しあわせのかたち

しあわせのかたち

2004/08/29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
表題は、スポーツジャーナリズムの最高傑作だと私が勝手に思っている沢木耕太郎大先生の著作から(文春文庫刊)。もしスポーツライターを志す方であれば、必読の書ではあるのだが、自信をなくす可能性もあるので簡単にお薦めはできない(なんじゃそら)。

本日、2週間に渡って日本列島を沸騰させたアテネ五輪が閉幕する。

ハンマー投げのドーピング疑惑、最終種目の男子マラソンがまだ残ってはいるが、現時点でのメダル獲得数は
金:15個 銀:10個 銅:11個  計36個
金メダル獲得数は米国、中華人民共和国、ロシア、オーストラリアに次いで5位。


私は「感動をありがとう」とかいう新聞の見出しが大っ嫌いだ。
なぜ嫌いなのかはうまく説明できないのだが、どうも虫が好かない。

「選手はお前を感動させるために頑張ったわけではない」という文言をよく見かけるけども、それこそ選手に失礼な気もする。「応援してくれた皆さんのおかげです」と多くの選手はコメントするではないか。なに? 社交辞令だ? だからどうした。応援が力になるのは事実だし、「選手の本音はこうだ」なんて言い出したら泥沼の水掛け論になることは目に見えている。成績の本当の原因など選手自身にだってわからないのだから、ましてやマスコミや、それを通して観戦する我々にわかるわけがなかろう。

我々は、ただただ画面や紙面を通して選手の活躍とコメントを知り、それに向けて声援や感謝や敬意を送るのである。



一般的に、日本のスポーツ観戦は「人を見てスポーツを見ていない」と言われる。ゴジラ松井の活躍には熱狂し、その家庭事情や同僚、コーチとの人間ドラマにはすぐ感動するが、では松井秀喜が他の選手と比べてどういう点で優れたバッターなのか、HRを打ったのは、どんなピッチャーのどんな球種なのか? 相手チームは? スタジアムは? そうしたことはほとんど触れられず、流されていく。

『スポーツ批評宣言』で元東大総長の蓮實重彦もそこらへんを問題視しており、それは今後のスポーツジャーナリズムにとってかなり深刻な問題でもあるような気がするが、私は意外と楽観視している。

別にいいぢゃない。それで充分感動するんだから。

今回のアテネ五輪で個人的に一番感動したのは体操男子団体の金メダルと、アーチェリー、山本博選手の銀メダル。むろん谷亮子選手や北島選手にも感動したのだけれど、やはりわかりやすい人間ドラマに心惹かれてしまうのだよね。

アーチェリーの山本選手は、シドニー五輪選考会で落選。自宅で過ごした4年前の夏に、「どうしてテレビ中継を見ないの?」と長男の純太郎君に言われたそうだ。
雪辱を期して挑んだアテネ五輪。スコープに純太郎君の写真を貼り、それを見て心を落ち着かせて挑んだ準決勝と決勝。

「純のヒーローになりたくてやってきたら、メダルまで辿り着いた」

競技後のコメント。
ジーンときてしまった。
41歳での銀メダル。おめでとうございます。

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Last updated  2004/08/29 05:00:02 PM


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