を見つめなさいと言っても無理な相談です。
ではどうすればよいのか。そのよい方法が生活の発見誌2025年2月号の体験談に紹介されていましたのでご紹介します。

この方はお医者さんのアドバイスに従って、規則正しい生活に切り替えていったそうです。
毎日決まった時間に起きて、規則正しいスケジュールで過ごすことにした。
毎日のルーティンをつくって意識(心)よりも、体(行動)を主体とした生活に入っていった。

本人曰く。症状があるから気分は最悪のままでした。
好きでもなく興味もない家事や散歩をしたからって心が平穏になるわけじゃないし、この生活になんの価値があるのだろうと考えていた。
いやいや仕方なしの取り組みでしたが、2ヶ月くらい経つと、木が芽吹くように少しずつですが、お医者様の言うとおり、ちゃんと症状は落ち着いてきました。

私もここ10年以上毎日6時20分に起床する生活を続けています。
起床後はルーティンに沿って淡々と行動しています。

すると不安や症状のとらわれが少しずつ軽減されました。
やっと内向一辺倒の心が、少しだけ外向きになり、目の前のものごとを見つめられるようになったのです。
そして次にルーティン作業をするときに、気づきや発見、興味や関心、改善点や改良点がないかという気持ちを持つようにしました。
すると課題や目標が芋づる式のように出てきました。
それをすぐにメモして宝物として行動に結びつけました。

規則正しい生活が症状克服とどんな因果関係があるのだと反発する人は多いのですが、論より証拠実際に取り組んでみることをお勧めしたいです。





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Last updated  2025.02.16 06:20:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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