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木田元氏は、中央大学の名誉教授で、我が国のハイデガー研究の第一人者だ。別にハイデガーに興味がある訳ではないのだが、私と同じように北森鴻のファンであることを偶然に知ってから、何となく一方的に親近感を抱いている。ところで、大学教授は、定年退職に当たって最終講義などをする慣習があるようで、木田氏が行った最終講義「ハイデガーを読む」と最終講演「哲学と文学」、そして最終講義・補講として「「存在と時間」をめぐる思想史」を収録したものが本書「木田元の最終講義 反哲学としての哲学」(木田元:角川書店)である。○「木田元の最終講義 反哲学としての哲学」(木田元:角川書店) まず「ハイデガーを読む」についてである。ハイデガーの「存在と時間」は、私のような門外漢もその名前を知っているくらい有名な、現代思想に大きな影響を与えた書である。木田氏は、この「存在と時間」が読みたい一心で、山形県の鶴岡にある農業専門学校から東方区大学文学部哲学科に入学したという異色の存在だ。 氏によれば、「存在と時間」は未完の書ということらしい。元々上下巻の構成となっており、本来の構想としては、「存在一般の意味の究明を行う」ことになっていたようだが、出版されたのは、その準備段階に当たる「人間存在の分析」について書かれた序論部分だけだそうだ。この書は、1927年に出版されて以来、20世紀を通じて、広く持続的な影響を与え続けて来たが、未完の書と言うことで、従来様々な解釈が行われてきたようだ。しかし、1927年にハイデガーの行った「現象学の根本問題」や「存在と時間」の最初の下書きだという「ナトルプ報告」などにより、ハイデガーが何をしようとしていたが分かってきたらしい。ハイデガーのやろうとしていたのは、存在概念が何らかの時間的意味を含むことに目を留めることにより、西洋哲学の隠れた本性を暴きだし、西洋哲学を根本的に見直すことだったようである。すなわち、「哲学」を批判する「反哲学」がハイデガーの狙いだっとということだ。何とも壮大な試みであり、正直ハイデガーの思想が、我々の暮らしにどのような影響を与えているかはよく分からないのだが、ここに氏の勉強の方法と言うことで、非常に興味深いことが書かれていた。 氏は、大学に入って哲学の原典を読むために初めてドイツ語を勉強し始めたのだが、同級生の大半は旧制高校出身のため、3年間独語や仏語を学んで来ている。しかし、集中して勉強することにより、夏休みが終わるころには彼らより読めるようになっていたという。これは、自分が高一の夏休みに英語を集中学習して、普通の科目から得意科目に変えた体験からも納得ができることである。何かを学ぼうとすれば、ある期間は集中して勉強することが一番効果的なのである。 次に、「「存在と時間」をめぐる思想史」であるが、これはマッハについて述べたものである。マッハとは、ジェット機などの速度を表す際に使う単位である「マッハ」の語源となった物理学者だ。彼は、当時の熱力学や電磁気学、光学などの物理の諸分野をすべて力学に従属させるという「力学主義的物理学」に反発して、物理学の仕事は、「現象相互間の関数的従属関係」を記述することに限られるという「現象学的物理学」を提唱した。一般的には必ずしもよく知られている存在とは言い難いが、実は彼の仕事は物理学のみならず、科学史、生理学、心理学、哲学など多くの分野に渡り、その影響の大きさは計り知れない。あのアインシュタインが、マッハの「力学史」に大きな影響を受けた話は有名であるが、物理学のみならずこれほどまでに色々な分野に渡っての影響力の大きさには驚かされる。○押してね。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
November 30, 2009
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TBS系列で11月25日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第6話 「木曽編」。兄は警察庁刑事局長弟の光彦は名探偵と順風満帆なように見える浅見家だが、このシリーズのファンであれば、浅見家には、かって大きな悲劇があったことを知っているだろう。7年前に光彦の妹である裕子が旅先で事故死したのだが、この死には大きな秘密があったのである。 原作でこの事件を扱ったのは、「後鳥羽伝説殺人事件」であり、浅見光彦が初めて登場する記念すべき作品でもあった。この原作での舞台は、広島県三次市なのだが、ドラマの方では、設定が木曽に変えられている。いつも思うのだが、どうして原作と舞台を変えるのだろうか。原作から舞台をわざわざ変えるという必然性は無いと思うのだが。舞台を木曽にしているから、「後鳥羽上皇」と言う訳にはいかないので、裕子たちが足跡をたどって旅したのは皇女和宮ということになってしまっている。だから、ストーリーとしては「後鳥羽伝説殺人事件」をベースに「皇女の霊柩」をふりかけとして、ぱらぱらと振り撒いたという感じだ。 ○「後鳥羽伝説殺人事件」&「皇女の霊柩」 原作と大きく異なるのはもう一つ。「後鳥羽伝説殺人事件」では、ヒ本来ロインと呼べるのは裕子といっしょに旅をして記憶喪失になっていた正法寺美也子なのだが、原作でもドラマの方でもすぐに殺害されてしまっている。(ドラマでは美人だったが小説ではそうではないという設定だったというのも違いのひとつか。)小説ではそれでよかったのかもしれないが、やはりドラマでは美人のヒロインがかかせないということだろうか。原作にはない裕子たちの友人森村香菜をヒロインとして登場させている。 また、原作では裕子と美也子は宿に泊まっている時に、台風による土砂崩れに巻き込まれたのだが、ドラマの方では、山の中に迷い込んで転落死したことになっている。森村香菜は用があって、一人先に帰っていたので難を逃れたようだ。なぜ慎重な裕子が山の中に迷い込んだりしたのか?また光彦が裕子に貸したカメラが行方不明になっていた理由は?正法寺美也子が殺されたことから、裕子の死にも事件性を感じた光彦は、真相を探り始めるというのがドラマの大まかな内容だ。 原作でいい仕事をしていた野上刑事も木曽署の刑事としてちゃんと登場している。原作では桐山が悪いやつだったけど、ドラマの方ではどうなんだろう。予告編では陽一郎がエキサイトして桐山を殴る場面が出ていたが、ドラマと原作はだいぶ変わっているので、次回を見ないと何とも言えないが、結末もだいぶ変わっているような予感がする。 ところで、ドラマに出て来た木曽名物の五平餅、食べたことはないが美味しそうだった。機会があれば食べてみたいものだ。(原作)・内田康夫:後鳥羽伝説殺人事件(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・小出早織(浅見祐子)・森脇英理子(森村香菜) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第5話 京都・近江編・後鳥羽伝説殺人事件(三次市) 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら** 追伸 **村林 暁 さんのブログ「本魂!」で、書評記事コンテストに参加中!
November 29, 2009
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写真は、福山市緑町公園内にある「ローズヒル」。日本語で言えば、「バラの丘」といったところか。だいぶ寒くなったのに、元気はだいぶ衰えて入るが、バラが結構咲いている。ここのバラは、オーナー制度によって、個人や団体がお金を出して植えているものだ。各バラの根元にはオーナー名が表示してある。○押してね ○福山市緑町公園(バラの街福山4)はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら○今日の「本の宇宙」には、雑誌「フォーサイト12月号」のレビューを掲載しています。併せてご覧ください。
November 28, 2009
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ちょっと所用で松江に行ってきた。写真は、夜のJR松江駅。日が暮れるのが早くなったので、夕方の散歩ができずあまり写真が撮れない。 しかし、昨年撮ってアップしそびれていた写真もあるので、それも含めて紹介していこう。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 27, 2009
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写真は、岡山市を走るチンチン電車。岡山電気鉄道という会社が運航している路面電車だ。中国地方では、路面電車は、広島市とここだけを走っている。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「桃太郎のマンホール(岡山市風景3) 」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 26, 2009
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写真は、岡山市の下水のマンホールの蓋。図柄はもちろん、日本一の桃太郎。 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「表町三丁目劇場(岡山市風景2)」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 25, 2009
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写真は「湯島天神」。天神様と言えば、もちろん祀られている神様は菅原道真であるが、この神社そのものは、458年(雄略天皇2)の創建と伝えられ、天之手力雄命が祀られていたとのことだ。道真が祀られたのは、1355年(天正10)に郷民により勧請されて、合祀されてことによる。 他の天神様と同様、ここも受験シーズンには、多くの参拝客が訪れるという。またここは、「♪湯島通れば 想い出す♪」と歌われた有名な「湯島の白梅」の舞台でもある。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「妻恋神社 東京ラプソディ5」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 24, 2009
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写真は、新山口駅で買った駅弁「幕の内 きらら」。「きらら」とは、山口県でよく使用される言葉で、「燦めく」を親しみやすい言葉で表したもののようだ。2001年に開かれた「きらら博」がその起源だろうか? 駅弁の方は、県産の食材を取り入れるというコンセプトで作られており、ふぐの天ぷら、長州鶏の唐揚が入っており、ご飯の方も寿司ごはんと白ごはんと2種類が楽しめるというなかなか豪華な構成となっている。味の方も十分に満足。○押してね 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら○今日の「本の宇宙」には、ツイッターの魅力を伝える「ツイッター 140文字が世界を変える」のレビューを掲載しています。興味のある方はどうぞ。
November 23, 2009
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TBS系列で11月18日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第5話 「京都・近江編」。今回光彦は取材で京都、滋賀を訪れる。そして、母親の雪江も琵琶湖グランドホテルで着物の展示会があるということで須美子といっしょに光彦に同行する。○原作「須磨明石」殺人事件(徳間文庫版) 冒頭から、いきなり白骨が登場するショッキングな出だしであった。今回のテーマは、「嘆きわび、空に乱るる我がたまを、結びとどめよ、したがひのつま」という源氏物語に出てくる六条御息所の歌。光源氏に恋焦がれ、遂には生霊が源氏に関係する女性たちにあだ成すようになってしまう哀しい女性である。六条御息所の場合は、源氏にもかなりの責任があるが、このドラマは、女性側の身勝手で一方的な恋慕の話だったので、あまり哀しさというものは感じられず、嫌悪感に近いものだけが残った。 今回のヒロインは、自転車で光彦にぶつかりそうになった、吉村奈美江かと思ったが、こちらは人妻で、本当のヒロインは、観光協会に努める前田由香里だった。自転車で主人公にぶつかりそうになるなんて、いかにもというイベントだったのだが。 このドラマの原作、観ている時にはさっぱり分からなかったが、番組のホームページで調べると、「須磨明石」殺人事件だそうだ。でも、まったく原作の原型を留めていない。果たしてこれを原作と呼んで良いものだろうか。ヒロインの名前が同じ「由香里」と言うくらいしか共通点はないようだが。(それでも名字の方は違っている) ところで、前回、陽一郎の秘書役である桐山の役どころが分からないと書いたが、今回分かってしまった。こいつこんな役どころだったのか。余りにも設定が変わっていたので分からなかったが、「桐山」という名字で気が付くべきだった。(原作)・内田康夫:「須磨明石」殺人事件(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・横山めぐみ(吉村奈美江)・いとうあいこ(前田由香里) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第4話 金沢編・「須磨明石」殺人事件 ・後鳥羽伝説殺人事件(三次市) 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 22, 2009
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井沢元彦による「逆説の日本史」シリーズの第12巻となる「天下泰平と家康の謎」。この巻に描かれている歴史は、豊臣末期から、家康による幕府が成立していく過程だ。 このシリーズが面白いのは、いわゆるプロの歴史学者たちを資料絶対主義で世界史の視点から見ていないと批判し、新たな視点で歴史にスポットライトを当てているということだろう。 例えば、秀吉の「唐入り」の理由は学会では定説がないらしいが、実は浪人に対する雇用対策だったと看破している。私のよううな歴史の非専門家には実際のところは、必ずしも分からないものの、論理的にはかなり納得のできる説ではある。 そういえば、先般大河ドラマで、家康が豊臣を滅亡させるため、有名な方広寺の「国家康康の鐘」の銘文に、言いがかりをでっちあげる場面が出てきたが、栄華を誇った豊臣の天下も、2代秀頼の代になり、関ヶ原の戦いの後、大阪冬の陣、夏の陣を経て風の前の塵のように、跡形もなく滅びてしまった。○国家安康の鐘 思えば、秀吉は、天才ではあったが、その才能は主に戦術面にあったのではないかと思う。だから、個々の戦には非常に強いものの、100年、200年というスパンでの豊臣家の天下を描いてはいなかったのだろう。もし描いていたなら、家康などは、どのような策略を巡らしてでも排除するはずである。しかし、彼の思考は自分の周りだけで回っていたのだろう。だから、身内の秀次を殺したあげく、処刑する必要のない秀次の妻妾や娘までを無残に殺し、無用の恨みを振りまいてしまった。一方家康は戦略面での天才だったのだろう。後に禍根を残さないよう、徹底的に豊臣方に対して容赦のない対応をして、徳川長期政権を成立させたのだから。 ○押してね。 ○関連過去記事・逆説の日本史11(戦国乱世編)風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
November 21, 2009
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ここは、岡山市表町にある「三丁目劇場」。今回たまたま見つけたのだが、元々は、吉本興業の岡山事務所があったらしい。現在は吉本興業は撤退して、岡山市が運営しており、市民が利用できる文化施設になっているようだ。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「雨の岡山駅前(岡山市風景1)」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 20, 2009
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写真は岡山駅から駅前を眺めた風景。あいにくの雨模様。 岡山市は、人口が60万人を越え、念願の政令指定都市になった。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 19, 2009
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写真は福山市の「緑町公園」。見えている建物は「ローズアリーナ」という屋内競技場だ。 福山市は、バラを中心に街づくりをしており、この近くには「ばら公園」という公園もある。毎年5月下旬には、この辺り一帯で「福山ばら祭」という大規模なイベントが繰り広げられる。○面白かったらポチっと1票! ○「新幹線のプラットフォームから見た福山城(バラの街福山3)」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 18, 2009
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これは、下関の駅前にある「シーモール」というショッピングモール。向かって右側がデパートの大丸、左側がスーパーのダイエー、真中が専門店街となっている。今回は余り歩けなかったので、このシリーズはここまで。 (下関市の風景 完)○押してね ○下関駅のふぐ(下関市の風景4)はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 17, 2009
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たまたま見つけた神社。「妻恋神社」という名前が何ともロマンチックである。かって、日本武尊が東征のおりに、この地に滞在した。その際に、暴風雨を鎮めるために海に身を投げた妻・弟橘媛のことを、尊が慕い嘆かれていたのを住民たちがあわれんでこの神社を建立したと言われている。御祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)、弟橘媛命(おとたちばなひめ)の3柱である。 この神社は、正月2日の夜に枕の下に敷いて寝ると、縁起の良い初夢が見れられるという、「夢枕」という木版画のお札でも有名だそうだ。○妻恋神社○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「神田神社 東京ラプソディ4」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 16, 2009
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TBS系列で11月11日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第4話 「金沢編」。舞台が金沢だから、原作は「金沢殺人事件」かと思ったが、放送を見ると全然違う。群馬県渋川市伊香保町を舞台にした「伊香保殺人事件」(内田康夫)を焼きなおして使ったようだ。○原作「伊香保殺人事件」 内容は、一言で言えば、金沢に伝わる日本舞踊の桃陰流の跡目争いに絡んだ事件だが、そこに22年前の因縁が絡んだものである。大まかなストーリー展開は、<光彦が取材に訪れた際に、桃陰流家元の川上トキは、若い三之宮由佳を時期家元に指名する。これに反発した高弟の大戸世志子は由佳に圧力をかけるが、やがて毒殺死体で見つかる。>といった具合である。 美しい古都金沢における華麗なる女の園の背後にあるいかにもどろどろした世界と、2組の母娘の情の物語を描いたドラマといったところか。 今回は30分過ぎには、光彦はもう犯人を嗅ぎあてていた。いくら1時間ドラマでも少し早いだろう。そして、今回も光彦は振られて終わりといういつものパターンだ。 ところで、光彦の兄・陽一郎の部下である桐山道夫、あれっていてもいなくても、ストーリーにはあまり関係ないようなキャラなのだが、原作にない登場人物をわざわざ作った意味はどこにあるのだろうか。(原作)・内田康夫:「伊香保殺人事件」(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・三之宮由佳(京野ことみ)・香山美子(川上トキ) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第3話 岩手・遠野編・伊香保殺人事件風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら※本日の「本の宇宙」には、「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン) 2009年12月号」のレビュー記事を掲載しています。併せてご覧ください。
November 15, 2009
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お気に入りのコミックスの一つ 「喰霊」(瀬川はじめ:角川書店)の7巻。弐村剣輔や土宮神楽たち、国の霊的守護を担当する超自然災害対策室の面々が、「殺生石」のかけらをめぐって古の大悪霊9尾を蘇らそうとする敵と戦うという話でだ。○「喰霊 7」(瀬川はじめ:角川書店) 今回は、刹那の率いる呪禁道一派との最後の戦いと、神楽を宿主として復活した9尾の暴走が描かれる。第一部のクライマックスとも言っても良い巻だ。 この巻では、3つの愛が描かれている。神楽と9尾の一部と化した彼女を助けようとする剣輔の男女の愛。敵対することになった刹那をひたすら慕う静流の姉妹の愛。死んだ母親を、悪霊の手を借りてでも蘇らそうとした三途河の母子の愛。交錯する3つの愛のはざまで、剣輔がどのように神楽を救おうとするかというのが大きな見どころである。 「愛の力は空間をも超えます」、これは例のふんどし一丁の刀匠・マイケル小原の言葉である。この親父、怪しげな風体の割には、なかなか含蓄のあることを言う。 もうひとつ、この巻では、神楽と精神がつながっている霊獣「白叡」の真の姿が見られる。これまで、9尾の分身のひとつかと思っていたがどうも違うようだ。しかし、これによりますます「白叡」の正体に関する謎が深まって今後の展開が楽しみになってくる。○面白かったらポチっと1票! ○「喰霊 6」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 14, 2009
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写真は、新幹線のプラットフォームから見える福山城。○「五浦釣人像(バラの街福山2)の記事はこちら ○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 13, 2009
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写真は、福山駅前に建つ、五浦釣人像。 福山名誉市民である彫刻家の平櫛田中により建立された像だ。 ○「夜のJR福山駅(バラの街福山1)」の記事はこちら○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 12, 2009
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写真は、夜のJR福山駅。広島県の東側を備後地方と言うが福山駅はその表玄関に当たる。○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 11, 2009
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今日は、システムエラーが出て更新画面に入れなかった。システムにトラブルでも、出たのか? 写真は広島港(宇品港)。○「宇品地区風景 (広島市を歩く55)」の記事はこちら ○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 10, 2009
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初めて読んだ道尾秀介の作品、「骸の爪」(幻冬舎)。「背の眼」に続く、霊現象探求家・真備庄介シリーズの第二弾だ。○「骸の爪」(通尾秀介:幻冬舎 ) ホラー作家の道尾が訪ねた滋賀県の仏像工房・瑞祥房。彼はそこで恐怖の体験をする。不気味に笑う千手観音に頭から血を流す鴉枢沙摩(うずさま)明王。そして、工房の仏師の一人の行方が分からなくなった。道雄は霊現象探求家の真備とその助手凜と再び瑞祥房を訪ねる。そこには20年前の事件の因縁が潜んでいたのだ。 この作品の特徴のひとつは、ホラー作家の道尾すなわち作者自身が語り部だということである。主人公は真備だが、さしずめワトソン役を作者自身が務めているということか。 もう一つの特徴は、大小多くの謎が散りばめられているということだ。最大の謎は消えた仏師の謎であるが、その他にも、不気味に笑う千手観音や血を流す鴉枢沙摩明王の謎、返品された仏像の謎、男ながら美貌の庵主に関する謎など多くの謎が複雑に絡んで、濃淡の差はあってもそれぞれが事件と結びついている。 「むくろ」とはモグラという意味もあるらしい。人里離れた仏像工房で、もぐらのように外界と隔離された生活を送っていた人々の間で起こったおぞましい事件とそれに端を発した20年後の悲劇。短い文を連ねる特徴的な文体で描きだされた、ホラーな味付けたっぷりのミステリーである。 ○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
November 9, 2009
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写真は、下関駅の改札口で迎えてくれるふぐ。山口県でも下関は、周南市と同様、ふぐの産地として有名である。取扱量は日本一だそうだ。ところで、このふぐ、一見、「出目金」と見間違うキュートな姿だ。○押してね ○下関で乗った列車(下関市の風景3) の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら○関連ブログ記事・駅の記憶
November 8, 2009
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ネット書店で、「日本を滅ぼす」というキーワードを入力して検索すると、「○○が日本を滅ぼす」といった類の本がたくさんヒットする。日本を滅ぼすものとされているのは、「法令順守」であったり、「地球温暖化対策」であったり、「ゆとり教育」であったりと、本当に色々である。これだけの脅威にさらされてなおかつ生き残っている日本は、不死身なのではないかと、逆に思ってしまうくらいだ。(笑) この「下流大学が日本を滅ぼす!」( 三浦展:KKベストセラーズ)も、そんな「日本を滅ぼす」シリーズのひとつである。○「下流大学が日本を滅ぼす!」( 三浦展:KKベストセラーズ) 大学生の学力が低下していると言われているのは、別に今始まったことではないが、本書に出てくる様々な事例を読んでみると、これは、単に学力だけの問題ではないのではないかと思うようになった。 卒論をまともに書けず、散々コピペした挙句に、参考文系ウィキベディアと書いてきたり、論文の存在自体が分からない学生など、確かに学力に起因した問題も出てくる。しかし、それ以上に、今時の大学生のひ弱さが感じられるのだ。間違いを指摘されただけで固まってしまったり、少し否定的な感想を伝えただけで泣き出してしまうのである。 そんなひ弱な学生たちを、大学はお客さま扱いして、育てるという視点が欠けているようである。学生の親たちも、収入のかなりの部分を子供の学費につぎ込む一方で、まるで幼稚園児のように甘やかしている。こういったことが、大学生を、世間で期待されているような「学士様」(最近は期待もされてないかもしれないが)から、どんどんとかけ離れさせてしまうというデフレスパイラルを推進しているのではないだろうか。 ところで、この本の著者は、最後に提言として「オンライン大学で下流脱出を」という章を設けている。このタイトルだけを読むと誤解があると思うのだが、著者はオンライン大学のみならず、教育制度自体を改革し、大学進学率を20%にせよとか、職業大学をつくれとも言っている。 しかし、この提言自体は、あまり出来の良いものとは言えないだろう。大学も産業の一つと考えれば、需要がある以上は存在意義がある。いまさら定員を需要以下に減らしてしまえというのも乱暴ではないかと思う。もちろん需要の無い大学を無理に生き延びさせる必要はない。 職業大学にしても、今の専門学校制度とどこが違うのか分からない。単に名前を「大学」に変えたというだけで、意味のある提言ではない。ただ、学ぶ意欲の無い若者を早く社会に出してそれなりの生きるための技術をつけさせるということには賛成である。 そこで私は、一つの提案をしたい。「学士資格基礎試験」の導入である。それぞれの専門により、学んだり研究したりしていることは違うので、そこを評価するというのは非常に難しい。しかし、各分野ごとに、最低このくらいは常識として知っておくべきだというようなものはあるのではないだろうか。この試験の合格と大学卒業のふたつをもって「学士」として認定するのだ。そして、この試験は、在学中でなく、卒業してからも受けられるようにすればよい。そうすれば、「学士」と名乗っている以上、最低限の学力はあることが保証される。 また、著者が主張しているような「オンライン大学」であるが、こういったものがあること自体は、学びたい意欲のある者にはありがたいが、やはり通常の大学のように「同じようなことを勉強している」人間が身近にいて、お互いに刺激を与えあうということは案外と重要であり、やはり「オンライン大学」は補完的な役割でしかないだろうし、学力低下の問題に対しての有効な解決策となるとも思えない。○面白かったらポチっと1票! ○こんんなに「日本を滅ぼす」ものが・・・ 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です)
November 7, 2009
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TBS系列で11月4日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第3話 「岩手遠野編」。原作は、「鄙の記憶」(内田康夫)である。原作は読んで本ブログにもレビューを書いているのだが、まったく記憶から抜けているので、過去記事を読み直してみた。やはり、原作とはだいぶ変わっている。そもそも、原作の舞台は、静岡県寸又狭と秋田県大曲なのに、ドラマでは岩手遠野となっている。実は、内田康夫の作品には、浅見光彦シリーズではないが、「遠野殺人事件」とううのもあるので、こちらの方と何か関係があるのかと思って、過去記事を読み直したが、これはあんまり関係なさそうだ。○原作「鄙の記憶」 さて、ドラマの方だが、岩手遠野を取材で訪れた光彦は、民話の語り部・横居ナミから遠野地方に伝わる民話を取材したが、そのナミが殺され、金庫の現金が奪われてしまう。なぜ、犯人は金庫の番号を知っていたのか。容疑者として連行されたのは、ナミの息子の真二。真二には前科があり、経営する不動産業も火の車だったという。光彦は真二の無実を晴らすべく、事件を調べ始める。 今回の一番の特徴は、ヒロインの真二の娘の詩織が、妙齢の娘ではなく、まだ小さな子供だということ。だから、さすがにヒロインに振られてしまうということはなかったが、その代わり、兄の陽一郎が持ってきた見合い話の相手に、振られていた。やはり光彦には女性に振られるということが欠かせないのだろうか(笑)。 河童淵や巌龍神社など遠野の珍しい風景が出ていたが、あまりあちらに馴染みの無い者としては、字幕ででも、ここはどこかということを流してくれれば、もっと旅情サスペンスとして楽しめたと思う。でもやはり、原作とまったく舞台となる地を変えるのは、原作の取材に協力して、「おらが街が、ドラマに登場する」と期待していた地元の人をがっかりさせるだろうから、やめた方がいいだろう。もっとも、もうドラマはすべて取り終えているかもしれないが。 ところで、今回光彦はどうどうと携帯電話を自分のポケットから取り出して使っていた。浅見家は、母親の雪江の厳命で、携帯電話禁止だったはずなのだが・・・。(原作)・内田康夫:「鄙の記憶」(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・佐々木麻緒(横居詩織)・森本レオ(岩岡) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第2話 伊豆天城・宮城松島編・鄙の記憶・遠野殺人事件風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 6, 2009
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前巻を紹介しからだいぶ日が経ってしまったが、今日はシリーズ完結編となる「どろろ梵4」の紹介だ。手塚治虫の「どろろ」の続編として、道家大輔が描いたものである。 「どろろ」と言えば、妖怪に体のほとんどのパーツを奪われて生まれた百鬼丸が、相棒のどろろと旅をしながら、妖怪を倒して自分のパーツを取り戻していくという話であった。巨匠手塚治虫の話を継ぐからには、平凡な話では読者を失望させてしまう。この「どろろ梵」では、手塚版の延長でありながら、いくつかの仕掛けを組み込んで新たな作品としての独自性を出している。 まず、手塚版では、百鬼丸の相棒として「どろろ」が存在していたが、この作品ではやはり相棒として「梵」という少女を登場させ、百鬼丸と相棒の妖怪を倒す旅という基本路線は守っている。しかし、主人公の百鬼丸は女性として転生し、「どろろ」は妖怪化して百鬼丸の因縁の相手となっている。更に妖怪としてのもう一人の百鬼丸も登場させるなど、様々な意外性をもちこみ新たな「どろろ」の世界を作っている。 残念がら、この意外性が十分に消化しきれてないような気もする。まず、二人の百鬼丸だが、一つの魂から、人間と妖怪の二人の百鬼丸が生まれた説明されていない。二人の百鬼丸はそれぞれ独立に存在し、何らの相互作用と言ったようなものは見られないのだ。妖怪の方の百鬼丸は、鳴り物入りで登場してきた割には、ページ数の都合からか、意外とあっさり、妖怪化したどろろにやられてしまっているのも残念なことであった。 しかし、美女となった百鬼丸というのも、これはこれでなかなか面白いし、妖怪化しながら美少女に成長しているどろろも魅力的なキャラである。新たな「どろろ」の世界は、不思議な魅力にあふれている。 ○「どろろ梵1~4」(道家大輔/手塚治虫:秋田書店) ○「どろろ梵3」の記事はこちら○押してね。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 5, 2009
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写真は、有名な「神田神社」。先般紹介した広島の神田神社ではなく東京の方の神田神社だ。「神田明神」と言った方が通りが良いかもしれない。野村胡堂の小説に出てくる銭形平次は、「神田明神下」の親分であるが、その明神とは、この「神田神社」のことである。また、神田神社は「平将門」を祀った神社としても有名である。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「史跡 湯島聖堂 東京ラプソディ3」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 4, 2009
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DVDで観た「バイオハザード3」。2007年公開の、ゾンビがこれでもかというくらいたくさん出てくる、SFホラーアクション映画である。 舞台は、前作から8年経った世界。そこら中にゾンビがあふれかえり、僅かに生き残った人間は、ゾンビから逃れて旅を続けていた。アリスはクレアの率いる一団と合流するが、アンブレラ社のアイザックス博士がアリスをつけ狙う。 とにかくゾンビ、ゾンビとゾンビだらけの映画だ。ゾンビ好き(いるのか?)に人にはこたえられないだろう。このゾンビの原因となったTウィルス、犬のゾンビが出て来ていたので、他の哺乳類に感染することは分かっていたが、今回は烏までゾンビ化して出てくる。無条件で鳥類まで感染するとなると、これは今問題になっているインフルエンザよりずっと悪い。 アリス役のミラ・ジョヴォヴィッチは相変わらずかっこいい。今回は2刀流の華麗な剣の舞でゾンビたちをなぎ倒すのみならず、超能力まで発揮する。 ところで、このゾンビたち、食欲によって人間を襲ってくるが、どうして仲間同士共食いはしないんだろう。グルメで、活きのいい肉しか食べないのか?知性は無くなって、単に本能だけで動いているのなら、共食いもあってよさそうなものだが。○面白かったらポチっと1票! (監督)・ラッセル・マルケイ(出演)・ミラ・ジョヴォヴィッチ(アリス・アバーナシー ) ほか○関連過去記事・バイオハザード・バイオハザード2 アポカリプス 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 3, 2009
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写真は、JRお茶の水駅からほど遠くないところにある、史跡「湯島聖堂」。1690年(元禄3)に、儒学の振興を図るために、時の将軍五代綱吉によって創建された孔子を祀る廟である。その後、1797年(寛政9)に敷地が拡張されて、昌平坂学問所が開設され、明治に至っている。 孔子と言えば、もちろん天神様と並ぶ学問の神様である。受験シーズンには、この聖堂に参る人も多いと聞く。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「JRお茶の水駅 東京ラプソディ2」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 2, 2009
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TBS系列で10月28日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第2話 「伊豆天城・宮城松島編」。原作は、「天城峠殺人事件」(内田康夫)である。原作の方は、だいぶ前に読んで当ブログにも記事を書いているが、悲しいことに細かいところまで思いだせない。しかし、1時間と言う時間に収めるためなのか、原作にあった、タレント桜井夕紀とマネージャーの心中事件などは出てこなかったので、内容は少し変えられているようだ。○原作「天城峠殺人事件」 今回光彦は、「旅と歴史」の取材で、伊豆は天城峠、修善寺を訪れる。光彦は、天城トンネルを歩いている時に男の叫び声を聞いたが、慌てて崖下を探しても、誰の姿もなかった。しかし、光彦が翌日同じ場所を訪れると、警察の姿があり、小林章夫という男が転落死していたのだ。 そして、光彦は修善寺で「下司」と書かれた奇妙な千社札を見つける。たまたま通りかかった小林朝美という美女に、「貼ったのは自分の父だ」と告げられる。天城峠で死んでいた章夫は朝美の父親だった。章夫は宮城に行くと言って家を出て、天城で死体で見つかったのだ。いったい章夫に何があったのか。光彦は朝美と伊豆天城、宮城松島と事件の謎を追い求める。 このシリーズの第1の特徴は、旅情サスペンスとして各地の美しい風景や風物などが出てくることだろう。今回も、天城峠、伊豆修善寺、宮城松島など、旅情をそそられる風景が出ていた。 第2の特徴は、水戸黄門の印籠といっしょで、お馴染みのシーンがあるということ。光彦は、事件に首を突っ込みたがるので、大抵は所轄の警察から容疑者扱いされてしまう。ところが、光彦の兄が刑事局長だと分かると、いままで横柄な態度だった者が、まるで掌を返したような態度になってしまう。その役は大体は警部クラスなのだが、あわてて、ペコペコし、部下に光彦を押しつけてしまうというお決まりのパターンだ。おかげで光彦は、天下晴れて、所轄の協力を得ながら、事件を調べることができるようになるというわけだ。 ところで、この「伊豆天城・宮城松島編」でのテーマは、「25年前の因縁と勘違いから起こった悲劇」、「人の不幸の上に立った自分の幸せを負い目に感じる、人の心の哀しさ」といったところか。これまでと違い、連続ドラマのため1時間しかないが、なかなかテンポよくうまく収めていたと思う。 しかし、いくつかのツッコミどころもあった。 まず、伊豆の所轄の刑事が、光彦に頼まれたことを報告するために、わざわざ宮城まで来ていたが、電話一本で済むところを、出張してまでは来ないだろう。 次に、章夫は朝美の実の父ではなく、実の父の兄すなわち伯父である。ところが朝美の台詞に「血はつながっていなくても」といった台詞があったのだ。これなど、朝美が近くにいたら、「血はしっかりと繋がってるやん!」と、突っ込みを「ぺしり!」と入れたいところだ。 また、光彦の旧制高校生姿も出ていたが、年齢を考えると、無理なコスプレのようで、さすがにちょっと苦しいだろう。 最後は、いつものように光彦が振られて終わったが、光彦の失恋記録は、どこまで続くのか?(原作)・内田康夫:「恐山殺人事件」(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・笛木優子(小林朝美)・小林勝也(小林章夫) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第1話 恐山・十和田・弘前編・天城峠殺人事件風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
November 1, 2009
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