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「ロザリオとバンパイア」(池田晃久:集英社),、とうとう9巻まで来た。普通の人間の男の子・青野月音(つくね)が、妖怪専用の高校で、美少女妖怪に囲まれながらも、悪い妖怪と闘っていくというお話だ。 この漫画が好きなのは、月音を囲む個性的な妖怪美少女をうまく描き分けて、それぞれが魅力的なキャラクターとして、紙面で活き活きと動き回っているというところ。一昔前の少女漫画だと、主役と脇役の美貌の格差がすごかったり、顔がうまく描き分けられておらず、キャラの違いが髪型とかひどいのは髪の色でしか区別できないものも見られた。しかし、この漫画に登場する、美少女達は、それぞれ、別の作品のヒロインとしても立派に務まるであろう。 この巻では、正体を現した「反学派」の親玉・金城北斗との決着がつく。そして、意外な北斗の過去が明らかになる。この巻の結論は、「信じる心は相手に届く」といったところか。いかにも少年漫画らしくていい。 後半は、「反学派」騒ぎが片付いて楽しい学園祭のはずだが、ヤクザのようなOB(妖怪にもヤクザがいるのか?)が拳銃を振り回したり、月音の従姉が妖怪の学園と知らずに来ていたりとまだまだ波乱万丈のようだ。 「ロザリオとバンパイア9」(池田晃久:集英社) ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「ロザリオとバンパイア8」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 31, 2009
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「象と耳鳴り」(恩田陸:祥伝社)は、恩田陸のデビュー作「六番目の小夜子」の主人公・関根秋の父親である多佳雄が謎解き役の主人公を務める短編ミステリー集だ。多佳雄は退職判事と言う設定で、話によって、息子で検事の春や娘で弁護士の夏も謎解きに加わっている。収録されているのは標題作「象と耳鳴り」をはじめ合計12編の短編。 いずれも、多佳雄が遭遇した事件の謎を推理するというものだが、前半と後半で傾向が分かれている。前半の推理は、一つの仮説を提示しているが、それが本当の答なのかどうかまでは書かれていない。だから、読者は推理の翼を広げて、作者に挑戦し、全く別の結論を出すことも可能だろうと思う。これに反して、後半は、事件の結末まで書かれている話が多いが、いずれにしても、鋭い切れ味で謎を解き明かしている。私は、ミステリーをよく読む割には、ミステリーのジャンルのようなものには無頓着なのだが、巻末の解説によれば、このような論理で謎を解き明かしていくような小説を狭義の格ミステリーもしくはパズラーと呼ぶようだ。 面白いと思ったのは、曜変天目茶碗をモチーフにした、友人の死の謎を推理する「曜変天目の夜」と三十年前の従妹の死に隠された秘密を推理する「廃園」。標題作の「象と耳鳴り」は、最後の部分がよく分からなかった。○「象と耳鳴り」(恩田陸:祥伝社) ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 30, 2009
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広島市のえびす通り商店街の中に三越デパートにくっつくようにして小さな神社がある。福の神えべっさんを祀る「胡子神社」である。毎年11月には通称えびす講と呼ばれる祭りが行われ、多くの人で賑わう。小さな神社だが、祭りは広島三大祭りのひとつだそうだ。縁起物として、福を招き寄せると言われる熊手を買ってみるのも良いだろう。○胡子神社○「広島県庁(広島市を歩く34)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 29, 2009
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「瑠璃の契り 旗師・冬狐堂」(北森鴻:文芸春秋社)は、以前このブログでも紹介した「緋友禅 旗師・冬狐堂」や「狐闇」、「狐罠」と同じく、冬狐堂こと宇佐見陶子という美人旗師を主人公としたシリーズの一つである。なお、旗師とは店舗を構えない古物商のことだ。陶子は、この世界では目利きとして知られている。しかし、食うか食われるかの、生き馬の目を抜くような骨董の世界では、彼女に向けられる悪意も多い。そのため、いわくつきの品物に関わってしまい、トラブルに巻き込まれてしまうのだ。この作品は連作短編集になっており、収録されている作品は次の4つである。○倣雛心中 富貴庵という骨董商から預けられた和人形は、10箇月の間に3度も返品されている。果たして人形に秘められた秘密とは。○苦い狐 陶子の許に、夭折した同級生の杉本深苗の追悼画集が送られてきた。深苗は、陶子の大学での同級生であったが、その才能に触れて、自らは絵の道をあきらめたといういきさつがある。追悼画集は、深苗の死の際に陶子たちが、お金を出し合って作成したものの復刻版であった。誰が何のために今ごろ、こんなものを作ったのか。○瑠璃の契り 陶子がたまたま小倉で手に入れた瑠璃色の「切り子碗」。陶子の親友であるカメラマンの硝子は、その碗に対して、何か秘めたものがあるようである。美しい「切り子碗」に秘められた悲しい物語と硝子のほろ苦い思い出。○黒髪のクピド 陶子のかっての夫であるプロフェッサーDからの依頼で競り落とした生人形。そのDが姿を消した。陶子は、Dの消息を訪ねて、博多に飛ぶ。しかし、その生き人形には恐ろしい秘密が隠されていた。 これらの作品には、殺人事件もからんでくることがあるが、中心となるのは、古美術に関する謎である。その謎を、陶子が見事な鑑定眼で解き明かしていくというところに、このシリーズの醍醐味がある。陶子は、目利きの旗師だが、決して「鉄の女」ではない。「倣雛心中」では、目を病んで、弱気になっているし、「苦い狐」では、友人の才能に圧倒されて、自ら絵筆を折るなど、心の弱い部分も垣間見せている。それが、この作品に魅力を与えているのではないかと思う。おまけに美人という設定なので、言うことはない。 北森作品では、他の作品の主人公が脇役として登場することが多い。「孔雀狂想曲」の主人公「雅蘭堂」の主である越名集治や、「親不孝通りディテクティブ」の主人公の一人キュータは重要な役割で登場するし、「花の下にて春死なむ」などでおなじみの三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」もさりげなく出てくる。彼の作品をたくさん読んでいれば一層楽しめるという、北森ファンにはうれしい古美術ミステリーだ。 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 「瑠璃の契り 旗師・冬狐堂」(北森鴻:文芸春秋社) ○関連過去記事・「緋友禅 旗師・冬狐堂」の記事はこちら・「狐闇」の記事はこちら・「狐罠」の記事はこちら・「孔雀狂想曲」の記事はこちら・「親不孝通りディテクティブ」の記事はこちら・「桜宵」の記事はこちら・「花の下にて春死なむ」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 28, 2009
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今日の漫画も、久しぶりの紹介である。「喰霊(GA-REI)4」(瀬川はじめ:角川書店)だ。私は早くからこの漫画に興味を持っていたが、1~3巻を紹介した当時は、最初の方の巻は楽天ブックスにも画像がろくにないという有様であった。最初は、作者もいつまで連載が続くのかと心配していたようだが(笑)、その後どんどん人気が出てきたようで、とうとうアニメ化もされてしまった。 さて、この漫画の方だが、かってこの国を恐怖に陥れた金毛九尾の狐が変化した「殺生石」のかけらをめぐって、国の霊的守護を任務とする超自然災害対策室に属する弐村剣輔や土宮神楽たちが、殺生石を悪用しようとする敵と闘っていくという話である。 黄泉との戦いが終わって次に現れた新たな敵は呪禁道の一派。裏で武器密売のシンジケートを組織するとんでもない連中である。そのボスの娘である静流(しずる)が神楽たちの学校に転校してきて、ますます波乱の予感。○「喰霊(GA-REI)4」(瀬川はじめ:角川書店)とDVD「喰霊-零- 1(初回生産限定) 」 ○「喰霊(GA-REI)1~3 」の記事はこちら○「喰霊 ~追儺の章~」の記事はこちら ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 27, 2009
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韓国には、「ソッテ」というものがあるようだ。長い竿の先につけられた、鳥を象ったもので、天と人の間の橋渡しをして願いをかなえてくれると信じられている。調べて見ると、似たようなものは、アジア各地に広く見られるらしい。考えてみれば、我が国の神社にも「鳥居」というものがあるし、日本武尊(やまとたけるのみこと)も死後その魂は白鳥になったと言われており、昔の人は、空を飛ぶ鳥は、この世と別世界をつなぐものと考えていたのだろう。 「願いをかなえる贈りもの」(キム・ソンヒ/イ・サングォン/吉田昌喜:現文メディア)の主人公ミンジェは、小学3年生の男の子である。未熟児で病弱な弟のタソムが生まれたため、親が弟にかかりきりでかまってもらえず、学校の成績が悪いのも家族のせいにして、この歳でもう不満だらけの人生だ。○「願いをかなえる贈りもの」(キム・ソンヒ/イ・サングォン/吉田昌喜:現文メディア) ミンジェは、同級生の女の子ヒョナから、願いをかなえてくれるというソッテというものがあることを教えてもらう。ヒョナは、ミンジェの住んでいるアパートの地下で部屋におばあさんと二人暮らしをしている。ある日、二人は、ソッテを探しに、それぞれの願いを胸に、ネックレス山に出かける。ヒョナの願いは父親に関係したことのようだが、ミンジェの願いは、なんと自分がみじめになっている原因となっている弟のタソムがいなくなることだった。しかし、ネックレス山にはソッテはなく、ミンジェは自分の願いに対する後ろめたさから、かえってほっとする。 その日以来、ヒョナの様子がおかしくなった。教室で会っても話もせず、いつも満点だった算数の成績も下がってきたのだ。ミンジェは、自分に対する後ろめたさから、ヒョナに謝ろうと考えるが、実際にヒョナの顔を見ると、かえってひどい言葉を言ってしまう。その時ヒョナの目に突然涙があふれる。男の子が女の子の涙に弱いというのは、どこの国でも同じのようで、ミンジェはヒュナを喜ばせようと願いをかなえるソッテを作りはじめるのだ。 これはこの本の帯に書いてあることだが「自分の願いでなく人の願いをかなえること」の方が心は幸せになるものだ。ミンジェは、ソッテをつくることにより、その幸せを実感し、弟のタソムに対しても優しい気持ちを持つようになれた。彼は、きっとこれからも、人のためにソッテを作り続けていくことだろう。 なお、この本は、「現文メディア」さんより献本していただいたものである。あらためてお礼申し上げたい。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 26, 2009
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今日はちょっと変わった漫画を紹介。「絶対☆アイドル」(ぎん太/須田洋:チュアブルソフト )である。表紙のイラストにかわいらしい女の子が描かれていると思いきや、実はこれ男の子である。「絶対☆アイドル」(ぎん太/須田洋:チュアブルソフト ) アイドル(もちろん男の子として)になりたいと願っている主人公天乃宙(あまのそら)は、ひょんなことから、芸能プロにスカウトされる。これで、念願のアイドルになれると思っていたら、なんと衣装合わせで出てきたのは女の子の服。 宙をスカウトしたプロダクションというのが面白い。昔は伝説のアイドル星空きららの所属プロとして名を馳せていたが、今は、一番人気のアイドルを大手に引き抜かれて消滅寸前である。なにしろ、社長が父親で、桐梨子、梨緒子の娘二人が所属アイドルという超零細プロなのだ。ちなみに、母親は、事務所の1階で団子屋を経営しており、芸能プロをつぶして、オフィス部分を団子屋の客席にしたいと思っている。 最初は迷っていた宙であったが、自信をなくして泣いている梨緒子のために、男として、女の子のアイドルとなってステージに立つ決心をする。(ん?何か間違っているような?) ところで、団子屋のおばちゃんの意外な正体には驚いた。おばちゃんの教え、「アイドルとは空間をつくること」というのは、結構明言かな。○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 25, 2009
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昨日の金曜日の夜は、恒例の「必殺仕事人2009」である。今回で第3話だ。今回のワルは、鶴屋という浮世絵の版元。表向きは、まっとうな絵を扱っている大店であるが、実は裏では枕絵(今で言えば裏本か?)で大儲けし、役人と結託して、非道のし放題というとんでもないやつである。、 ところで、主水さんも枕絵を見て喜んでいるシーンがあったが、昔の人は、よくあんな絵で喜べたものだ。昔の人の感性は、現代人にとっては不思議なものである。 今回も、またまた、新婿殿が面白い。子作りのために朝からすっぽんの佃煮だ。夜もすっぽん鍋と、すっぽんづくしとは、さすがにつらいだろう。おまけに姑や妻から男色疑惑までかけられて、散々であった。○DVD「必殺仕事人2007」(前回作)(出演)・藤田まこと(中村主水) ・東山紀之(渡辺小五郎)・松岡昌宏(経師屋の涼次) ・中村俊介(信次) ほか○「必殺仕事人2009(第2回)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 24, 2009
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これは、広島市の中心部にある広島県庁。1956年に建てられたもので公共建築百選の一つに選ばれているという。○広島県庁 こちらは、県庁近くの歩道に置かれていた銅像。広島市内には、色々なところに、結構銅像などが置いてある。こういったものを研究してみるのも楽しいかもしれない。○県庁近くで見た銅像○「護国神社へ初詣(広島市を歩く33)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 23, 2009
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八幡様といえば、私のような田舎育ちの者には、一番なじみの深い神様である。全国いたるところに祀られているが、その実態は案外しられていないのではないかと思う。八幡神社は、大分県宇佐市の宇佐八幡宮を総本社とし、祭神は応神天皇である。しかし、時代劇で、武士が、神仏に祈る時に「南無八幡大菩薩」と言うように、仏教の菩薩号も与えられている。「八幡神と神仏習合」(逵日出典:講談社)は、この八幡神がどのように成り立ってきたかを説いた書である。○「八幡神と神仏習合」(逵日出典:講談社) 本書によれば、実は八幡神は元々日本古来からの神ではないということである。我が国の古来の宗教は、神体山信仰であった。宇佐地方にあった素朴な神体山信仰を、新羅系渡来集団が持ち込んだ新羅神に取り込んだ。「八幡宇佐宮御託宣集」に、「辛国の城に、始て八流の幡と天降って、吾は日本の神と成れり」という記述があるそうだ。しかし、「八流の幡と天降って」とは、なんだかかっこいい。この新羅神に応神霊が付与されて生まれたのが八幡神だということのようだ。 この新羅神は、渡来したときから、元々仏教や道教の要素を持っていた。そこに、更に法連による仏教的要素が加わり、ますます仏教的な性格を強めたという。 明治になるまでは、神と仏の関係はもっと密接だった。神社には神宮寺が置かれ、寺には鎮守の神が祀られていた。これらは、神と仏の境が神仏集合であいまいになったからだと漠然と思っていたが、本書を読むと、ちょっと違うことが分かった。神社に神宮寺があるのは、神が自分が神であることに悩んでおり、その苦悩から逃れるために仏教に救いを求めるという「神身離脱思想」から来ており、寺の鎮守は、日本の神が仏教の諸天のように、仏法を尊び守護するという「護法善神思想」から来ているようだ。一見単に同じ事象の裏返しに見えるようなことでも、突き詰めていけば、それぞれに、面白い思想的な背景があるものである。 寺社巡りの好きな人は、たまには、こんな本を読んで、寺社に関する蘊蓄を深めるのも良いであろう。 もっと近所の八幡様が身近に感じるようになるかもしれない。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○関連過去記事 「はちまん(上)」 (内田康夫)⇒ こちら 「はちまん(下)」 (内田康夫)⇒ こちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 22, 2009
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年を跨いで連載した「倉敷お散歩」シリーズもついに最終回だ。早朝や昼休み、仕事の終わった後の散歩の際に見かけた風景を紹介してきたのだが、倉敷と言うところには、狭いエリアにかなりの見どころがあることに驚く。最終回で紹介するのは、帰りの新幹線に乗るために、新倉敷駅に行った際に見た「良寛像」。 良寛は、越後国(新潟県)出身の曹洞宗の僧である。新倉敷駅にあるのは、倉敷市の玉島地区にある円通寺で修行をしていたからだ。子供好きで有名で、よく子供たちと遊んでいたという。そんな優しい良寛さんに見送られて倉敷市を去るのも、旅の風情を感じさせてくれる。○良寛像(終わり)○「大橋家住宅(倉敷お散歩12)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「良寛さんを辿る」(杉安嘉正:考古堂書店)風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 21, 2009
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久しぶりに「ロザリオとバンパイア」(池田晃久:集英社)の紹介だ。今回で8巻目である。全部で10巻程発行なので、残りあと2巻だが。その後まだ新シリーズが2巻ばかり残っている。内容は、これまで何度か触れているように、普通の人間の男の子である青野月音(つくね)が 、ひょんなことから、妖怪たちが通う高校に入学して、バンパイアやサキュバスなどの妖怪美少女たちに囲まれながら、アブナイ妖怪たちと闘い、ワクワクでドキドキの学園生活を送るという、ちょっぴりうらやましいような怖いようなお話である。「ロザリオとバンパイア8」(池田晃久:集英社) 今回、月音は、退学を許してもらうかわりに、学園を転覆させようと企む反学派(アンチテーゼ)のスパイを誘い出すため、理事中の命で「学園祭実行委員会」に潜入する。そこの会長金城北斗のすばらしさにすっかり魅了されてしまう月音であった。しかし、この手の話ではお決まりのように、一見立派な人間(このお話では妖怪だが)が、実はとんでもないワルだったりする。今回も例外ではなく、北斗の意外な正体が明らかになる。 月音の危機を知ったモカは、思いきった行動をとる。はたして月音たちの運命はいかに。 ○応援クリックお願いします。 ○「ロザリオとバンパイア7」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 20, 2009
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今日紹介するのは、「ダライ・ラマ式子育て法」(ステファン・リース/アンネ・ベルベル・クェルレ/現文メディア)である。だいぶ前に現文メディアさんより献本いただいたものだが、レビューがすっかり遅くなってしまった。まずはお礼とお詫びを申し上げたい。 この本をいただいて、最初は戸惑った。表題の「ダライ・ラマ」とは、もちろんチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ師のことだ。「なぜ、ダライ・ラマ師が子育て書を?そもそもお坊さんに子供がいるのは日本くらいでは?」というのが、表題を見て思った素朴な疑問である。 実はこの本、ダライ・ラマ師による仏教の教えを子育てに活かそうという本である。著者は、ステファン・リースとンネ・ベルベル・クェルレの2人。ドイツの方のようだ。西洋人が仏教の教えについて語るというのも、ちょと奇異な感じがしないこともないが、それだけ、東洋の心というものが西洋世界にも広まってきているということなのであろう。 ところで、仏教の説く4つの真理は次の4つだ。・苦諦:現実の世界は苦である。・集諦:苦の原因は人間の執着にある。・滅諦:苦を滅した境地が悟りである。・道諦:悟りに至る方法は八正道である。 この本は、仏教の言う真理の道を歩きながら、親が目覚めた目で子供を観察し、子供の立場に立って、子供を理解せよと説いている。 だからこの本には、子供に熱があったらどうするかといったような、通常の育児書に書かれている対処療法的なことは書かれていない。例えれば、漢方薬のようにじわじわと効いてくるような、親としての心の持ち方を説いて、子育てを通して人間としての成長を促す本なのである。更に、瞑想やヨガのやり方についても解説がしてあり、いたれりつくせりと言った感がある。 育児書としては異色であるが、親による子供の虐待といったニュースが後を絶たない現代においてこそ、こういった、異色の育児書が必要なのかもしれない。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 19, 2009
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記事のアップが遅くなり、もう先週のことになってしまったが、11日の日曜日に、遅ればせながら初詣に行ってきた。お参りしたのは、広島城の敷地内にある「広島護国神社」だ。広島市民がもっとも多く初詣に訪れる神社であり、毎年50万人以上もの参拝者が有ると言われている。○広島城敷地への入口 3が日はとっくに過ぎていたにもかかわらず、本殿の前には、長い行列ができていた。最初、参拝客は2列で並んでいたのだが、本殿の前は広いので、4列位に並べばもっと早くみんなお参りできるのにと思っていたら、しばらくすると4列の行列に変わっていた。 我が家は、別の正面から拝まなくてもよいので、斜めの方から賽銭を投げて、お参りを済ました。○広島護国神社○「ひろしまドリミネーション2008(広島市を歩く32)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 18, 2009
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昨日の金曜日の夜は、お楽しみの「必殺仕事人2009」の第2回を観ていた。今回は、バカ息子と孝行息子のお話。バカ息子は笠原道場という有名な剣術道場の息子、孝行息子とは、その道場に通う、佐藤数馬という母と二人暮らしの若者である。。こういったドラマの常として、バカ息子の方が権力を持っていて、孝行息子は悲惨な目に逢う。おまけに、このバカ息子、剣の腕だけはたつのだから始末が悪い。取り巻きたちと非道のし放題である。更に、このバカ息子の親も、さすがは、こいつの父親と言ったバカ親父なのだ。 仕事人たちは、無念を飲んで殺された佐藤母子の恨みを晴らすのだが、今回のワルたちは、腕利きの絵剣客ばかりなので、どう仕事を完遂するのかと思っていた。ヤマタノオロチではないが、酒を使うとは、なかなかの頭脳プレーだ。 それにしても、このシリーズ、仕事料がいやに安くなった気がするのは気のせいか。おまけに、新しい婿殿は、女連中から、素振りをさせられたり、ランニングをさせられたりと御苦労なことである。○DVD「必殺仕事人2007」(前回作)(出演)・藤田まこと(中村主水) ・東山紀之(渡辺小五郎)・松岡昌宏(経師屋の涼次) ほか○「必殺仕事人2009(第1回)」の記事はこちら○「必殺仕事人2009(スペシャル)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 17, 2009
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これも美観地区の近くにある「大橋家住宅」。大橋家は、江戸時代に、新田開発や塩田開発で財をなした大地主である。かっての倉敷町屋のたたずまいを今に伝えている、国の重要文化財だ。観光ガイドには載っているが、美観地区の中には無いので、つい素通りしてしまいそうだ。倉敷通になるには、ぜひ寄っておきたいところだ。○大橋家住宅(続く)○「倉敷市立美術館・自然史博物館(倉敷お散歩11)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○倉敷意匠計画室のアンティーク風の品々 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 16, 2009
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「林檎の木の道」(樋口有介:東京創元社)を読んだ。柚木草平シリーズなどで知られるミステリー作家の樋口有介氏による青春ミステリーである。○「林檎の木の道」(樋口有介:東京創元社) 主人公の広田悦至は、母親と二人暮らしの高校生の男子である。この母親と言うのがちょっと変わっている。バナナの研究者で、「バナナは地球を救う」が信念らしい。自宅は3階建てのビルだが、屋上は、すっかりバナナ園になってしまっている。悦至の祖父は73歳であるが、こちらの方も娘に負けてはいない。自分の娘より10歳も若い孝子さんという女性と同棲中で、一緒に小料理屋をやっており、来年あたり子供を作る計画だという。悦至もしょっちゅう祖父の店に出入りしており、悦子さんとも結構仲が良いようだ。 悦至が、屋上のバナナ園で、昔あった池を掘り返している時、もと恋人の、宮沢由美果から出てこないかて電話がかかる。悦至は、「おれはもう、君の都合では動けない」と誘いを断ってしまう。その由美果が、千葉、御宿の海で飛び込み自殺をした。彼女は、絶対に自殺をするタイプではないのに。ところが由美果の通夜で、知らない女の子から、「地獄に落ちればいい」とか、「由美果はあんたに殺されたの」とかさんざん言われてしまう。実はその娘友崎涼子と悦至そして、由美果は、かって「林檎の木幼稚園」の同級生で、悦至は涼子のスカートめくりをして、ずっと恨まれていたらしい。それにしても、よくそんな昔のことを覚えているものだ。 再開は、最悪と言う感じだったが、結局は、悦至と涼子は、いっしょに由美果の死の真相を調べ始める。涼子は、言い方はきついが、心根は案外優しいようだ。由美果のことを調べれば調べるほど、悪いことしか聞こえてこない。でも、涼子は、友達だった由美果の死の謎を懸命に追っている。実は、悦至に対しても、さんざん悪口をいったくせに、実はまんざらでもないようだ。そもそも、嫌いなら、一緒に行動はしないだろう。実は好きなくせに、態度はツンツンといったところか。題名の林檎のように、甘酸っぱい香り漂う、面白い青春ミステリーである。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 15, 2009
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美観地区から少し西に行ったところにあるのが、「倉敷市立美術館」と「倉敷市立自然史博物館」である。美観地区から近いので、時間が許せば行ってみることを勧める。 まず、「倉敷市立美術館」だが、これはかっての倉敷市庁舎の本館だった。新市庁舎の建設と倉敷市出身の日本画家池田遙邨の作品寄贈を契機に、市立美術館として生まれ変わったものだ。設計は丹下健三、建設は1960年(昭和35)だが、美術館として開館したのは、1983年(昭和58年)である。○倉敷市立美術館 市立美術館と同じ敷地にあるのが「倉敷市立自然史博物館」である。市立美術館と同時にオープンし、岡山県の地質学的な資料や博物学的な資料が展示してある。ナウマンゾウの模型や骨格標本は見逃せない。また、ここは、友の会があり、自然観察会などの活動を行っている。昔倉敷に住んでいたころ、私も一家で、恩原高原まで観察会に行って、ステンドグラスのような羽を持った美しいウスバシロチョウを初めて見たことを思い出す。○倉敷市立自然史博物館(続く)○「倉敷芸文館・大山名人記念館(倉敷お散歩10)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○化石標本 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 14, 2009
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昨日の日曜日の夜にテレビで見ていたのがこれ。テレビ朝日系列の日曜洋画劇場でやっていた「X-MEN ファイナル・ディシジョン」である。2006年のアメリカ映画だ。アメリカンコミックスの「X-MEN」を映画化したものである。この作品を入れて全3作、今回が最終作となる。超能力を持ったミュータントたちが大勢生まれている世界で、マグニート率いる人間と敵対するミュータントたちと、プロフェッサーX率いる人間との共存を図ろうとするミュータントたちの戦いを描いた作品である。○DVD「X-MEN ファイナル・ディシジョン」 今回は、超能力治療薬「キュア」をめぐって、両グループが熾烈な戦いを繰り広げる。更に、前作で死んだと思われていたジーンが、これまで、封じ込められていた危険な人格が表に出た強大な超能力者フェニックスとして絡んできて、前二作をしのぐスケールの大きな作品となっている。 この作品の見どころは、なんといってもミュータントたちの超能力のすさまじさである。マグニートーが金属を操る能力で、巨大な鉄橋を空中に浮かべて移動させるシーンや、ジーンの強大な力で、彼女を中心にしてすべてのものが次々にチリのように粉々になっていくシーンなどは、画面に目が釘付けになる。 登場人物の中で一番のお気に入りは、ハル・ベリー演じるストーム。天候を操る能力を持っているのだが、彼女が超能力を発揮するときに目が白く光るシーンはなんとも魅力的だ。調べて見ると、彼女はもう四十路を超えているらしいが、とてもそうは見えない美しさである。 話は変わるが、敵方の大将であるマグニートは、変な形のヘルメットを被って出てくるのだが、ヘルメットから覗く顔が、なぜか岸辺一徳に見えてしまって困った。(監督)・ブレット・ラトナー (出演)・パトリック・スチュワート(エグゼビア:プロフェッサーX) ・イアン・マッケラン(マグニートー)・ヒュー・ジャックマン(ローガン:ウルヴァリン) ・ハル・ベリー(オロロ・マンロー:ストーム) ・ファムケ・ヤンセン(ジーン・グレイ:フェニックス)・レベッカ・ローミン(レイベン・ダークホルム:ミスティーク) ほか ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 13, 2009
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「グーグルに勝つ広告モデル」(岡本一郎:光文社)って、すごいタイトルだね。何しろ、相手はあのグーグルだ、さてさて、どんなビジネスモデルが示されているのか? 「グーグルに勝つ広告モデル」(岡本一郎:光文社) 「ん?」 「ん?」 「はてはて?」 どこにも、そんなモデルなんて示されてないじゃないか!書かれていることは、グーグルと既存マスメディアのビジネスモデル(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の違いをまず明らかにして、既存マスメディアは、どういった戦略をとれば良いのかということ。すなわち、グーグルは、インタレストの卸売であるが、それより顧客から一段遠いアテンションの卸売をしている既存マスメディアは、アテンションの総量が増えない中で、どうあるべきかということが書かれているのである。だから、既存マスメディアが、もともとレイヤが違うグーグルと対抗するための広告モデルなんて全然書かれていないし、書けるはずもない。タイトルは、編集者がつけることも多いとよく聞くので、もしかするとこんな会話もあったのかと思ってしまう。(ジョークなので許してね) 「センセー、そんなタイトルじゃ売れまへんで。もっとパァーっといかへんとな。そうや、なんといっても今はグーグルでっせ!グーグルに勝つ!これやったら、きっと儲かりまっせ」 「コウブン屋、お主も悪よのう」 ただ、既存マスメディアの事業戦略等作成の例題と思ってみれば、あまり、戦略と言うことに馴染みのない人も参考にはなると思う。 最後に、ちょっと気になる数学上の間違いを一つ指摘しておこう。メディア/コンテンツ産業の特徴は、過去のストックとの競合ということで、等比級数の和でコンテンツが蓄積するというモデルが示されている。この等比級数モデルによる蓄積したコンテンツの総量は、無限大になっていくと書かれているが、高校の数学でも習うように、比の絶対値が1より小さければ和は一定の値に収束し、決して無限大にはならない。実際にも、コンテンツはたくさん作られ続けているが、新鮮さだけが取り柄としかいいようがないようなものでも、古いコンテンツで競合できるものは少ないというのが、感覚的にも納得のできるところだ。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 12, 2009
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少し間があいたが、「倉敷お散歩シリーズ」の続きである。今日は、美観地区からほど近いところにある「倉敷芸文館」の敷地内にある「大山名人記念館」だ。大山名人とは、もちろん不世出の棋士、故大山康晴氏のことである。彼は、倉敷市出身で、十五世名人をはじめ永世十段・永世王将・永世棋聖・永世王位の5つの永世称号を与えられた将棋指しの中の将棋指しだった。「大山名人記念館」は、彼の業績をたたえ、将棋文化の発展に寄与するために1993年(平成5)に開館した記念館である。私は、まだ中に入ったことはないが、たくさんの優勝カップや名人ゆかりの品が置いてあるとのことだ。入場料も無料だとのことなので、将棋好きの人はぜひ訪れてほしい。○大山名人記念館(続く)○いがらしゆみこ美術館(倉敷お散歩9)の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 11, 2009
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昨日の金曜日の夜は、「必殺仕事人2009」の第1回だった。4日の日曜日の夜に放映されたのが第1回かと思っていたら、あれは、あくまでもスペシャルだったようで、今回から新番組として始まったということらしい。 今回の悪は、娘たちの夜の遊び場「美景庵」に巣食う連中。この「美景庵」というのは、イケメン揃いの、今でいえばホストクラブのようなものか(行ったことが無いので分からないが)?しかし、その裏では、娘たちを凌辱して殺すというとんでもないことをやっていた。 今回は、中村俊介演じる信次というワルが登場した。スペシャルでは、沢村一樹がワルをやっていた。二人とも別々のテレビ局系列でお坊ちゃま名探偵の浅見光彦役をやっているが、それを次々にワル役に仕立てたのは、何かのしゃれか。 そういえば、筆頭同心の坂本役を宇梶剛士が演じているのも、かなりのしゃれっ気が強いと思う。○DVD「必殺仕事人2007」(前回作) このシリーズの見どころは、東山紀之演じる渡辺小五郎と藤田まこと演じる中村主水の新旧婿殿の共演だが、ほとんど邪魔者扱いの主水にくらべ、小五郎は、まだまだ、家での態度が大きい。そのうち、だんだん中村家のようになっていくのだろうか?ちょっと気になった。(出演)・藤田まこと(中村主水) ・東山紀之(渡辺小五郎)・松岡昌宏(経師屋の涼次) ・中村俊介(信次) ほか○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら (追伸)○ブログのタイトルを変えてみました。当ブログの姉妹サイトは、それなりにかっこいい?タイトルを付けていると思っているのですが、このブログだけ「そのまんまやん!」という感じがありましたので、開設3周年を前に衝動的に変えてしまいました。引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。
January 10, 2009
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J.E.スティグリッツは、アメリカの経済学者で、「非対称情報下の市場に関する研究」により、2001年のノーベル経済学賞を受賞した人物である。彼が、学生だった1960年代のアメリカでは、「完全競争市場」を前提とした「新古典派」と呼ばれる経済学の流派が全盛であった。新古典派のエッセンスは、価格と供給量は、需要曲線と供給曲線がクロスする点で決まり、市場により資源の配分が効率的に行われるといったところである。これが、行きすぎると、何事も、市場原理に任せれば良いという「市場原理主義」に行きついてしまう。実際には、「市場の失敗」の例はいくつもあり、市場メカニズムが効果的に働くためには、厳しい前提条件がある。これらの前提条件の一つとして「完全情報」ということがある。これは、売り手も買い手も取引される財やサービスに関して完全な情報を持っているというものであるが、現実の世界を考えれば、これがいかに牧歌的な仮定であるかが分かるであろう。スティグリッツは、従来の新古典派経済学に飽き足らず、非対称情報下における経済学を追及してきた。 「スティグリッツ早稲田大学講義録」(薮下史郎/荒木一法:光文社)は、そのスティグリッツが、2004年に早稲田大学に招かれ、公開シンポジウム形式で行った講演を本にしたものである。講演の内容をごくおおざっぱにまとめると以下の通りである。「スティグリッツ早稲田大学講義録」(薮下史郎/荒木一法:光文社) 内容は、強烈な安易なグローバリゼーションやIMFに対する批判である。グローバリゼーションは、1990年代には、世界中の人々に繁栄をもたらすものと思われていた。しかし、グローバリゼーションが進んで行った結果、富んだ国はますます富み、貧しい国はますます貧しくなった。 グローバリゼーションで最も成功した地域は東アジアである。例えば韓国のGDPは35年間で8倍にもなった。この成功の理由は、グローバリゼーションを独自の視点で定義しなおして、IMFの助言をやみくもに受け入れるのではなく、取捨選択をおこなったからだと言う。逆にIMFの優等生であったアルゼンチンは、国の経済が破綻してしまった。同じ南米でも、IMFの助言に対して、やるべきこととやってはならないことを取捨選択したチリは経済的な成功を収めたのである。 元々「市場は失敗しうる」という認識からスタートしたはずのIMFが、いつの間にか市場に任せておけばすべてうまくいくという「市場原理主義者」に変わってしまった。途上国においては、情報の不完全や市場の不完備により、市場の失敗が起こりやすいにもかかわらず、ちぐはぐな助言をしてきたのである。アダムスミスの言う「見えざる手」なんて結局はどこにもなかったのだ。 本書は、スティグリッツによる講演を第1部として、第2部にその講演の解説、更には第3部としてスティグリッツの経済学に対する説明までついており、内容も平易である。非対称性の経済学について勉強したい人は、入門としてまず読んでおけば、その後の理解が簡単になるのではないかと思う。○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 9, 2009
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今日は、久しぶりに、「怪物王女」の8巻目の紹介だ。まだ、この漫画を読んだことのない人も、このブログの過去記事を読んでいれば、どのような話か位の知識は得られると思う。題名を見て、決して「怪物」のような姿形をしたお姫様の話だと早とちりしてはいけない。「怪物の世界」のお姫様で、かなりの美女と言う設定だ。一言でいえば、女性版「怪物くん」のようなお話なのである。もう少し説明すると、ゴスロリ衣装に身を包んだ怪物界の王女でクールビューティの「姫」が、姫の血の戦士のヒロ、人狼とのハーフのリザ、吸血鬼の令裡といった愉快な?仲間達と、姫の兄弟たちが放つ刺客と戦っていくというお話なのだ。怪物界では、次の王を定めるために、兄弟姉妹が互いに殺しあっている。○「怪物王女8」(光永康則:講談社) その中で、この物語の主人公である「姫」は、他の兄弟姉妹たちとはちょっと違っている。誇り高く高潔で、いかにも女王の風格である。決して、策を弄して、自分から、他の兄弟姉妹たちを責めて行ったりはしない。だから、一番下の妹とも同盟関係を結んで、助けあったり、プライドが高く、扱いにくい吸血鬼さえも、姫の仲間として行動をしているのだ。 収録されている物語は、以下の5編。1.往生王女 ええっ~!姫が交通事故で死んじゃったって?2.夜勤王女 事故にあった姫を助けに行ったはずのリザと令裡。いつのまにか別の世界に!3.遭遇王女 「夜勤王女」の続編。4.箱入王女 姫の館に魔法がかけられ、中が迷路状態に!5.熱砂王女 姫は、妹シャーウッドの手伝いで、突鳥砂漠(鳥取砂丘がモデルか?に、巨大砂漠蟲(サンドワーム)の調査に! この巻で、なんとなく、姫の兄弟姉妹が、善玉グループと悪玉グループに分かれて、戦っていくことになりそうな予感。最後の話で、この作品初登場の「姫」たちの長兄が一瞬登場するが、果たしてどんな人物か、今後の展開に期待を持たせる。○「怪物王女7」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 8, 2009
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5日月曜日の夜、フジテレビ系列でやっていた「悪魔の手毬歌」はなかなか面白かった。主演は稲垣吾郎。調べてみると、稲垣の金田一シリーズは、2004年4月の「犬神家の一族」以来もう5作目だそうだ。金田一というと、古谷一行や石坂浩二の演じているものを連想しやすいが。稲垣金田一もなかなかぴったりはまっている。 物語は、岡山県の鬼首村に静養にやってきた金田一が、その村に伝わる不気味な手毬歌をなぞった連続殺人事件に挑むというもの。○DVD「悪魔の手毬歌」(石坂 浩二版) コミカルな感じで始まったので、今回はコメディタッチかと思ったが、事件が起こった場面は、けっこう怖かった。特に怖かったのは、すさまじい女の愛憎。村のそこかしこに立っている角のある藁人形(かかしだろうか?)も不気味なムードをよく醸し出している。おもろくて怖い「おもこわ」(「ほんこわ」じゃないよ)ドラマというところだろうか。(原作)・横溝正史 :「悪魔の手毬歌」(出演)・稲垣吾郎(金田一耕助) ・小日向文世(横溝正史) ほか○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 7, 2009
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日曜日の夜は、感涙にむせんでいた(大げさか?)何しろ、テレビ朝日系であの仕事人シリーズが、「必殺仕事人2009」として復活したからだ。前回(といってももう2007年のことになるが)、スペシャルが放映されたとき、なんとなく、また放映されるような気がしていたが、まさかシリーズとして放映されるとは思わなかった。○DVD「必殺仕事人2007」(前回作) 藤田まことの体調が少し気になる。前のスペシャルから、主体は、東山演じる渡辺小五郎に移っているものの、やっぱり中村主水は、このシリーズの顔である。体調管理に気をつけて、いつまでも主水役をやって欲しいものだ。 初回の悪は、表は善人面をしながら、裏は極悪の薬種問屋。そこに、かっての小五郎の道場仲間で、立派なことばかり言っているが、結局は自分が仕官したいだけの浪人権堂伊左衛門が絡んでくる。結局は「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん:立派なことばかり言っても、徳が少ないこと)ということだろう。 しかし、沢村一樹は、浅見光彦のような坊ちゃん役も演じているが、今回の役のような悪役の方がどうも似合っているような気がする。(出演)・藤田まこと(中村主水) ・東山紀之(渡辺小五郎)・松岡昌宏(経師屋の涼次) ・沢村一樹(権堂伊左衛門)○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 6, 2009
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3日の夕方、地元のテレビ局で、「マッハ!!!!!!!!」を放映していた。2003年のタイ映画だ。もちろんムエタイものである。そういえば、そのころ、テレビでよく宣伝していたのを覚えている。○「マッハ!!!!!!!!」DVD 内容を、おおざっぱに紹介すれば、村から盗まれたオンバクと呼ばれる仏像の頭の探索を任されたティンが、悪党たちと闘って取り戻すと言うお話。全編ノンストップのスタント&ムエタイアクション映画といったところだ。それにしても、強いぞティン!「史上最強の弟子ケンイチ」に出てくるアパチャイともいい勝負かもしれない。それに、脇役のジョージが、なかなかいい味出していた。最初から最後まで、これでもかと言う位アクションの連続でその迫力に目を奪われる。 観た感じは、ムエタイ映画と言うよりは、カンフー映画のようだったが、ちょっとググってみると、古式ムエタイに忠実に作られているという。もしかすると、カンフーとムエタイの源流はどこかでつながっているのだろうか。トンファーのようなものを使って戦っているシーンがあったのだが、ムエタイでも、トンファーを使うことがあるのか。ムエタイは、肘が大きな武器だと聞いたことがあるが、確かに、肘での攻撃のシーンは多かった。(監督)・ プラッチャヤー・ピンゲーオ(出演)・トニー・ジャー (ティン) ・ペットターイ・ウォンカムラオ(ジョージ(ハム・レイ))・プマワーリー・ヨートカモン(ムエ)ほか○「史上最強の弟子 ケンイチ」(松江名俊:小学館) ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 5, 2009
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2日の午後、地元のテレビ局で、「ジュラシック・パーク 3」を放映していた。2001年のアメリカ映画である。内容をごく簡単に紹介すれば、ハングライダーをしていて行方不明になったエリック少年を探すため、その両親と専門家のニールが恐竜の住む島にやってきて、色々な恐竜に襲われながら、脱出を模索すると言う、SF恐竜パニックアクションとでもいったものである。○DVD「ジュラシック・パーク 3」 しかし、この作品も3作目になると、だいぶ食傷気味である。前2作におまけにハリウッド版「ゴジラ」までが記憶の引き出しから出てきて、こんがらがってしまう。この作品は、T-レックスをしのぐ大恐竜のスピノサウルスの登場が売りだということだが、日本版ゴジラを見慣れた目からは、それほどこれまでと変わり映えがしないのである。 それにしても、おバカな行動が目立つ。恐竜だらけの島に行くのに、驚くほどの軽装備だったり、どこから危険な恐竜が出てくるかも分からないのに、大声を張り上げていたりしているのだから。 ところで、プテラノドンが、人間をつかまえて飛ぶといういかにも古典的な恐竜映画のシーンがあったが、プテラノドンは、人間のような重いものを抱えては飛べないというのが最近の知見である。ちょっと気になった。(原作)・マイケル・クライトン (監督)・ ジョー・ジョンストン (出演)・サム・ニール(アラン・グラント)・ウィリアム・H・メイシー(ポール・カービー) ・ティア・レオーニ(アマンダ・カービー) ・トレヴァー・モーガン(エリック・カービー)ほか ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 4, 2009
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倉敷アイビースクエアの近くに、ポツンと、美観地区のアンティークな感じからかなり浮いているカラフルな建物が建っている。ファンシーショップか何かかと思ったら、「いがらしゆみこ美術館」だそうだ。ご存じの方も多いと思うが、「キャンディ・キャンディ」の著作権の帰属で、原作者と裁判で争い敗訴したあの漫画家である。 いがらしゆみこも倉敷の出身かと思って調べてみたら、どうも北海道の出身らしい。ならば、どうして倉敷に美術館をという疑問が残る。若者たちが集まる、おしゃれな街角には似合うかもしれないが、倉敷の街にはいかにも不似合いである。果たして、いつの日にか、この建物が倉敷の風景に溶け込む日が来るのであろうか?○いがらしゆみこ美術館(続く)○「夜のチボリ公園(倉敷お散歩8)」の記事はこちら○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○いがらしゆみこ絵による「赤毛のアン」シリーズ 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 3, 2009
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「 ライ麦畑でつかまえて」(ジェローム・デーヴィド・サリンジャー/野崎孝 :白水社)、とても分かりにくい本であるとともにすごい本である。この小説がサリンジャーによって発表されたのは1951年。その後の累積発行部数がなんと全世界で6000万部。近年でも全世界で毎年25万部が売れているという、大ベストセラーでロングセラーなのである。○「 ライ麦畑でつかまえて」(ジェローム・デーヴィド・サリンジャー/野崎孝 :白水社) 内容は、大人の目から見ればなんということはない。主人公は、ホールデン・コールフィールドという大人になりかけのハイスクールの生徒。通っていた学校を、成績不振で退学になった彼が、寮を飛び出して家に帰るまでの数日間をニューヨークで彷徨うという物語である。彼の眼に映った大人の世界に蔓延する欺瞞や疑問も持たずに大人になっていく生徒たちへの揶揄を、いかにも若者言葉といったシニカルで誇張的な語り口で描いている。たぶん、大人から見れば、子どもが、うだうだ、ぐじぐじと言っているだけとしか思えないような内容なのだが、ジョン・レノンを射殺した犯人や、レーガン元大統領を狙撃した犯人も愛読していたと言われており、当時の若者たちに与えた影響は計り知れない。 原題は、「The Catcher in the Rye」、この他にいくつか翻訳があり、「ライ麦畑の捕手」や「キャッチャー・イン・ザ・ライ」といった邦題が付けられている。この原題は、妹のフィービーに、何になりたいのかと尋ねられた時に、「たくさんの子供たちが遊んでいる広いライ麦畑で、あぶない崖のふちに立って、子どもたちが落ちそうになったら、それを捕まえる者になりたい。」という意味のことを答えたことからきている。ホールデンが、こんなことを思いついたのは、子どもが歌っているのを聞いた「ライ麦畑で会うならば」を「ライ麦畑でつかまえて」と思い違っていたことによるようだ。なお、「ライ麦畑で会うならば」はロバート・バーンズの詩に曲をつけたもので、曲の方は「故郷の空」と言う題でも有名である。あの「だれかさんとだれかさんが麦畑」と歌われている曲と言えば分かると思う。彼が、なぜ「ライ麦畑で子供を捕まえる者」になりたいのか、その理由は明記されていないが、大人になって、欺瞞の世界に飛び込むことに対する反発が言わせたことなのかも知れない。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
January 2, 2009
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謹賀新年! 昨年は、当ブログをご愛読下さりありがとうごじました。今年も、引き続きよろしくお願い申し上げます。 色々なブログを訪問してみると、年末から、昨年のベスト10に関する記事が多いのに気がつく。当ブログは、一応書評ブログなので、年の初めに、昨年読んだ本のベスト10を掲載しよう。あくまでも、昨年読んだということで、発売されたということではないが、なるべく新しく発売されたものから選んでみたい。もちろん、私の独断と偏見で選考しているのは、言うまでもない。同じ作者のものは、1冊のみエントリーさせている。なお、タイトルからのリンクは本ブログ「読書と時折の旅」または、姉妹ブログの「本の宇宙」の記事に張っているので、そちらも参考にしてほしい。1. 「図書館ねこ デューイ」(ヴィッキー・マイロン/羽田詩津子:早川書房 ) 図書館に住みつき、図書館を訪れる多く人の心に幸せを運び続けた猫のお話。2.「世界初!マグロ完全養殖」(林宏樹:化学同人) マグロの完全養殖一筋に取り組んできた熊井英水氏と近畿大学水産研究所の、波乱にみちた苦闘の日々を描いたドキュメンタリー。3.「容疑者Xの献身」(東野圭吾:文芸春秋社) 崩せそうで崩れないアリバイに湯川准教授が挑む。4.「プリオン説はほんとうか」(福岡伸一:講談社) 狂牛病の原因として優勢なプリオン説へ真っ向から反論。5.「あかんべえ 」(宮部みゆき:新潮社) 亡者の見える12歳の女の子が主人公の、江戸・深川を舞台にしたホラーミステリー。 6.「写楽・考」(北森鴻:新潮社) 民俗学と現実の殺人事件が見事にクロスオーバーした、傑作民俗学ミステリー。7.「韓国トップスターウンギョンの夢」(コジョンウク/ウォンユミ:現文メディア/理論社) とっても綺麗な、韓国トップスターの感動の物語。8.「夕凪の街桜の国」( こうの史代:双葉社) ヒロシマを風化させないよう、いつまでも残したい物語。9.「木野塚探偵事務所だ」(樋口有介:東京創元社) 老いに差し掛かってなお、ひと花咲かせたいという男のペーソスに満ちたユーモアたっぷりのミステリー。10.「毒草師 QED Another Story」(高田崇史 :講談社) あまりに個性的な主人公「毒草師」御名形史紋が、奇怪な事件に挑む。○他の人の読書ブログがたくさんあります。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら ○関連記事「2008年のお年玉で買うべき本12冊」 :404 Blog Not Found
January 1, 2009
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