hongming漫筆

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2007.12.28
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カテゴリ: その他の読書録
 読売新聞社。1984.7.14第1刷。1984.10.5第4刷。

 「1948年 満州の夜と霧」という副題もついている。
 「チャーズ」は漢字表記。「チャー」は「上」と「下」を上下に、横画で重ね合わせた字形。「ズ」は「子」。

 この本が出たとき、話題になったので気にはなっていたのだが、手に取らずに終わってしまった。今回入院した病院においてあったので読むことができた。

 舞台は長春。
 わたしは、長春には二十年ほど前に行ったことがある。
 旧ヤマトホテルに一泊した。人工的に整備された町並みが印象に残っている。

 チャーズそのものについて触れているのは三分の二ほど過ぎてから。
 それまでは長春での暮らしがどのようなものであったか、当時の社会状況がどうだったかを、子供の頃の思い出として描いている。


 チャーズにいた期間は短いのだが、著者には決して忘れることのできない、いや、無意識のうちに忘れようとしていた記憶を植え付けられており、それを自分で掘り起こすことがこわかったようだ。
 著者は幸い生き延びることができたが、それができなかった人がどれだけいたことか。
 生き残ったことに負い目を感じ、忘れていたはずの記憶が突然よみがえることに苦しんでもいる。
 国民党軍と共産党軍、あるいはそれぞれの内部での対立や無責任さが、地獄を作り出しているのだが、これは戦後の中国の話に限定されることではない。
 今でも、この地球のどこかで同じことが起こっているのではないかと思う。

 チャーズから出た後、中国にしばらくとどまり、それから帰国している。
 筆者は、中華人民共和国に親近感を持ってはいるが、それでも一言もの申したいと思っており、はっきり、批判的なことも書いている。

 「あとがき」で謝意を表されている人の中に、「飯倉昭平先生」とあったが、おそらく「飯倉照平先生」だろう。

(12月20日読了)

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Last updated  2007.12.29 17:53:46
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