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December 8, 2013
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みなさん、こんにちは。特定秘密保護法案が成立してしまいましたね。毎日新聞で抗議が報じられているのに、強行してしまうとは。街の人の―特に若い人の反応が鈍いような気がしたのは、それよりも日常に追われているせいでしょうか。

さて、今回紹介する作品はアメリカを舞台にした人間と犬の物語です。しかしベースは世界で最も知られている文学作品です。おわかりになるでしょうか。


【送料無料】エドガー・ソーテル物語 [ デイヴィッド・ロブレスキー ] 楽天ブックス

エドガー・ソーテル物語
Edgar Sawtelle

 1952年、韓国釜山で二人の男の間である会話が交わされる。「神の業のようにみえる手段があるとしたら、それはもう人間業ではない。それ以上のものだ。そのようなものがあったら、この世界は恐ろしいことになってしまう。そのようなものがないからこそ、われわれは平和に暮らすことができるのだ」これは物語のキ―となる、あるアイテムについて述べられた言葉だが、本作の主人公の一族もまた“人間業ではない”みわざに挑戦していた。

 生まれつき声を持たず、手話だけで話す少年エドガー・ソーテルは、ウィスコンシン州北部の人里離れた農場で両親といっしょに暮らしていた。数世代にわたって、ソーテル家はある犬―ソーテル犬とでも呼ぶべき犬種の育種と訓練を行ってきた。しかし、叔父のクロードの予期せぬ帰郷によって、ソーテル家の平穏な暮らしが乱されていく。父の突然の死に打ちひしがれたエドガーは、その死にクロードがかかわっている事実をつきとめようとしてさらなる惨事を起こす。

 この物語は、古典的な作品がベースになっている。しかし、オリジナルが人間のみのドラマであるのに対し、本作は犬が絡んで来る。多視点で描かれる本作では、時に彼等も主役を張り、時に主人公の行く末を決定づける。そして、言葉を持つからこそ不器用にぶつかりあう人間の営みを、ただ思慮深く見つめ、彼等に寄り添う。オリジナルでは、ある王国が舞台だったが、独自の性質を持つ犬を三代にわたって育ててきた一家もまた、一種の王国である。その総帥が突然亡くなり、残された妻と息子、父の弟、その友人達の関係が捻じれてゆく。オリジナルでは話せない人物はいなかったが、本心を言う者がおらず、言葉がかえって煙幕となった。本作では主人公エドガ―が言葉を発せず、それ故の苦しみもトラウマも抱える。その代わり、共に言葉を持たない犬達との、嘘のない深い交流が描かれる。放浪を余儀なくされたエドガーの自然に対する述懐や、犬を育てる上での戒めには、人生を生きる上でのヒントが多く含まれている。

 犬達の描写がまるで目に見えるようで、犬好きでない人でも読み終わった頃には「彼等と共に生きてみたい」と思うかもしれない。「この本を読み終えるのが惜しかった」と激賞したホラー作家スティーヴン・キングは、さて、どうしたのだろうか。






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最終更新日  February 3, 2015 09:25:12 PM
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