おもんを救い出した吉五郎
扇十郎達が湯島天神に着いたときにはおもんの姿はなく、見ていた民衆が加賀様の御家来向井左太夫の屋敷に連れ込まれたというのです。民衆達と屋敷前に行き「門を開けろ」と騒いでいるところへ、吉五郎が通りかかり騒ぎを静め、
吉五郎「 一体何があったんでい
」
と扇十郎に聞きますと
扇十郎「貴様らの存じよらぬことだ」
と返してきたので
吉五郎「 気に入らねえな
」
扇十郎「なに」
吉五郎「存じよるもよらねえも、おいら加賀様お仕えの火消だぜ、えっ、 何をそう
騒いでいなさるんで
」


扇十郎「娘を連れ込まれたんだ」
吉五郎「えっ ?
」
吉五郎は 思いあたることがあるような表情を
し、舌打ちをすると
吉五郎「 まったやりやがったな
」





「なに、またとは何だよ」という扇十郎に、
吉五郎「 まっ
、へっ、 よーくわかりやした
。どうでござんしょう、その件は あっし
に任せていただけやせんか
」
「ならん、ならん。拙者は天下の直参だ」と言ってきた扇十郎に、
吉五郎「 よく存じておりやすよ
」




「えっ」とびっくりする扇十郎に、
吉五郎「櫓下の 小いな姐さんのお兄いさん
でござんしょう」
扇十郎「 あっ
、 こりゃいかん
」
扇十郎の慌てぶりを見て、吉五郎は笑うと、民衆に怪我があってはいけないといい、加賀藩のことは任せてほしい、「きっと娘さんはご無事に・・・」と 約束する吉五郎に
扇十郎も納得します。



おもんは縛られていました。向井左太夫が酒を取りに行って部屋に戻ってくると、おもんの姿はありません。
湯島天神境内に吉五郎とおもんが慌てたようにかけて来ます。吉五郎が、向井左太夫の屋敷から おもんを救い出して来た
のです。
かけて来たおもんが痛そうにするので、「 どうしたい
」と聞く吉五郎に、「いや、痛いのよ」と言うおもん。
吉五郎「 痛い
?
どこか 怪我でもしたのか
」とおもんを気遣う吉五郎に
おもん「いえ、 手が
・・・」
吉五郎「うん ?
手だ
?
・・・」
おもん「はい、 あんまり強く
・・・」
と言い、吉五郎の視線から目を外します。






吉五郎「あっ、 そうか
・・・」
と言うと、おもんを見ながら ゆっくりと握っていた手の指を離して
いくと、おもんは指を一本づつ確かめるようにして 吉五郎の顔を見てニコッと
します。そのおもんを見て、吉五郎の心に何かが走ったようです。 吉五郎は照れた様子を
見せると「 すまなかったな
」と謝ります。








が、何故か気になり、おもんの手の具合を確かめるのです。おもんの心も吉五郎に何かを感じたようです。
吉五郎「 でいじょうぶか
」
おもん「 ええ
・・・」
その言葉に一 安心した吉五郎
は、おもんを家まで送り届けようと思うのです。




📌(m.w
の独り言・・ここまでの吉五郎とおもんはそれぞれの素性を明かしていませんから二人の気持ちはとても良い雰囲気だったのですが・・・これから二人は辛い試練にぶちあたっていくのです。吉五郎、恋の火は消さずに貫かなければ背中の金太郎が泣きますよ。 )
続きます
。
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江戸っ子肌・・・(1)
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