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2010.01.27
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カテゴリ: 江戸時代を知る
耳嚢(上) 』から、印象に残った話を現代語訳で紹介する。

 古猫が人に化けた物語についてある人が語ったことには、ものは心を静め、百計を尽くした上で重大なことは取り計らうべきだ。一般に猫がついたということもあるそうだ。駒込あたりの同心の母がいたが、息子の同心が昼寝していたところ、鰯を売るものが表を呼び通ったのを、母が聞いて呼び込み、鰯の値段を聞いて片手に銭を持ち、
「この鰯を残らず買うから値段をまけてくだされ」
と言ったところ、その鰯売りは、手に持った銭を見て、
「そればかりでこの鰯を残らず売れるものか。値段を負けるのは無理だ」
と馬鹿にして笑ったところ、
「残らず買う」
と言ってその老女が大変に憤ったが、顔は猫となり耳元まで口が裂け、振り上げた手の様子のの恐ろしさもいいようのないほどで、鰯売りは

と言って荷物を捨てて逃げ去った。その音に、息子が起きて見てみると、母の姿が全く猫であったため、
「さては、わが母はあの畜生めにとられたか、口惜しい」
と、枕元の刀で何の区もなく切り殺した。その物音に近所からも駆けつけてみると、猫ではなく、母に違いない。鰯売りも荷物を取りに戻ったので、そのものにも尋ねたが、
「猫に相違ありません」
と言ったが、四肢ともに母に相違ないので、是非もなく、その息子は自殺したとか。これは猫がついたというものだそうだ。そこつに行動すべきではないと人が語った。

母親が猫になる話はほかにもある。江戸ではよく聞かれた話らしい。

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Last updated  2010.01.29 07:20:17コメント(0) | コメントを書く
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