森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.30
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カテゴリ: 最新の脳科学
ボクシングで世界フライ級とバンタム級の2階級制覇を成し遂げたファィティング原田さんは、美空ひばりさんの「柔」がヒットしたとき、その歌い出しにある「勝つと思うな。思えば負けよ」の歌詞は間違いだと文句を言ったそうです。

「勝つと思うなは、ウソですよ。勝つと思え、思わなきゃ負けよが正しい」

世界チャンピオンになろうと思っても、チャンピオンになれるとは限りませんが、なろうと思わなかった人で世界チャンピオンになった人は一人もいません。
オリンピックでも金メダルを獲りたいと思わない人は金メダルを手にすることはありません。
スポーツの世界では、「負けるかも」「勝てないかも」と予感して勝った選手はいません。
もしあったとすれハプニングや相手が自滅した結果として勝ったのです。

その原因はネガティブな予感が頭をよぎると、脳は努力することを放棄してしまうからです。

勝つために貪欲な努力をしなくなります。
精神の緊張の糸が切れて、弛緩状態に切り替わってしまうのです。
一旦弛緩状態に陥ってしまうと、「これはやばいぞ。立て直そう」と思ってもあとの祭りです。
100m走でも、ゴール間際に勝ちを意識した途端に、緊張の糸が切れて負けてしまうことがあります。


「負けるかも」「勝てないかも」と考えると、扁桃核はこれを「不快」と判定して、その情報を防衛系神経回路の司令塔である青斑核に送ります。
青斑核はノルアドレナリンという神経伝達物質を脳内に拡散します。
これは積極的、挑戦的、創造的な行動をできる限り抑制して、現状維持、エネルギーの保存、専守防衛の態勢を敷くように命令しているのです。
興味や関心、好奇心、意欲ややる気をだして挑戦することをリスクと考えるようになるのです。
行動は抑制的で内向的になります。消極的、非生産的、投げやり、無責任になります。
「やる気をだしてもっと情熱を持て」と言われても、脳内の働きを急に変えることは難しいのです。

このとき「もしかしたら勝てるかも」と考えると、扁桃核はこれを「快」と判断して、その情報を腹側被蓋野に送ります。
腹側被蓋野はドーパミンという神経伝達物質をA10神経群に送ります。
やる気の脳である「側坐核」、意欲を高める「帯状回」、「前頭前野」が一斉に活性化しますので、意欲満々で失敗を恐れずに挑戦的になります。
このように考えると扁桃核が「好き・快」と判定してくれることがいかに大切なことであるかがよく分かります。
本来は防衛系神経回路と報酬系神経回路はバランスがとれていることが大事ですが、成長の過程でネガティブな潜在意識が数多く蓄積されていますので、実際には防衛系神経回路はそのままにして、報酬系神経回路の活性化を心がけるとバランスがよくなります。






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Last updated  2025.05.30 06:50:43
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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