森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.09
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森田先生は大学卒業程度の治り方は、『苦楽の評価の拘泥を超越して、ただ現実における、我々の「生の躍動」そのものになり切っていくことだ』と説明されています。具体的には、「善悪不離・苦楽共存」の状態だと言われています。
(森田全集 第5巻 653ページ)

大学卒業程度の治り方は、森田に詳しい人に聞いても難しいところだと言われます。これはそういう世界があるという理解に留めるだけでよいとも言われます。
今日はこの点を深耕してみましょう。

これは事実の取り扱い方を説明されているものと思われます。
中学卒業程度の治り方は、事実を事実のままに認めて受け入れることでした。
これ自体とても難しいことですが、仮に事実唯真の態度が身に付いたと仮定しましょう。これで終わりなのか。実はまだその先があるのです。
目の前の出来事や事実に対してつい是非善悪の価値判断をしてしまうことがあります。目盛りが間違っているかも知れないような自分独自の物差しで、物事をよい・悪い、正しい・間違いなどという価値評価をしてしまうのです。

例えば、神経質性格は心配性で小さな不安に振り回されてしまうからよくない性格であると判定してしまうことがあります。

心配性であるということは、感受性が強いということでもあります。
また、事前に予想されるリスク管理が細かくできるという面もあります。
それなのに神経質性格のマイナス面だけを見て、悲観的に評価しているのです。

森田先生は物事や事実の一面だけを見て、よい・悪い、正しい・間違いなどと評価してしまうのは問題だと言われています。
物事を見誤ったり、人間関係で問題を起こしたりするのは、不確かな自分の独自の物差しで価値判定をしてしまうところにある。

事実には二面性があるので、両面観で分析する必要があります。
両面観で見ていくというのは、森田理論学習のなかでは、不安と欲望の関係、精神交互作用、精神拮抗作用、不即不離、主観的事実と客観的事実などで出てきます。

大学卒業程度の治り方を目指す人は、事実や出来事を良い・悪い、正しい・間違いと自分の物差しで判定するようなことはやめるように心がける。
両面観で事実を過不足なく見るように心がける。
そして肝心なことは、すべての事実をあるがままに認めて受け入れたうえで、目の前の課題や目標に向かって努力精進していくことになります。





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Last updated  2025.08.09 06:37:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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