森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.06.01
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松下政経塾元塾頭の上甲晃氏のお話です。

松下幸之助氏がふと、「僕もな、ようやく「素直」の初段になったんや」と言われた。僕は、毎日「素直」になりたい、とらわれれる心のないように、毎朝、自分に言い聞かせて30年、願い続けてきたのや。
回数にしたら1万回。1万回願ったから囲碁・将棋でいえば初段やろ。
「素直」の名人は、神さんや。
神さんは、あれはいやや、これは嫌いやなどと好き嫌いを言わない、万物すべてをあるがままに受け入れてくれる。その受け入れる心を、「素直」というんだよ。

松下幸之助氏は、「この世に存在するものに、無駄なものは一つもない」とも言っている。「素直」とは、すべてを受け入れる心とも言えるのだ。
人間は、いやな出来事に出くわしたり、いやな人に出会ったりしたら、「どうして私だけがこんな目に遭わなければならないのだ」「一体、いつまでこんなことが続くのだ」と、人や環境、時代を恨み、うとんじ、遠ざけてしまう。
そしていつの間にか、惨めになる自分がいる。
すべてを、受け入れられる広く大きな心を持つことが、人生を幸せにしてくれるのである。


人間は想定外の過酷な運命や境遇を否定して恨みます。
生んでくれた親、生まれた時代、他人の冷たい仕打ち、自分の性格や能力や容姿など挙げればきりがありません。
松下幸之助氏によれば、それらを是非善悪の価値批判をしないで、あるがままに受け入れることだと言われています。
毎朝繰り返して念じて30年。やっと初段にくらいにはなった。
でもこれから先、二段、三段、四段と続いていくわけです。
将棋の世界では四段に昇段して初めてプロ棋士と言われるようになります。
将棋の世界では八段、九段くらいまであります。

森田で素直というのは、観念主導の世界から、事実主導の世界に自分の立ち位置を変えることができたということだと思います。
それにしてその入り口に立つのに30年もかかるというのは驚きです。
森田ではもう少し短い期間で事実優先の世界に自分の立ち位置を変えることができるのではないかと考えていますが、それは甘い考えなのでしょうか。

そうなるためには大事なことが2つあるように思います。

①自分の中にもう一人の自分を作る。
ネガティブな思考や感情が湧き上がってきたときに、もう一人の自分にその様子を実況中継をさせる。
そして森田理論、その他の精神療法を使って分析してみる。
自分一人で、できない場合は、学習仲間の助けを借りる。

②注意点として、その際是非善悪の価値判断をしないようにする。


これ以外にもいろいろな手法があるようです。
森田の学習会などで議論して、自分が取り組みやすいものを見つけていきたいものです。
観念優先で事実否定の態度は、神経症の発生原因の一つですから取り組んでみる価値があります。





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Last updated  2025.06.01 06:28:15
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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