森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.16
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
藤田英夫氏のお話です。

小学生が書き取りテストに夢中になれる方法がある。
私が娘の宿題の書き取りをやり、娘がそれを採点するという方法である。
娘の態度は一変した。生徒から先生に「立場」が逆になったからであろう。
それ用の辞書と首っ引きで、それこそ微細なところにまで私の書き取りをチェックし、赤の○×をつけて採点してきたのである。
これによって文字を覚えるのは誰か。
私も覚えたが、それ以上に文字を確かなものにしてしまうのは「先生」になって、きわめて主体的に私の書き取りを細かくチェックした娘のほうである。
「先生」はいつも偉そうにしている。
「生徒」が間違わなくてはおもしろくはないのだ。

このようなやり方の利用価値は大である。
もちろん仕事にも、限りなく利用できる。
(人間力をフリーズさせているもの正体 藤田英夫 シンポジオン 327ページ)

立場を入れかえるだけで、こんなにも意欲的になれるのなら活用しない手はない。
難関大学に合格するような人は、塾の中でどの人の隣に座るかが大きな意味を持つ。
ライバル心に火が付く。役に立つ情報交換ができるという面もある。
お互いが時には先生になり、時には生徒になって刺激を与え続けることも大きい。

労働組合の幹部だった人が、立場が替わり会社の経営に参加するようになったとたんに、会社の批判をしなくなり、会社の成長と発展に精力的に取り組むようになったという話もあります。

生活の発見会の集談会でも自分の症状を早く治したいと思っているよりも、依頼された世話役を引き受けて、「どうすれば役割を果し、参加者に喜んでもらえるだろうか」と考えている人の方が早く治る。
それは不安や症状に乗っ取られた頭の中に、別のことを考える空間が生まれてくるからだと思われる。
別のことを考えるようになると、その分不安や症状から離れることができるようになるのです。


一方向ばかリから見ていると、見えるものも見えなくなり八方ふさがりとなります。
別の方面から見ることで、普遍的で妥当性のある見方・考え方ができるようになります。
「両面観」につながる考え方として、「精神拮抗作用」「不即不離」「不安と欲望」「主観的事実と客観的事実」などがあります。
合わせて学習して活用してゆきたいものです。





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Last updated  2025.08.16 06:20:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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