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姉と妹 @ Re:ともたさんへ こんばんは。コメントいただきありがとう…
2025.05.29
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​「アンの夢の家」ー赤毛のアン・シリーズ6ー感想​
(L・M・モンゴメリ・1917年、和訳 村岡花子・1958年)

「Anne's House of Dreams」
アンちゃん25歳・結婚式~新たな土地での新婚生活、出産等が描かれます。

大学の医科を卒業し医師となったギルバート。
アンちゃんは 3年間務めた校長職を辞して、 2人はグリンゲイブルスで結婚式を挙げる。

プリンスエドワード島内、アヴォンリーから60マイル離れた フォア・ウィンズ港の 小さな「夢の家」での新婚生活(超ラブラブ)をスタートした2人は、 さまざまな事情を抱えた個性豊かな隣人たちと出逢い…


シリーズの時系列的には、大学時代を描いた「愛情」と本作「夢の家」の間に、婚約時代を描いた「アンの幸福」があります。
(アンちゃんの校長職としての日々が、ギルバートへ向けた手紙形式で綴られた作品)
ただ「幸福」は1930年代に入り追加で書かれた作品なのだそうで、
実際の執筆順序は、「アンの愛情」の次が本作「アンの夢の家」とのこと。

非常に独特な感性で執筆された… モンゴメリさんの天才性がよく見て取れる1冊 だと感じました。
とても興味深く、面白かったです!

​*​以下、いち読者のただの想像(本作構築の際の考え方等について)です。*​



​​ ■アンちゃん&ギルバート軸・結婚式/新婚生活~出産


本作執筆のとっかかりとして、やはり一番大きかったのは、読者の熱烈な要望だろうと思います。
「アンちゃんとギルバートの結婚式が見たい!新婚生活が見たい!」 …etc。
平たく言うと 「カップル萌えパワー!of元祖中の元祖」の凄まじさ だと思っています。

そしてモンゴメリさんとしても、 アンちゃんの人生を描く物語シリーズとして、 「妊娠・出産」というステージは形にすべきと考えられたのかな、 と受け取っています。

前作「愛情」でアンちゃんが結婚に向けた決心…ギルバートの為に生きていく決心を固めることができているので、そこからの流れとしては妥当な、まっすぐに向かうべき(と考えるだろう)ステージだと思うのですが、​ただ アンちゃんにとって「出産」は非常にセンシティブなアクションだと思います。
もちろんアンちゃんのみならず、「出産」はほかの女性にとっても重大且つセンシティブなアクションであることは疑いようのないことですが、アンちゃんにとっては、周囲の人々も含め「特に」気をつかうべき事項だな、と。

アンちゃんは若いながら育児経験豊富で、小学校での教職/校長職経験も積んでいて、教育面ではいわゆるプロ(しかもトップエリート)です。
本人も子どもが大好きで、絶対にどんな子だって愛し可愛がれる自信があると思いますので、「育児」自体への不安感はない…むしろ得意分野!だと思います。

ただ「自身の出産」となると、どうしても「両親の顛末」が思考回路に存在する…
産後3カ月で熱病で母親が亡くなり、その4日後に父親が亡くなり…
はっきりとは書かれていませんが、まぁ…想像するだに、産後まだ体力の戻っていない段階で、母親が感染症で重症化してしまい、父親も必死に看病してたけど、道連れのような形で2人とも亡くなってしまい…という、言いようによっては 「出産起因の悲劇」 とも言いうる流れだったんじゃないかな…と。

(1作目「赤毛のアン」で、アンちゃんが物語クラブの章で書いていた小説(ラブストーリー)も、川に落ちたジェラルダイン(ヒロイン)を恋人のバートラムが助けに行って、結局2人で亡くなってしまう、という話筋でしたので…。)

アンちゃんの立場としては、
自身の意に反して 「産んだ子どもを育てられない/責任が取れない」状況に陥ってしまう、 ギルバートも巻き込んで不幸にしてしまう リスクがある…
その恐怖心は確実にあると思ってます。

そもそも「愛情」でなぜアンちゃんがあそこまで結婚とギルバートから逃げ回っていたかと言えば、深層心理の根本のところにあったのが、この「出産」への恐怖心・トラウマだと思いますので…。

「愛情」のラスト、ギルバートの2度目のプロポーズのこの↓言い回しが印象的だったのですが…
「僕はある家庭を夢みているのです。 炉には火が燃え、猫や犬がおり、友だちの足音が聞こえ ―そして、君のいる」

普通だったら「子供たちの足音が聞こえ…」になりそうな所ですが、ここで「子ども」に言及しないギルバートの賢明さというか…
あぁ… ギルバートはやっぱり、アンちゃんの深層のところにある この部分への不安感をちゃんと掴んでるんだな、 と思って読みました。


最初の話に戻りますが、
やっぱりアンちゃんにとって「出産」は非常に勇気の要る重要なステージ ですし、​
モンゴメリさんご自身が3度の出産(うち1回は流産だったのかな?)を経験された上で、
アンちゃんの物語としても「結婚~出産」を軸にした1冊として執筆を構想するに至ったのかな、と想像しています。


​​
■強烈なゲストキャラクターの投入、海洋モチーフ


本作を読んでまず感じるのが、
​「なんかゲストキャラたちが強過ぎるくらい強いな」​ という印象。
​主には、劇的な航海経験を積んできた 老年の灯台守・ジム船長 と、​
​とんでも悲劇を背負って生きる 美女・レスリー の2人。​
本作を読み切って、ひたすらドラマチックに描かれていたのは、主役カップル軸よりも、このゲスト2人の物語筋の方です。
(もう1人・ミスコーネリアさんは、おそらくリンド夫人的な役割というか、頼んでもないのに様々な情報を提供してくれる「噂好きの女性」かな。)

最初、 ​この作品はなんでこんなバランスで描かれてるのかな?​ と不思議に思いました。
…ゲストキャラの存在感が大き過ぎて、1冊としてバランスが悪く見えるんですよ。

ただ、アンシリーズ全体を読み進める中で、…あぁ、これはもう…
「主人公を演るよりも、出産に集中させて欲しい」という
アンちゃんの意向を汲んだ上での構成なんだな、 と思い至りました。

エンタメ作品ですので、1冊の読み物としての満足感は絶対に必要です。
ただ本作に関しては、アンちゃんは作中のほとんどが妊娠期間となりますし、ギルバートは駆け出しの医師として、知り合いのほぼ居ない中、地域の方たちの信頼を勝ち得て、地盤を固めていかなければならない大事な時期です。

1・2作目のように、主役たちのドタバタ(失敗)エピソードで話を回す形式は取れない。
そこで投入されたのが、このゲストキャラ2人なのだろうな、 と思いました。

​・ジム船長​
アンちゃんがあまり身体を動かすことのない形をとったうえで、わくわくする昔話を語ることができるジム船長。

ブライス夫妻の新居「夢の家」の歴史にくわしく、特に最初の住人だった「若い教師夫婦」の面影をブライス夫妻に投影し、懐かしがる/慈しむ目線も持っています。

ジム船長の海洋談は、新聞記者オーエン・フォードが「ジム船長の生活手帳」として小説に起こし、出版されベストセラーとなりました。

これも全部想像ですが、初期の構想段階では、この「小説に起こす役割をアンちゃんが担う」案もあったんじゃないかな、と思います。
ただこれも、アンちゃんとモンゴメリさんのディスカッションの上で、
「妊娠中に、万が一にでも身体に障るようなことはすべきでない」
「このタイミングで小説執筆(しかも海洋冒険譚のような大作)に気持ちは向かわない」
という結論に至ったのかな、と。

​・レスリー​
本作のヒロイン的な立ち位置だと思います。
非常に聡明な美女なのですが、家の借金のために若くして結婚し、その旦那もすぐに酔っぱらいの喧嘩(?)の後遺症で赤ん坊のような状態になり、これまでの十数年間、そしてこれからも旦那の面倒を見ることに人生を費やしていかなければならない女性。

本作では、薄倖なレスリーさんの人生が大転換する物語、そしてラブストーリーが劇的に描かれています。

キャラクター設定の考え方としては、基本的には「近所で暮らし始めた、展望の明るい若い医師夫婦」に対し、誰よりも「羨望」…隠さず言えば「嫉妬」の眼差しを抱く存在であり、
またギルバートの医師としての手腕を見せていける要素も入れ込んで、作ってあるのかな、と受け取っています。

​・海洋イメージ、幻想性​
アヴォンリーはどちらかと言えば畑や森…牧歌的な印象が強かったのですが、本作の舞台・フォア・ウィンズは「港」であり、新居・夢の家も海に面していますので、非常に「海」の印象が強く描写されています。

読者としても、新しい土地に行ったんだな、という印象を強く受けますし、それを一番に形作っているのが、灯台守でもあり海の大冒険を語るジム船長なのだと思います。
また、レスリーもよく海岸に居るシーンが描写されています。

モンゴメリさんの短編(アンの友達/アンをめぐる人々)を読む限り、
基本的にモンゴメリさんにとって、海というモチーフが、 幻想的なイメージとして使われることが多い と感じます。「目の前に広がる、人知を超えた世界」…というか。

本作「夢の家」の印象も、アヴォンリー時代よりも「足元がしっかりしていない」「ゆらゆらしている」印象を受けます。
(主役たちが、新しい土地で地盤を作っていくところの話ですしね)

主要ゲストキャラ2人も、かなりとんでいる、浮世離れした「劇的なキャラクター」として描かれていますので。

この 幻想的なイメージは、アンシリーズでは本作が一番強いのかな …と感じます。
ただ、モンゴメリさんの他作品ではおそらく珍しいものではなく、むしろどっちかと言うと、こういった幻想的なストーリーの方がモンゴメリさんが素で書く物語の基本形なんじゃないかな…と感じています。

※ちなみに、「愛情」までに登場する土地は、実在する土地をモチーフにしていますが、このフォア・ウィンズ港にあたる土地はプリンスエドワード島内には存在しないそうです。(島以外にモデルはあるのだと思いますが)
そういった観点からも本作の持つ「夢モチーフ/幻想性」も納得がいくなと感じています。


「アンの夢の家」は、上記のような形で、
読者が見たいもの(主役カップルのラブラブシーン)をめっっちゃ描写しつつ、
アンちゃんの妊娠・出産ステージを、アンちゃんがそこに最大限注力できるように、
強いゲストキャラクターを複数投入した形なら、 読みごたえも担保してきちんと書き切れるね、
という
アンちゃんとモンゴメリさんのディスカッションを経た合意点でもって、 書かれた1冊なんだろうな、 と受け取っています。



​​ ■アンちゃん&ギルバート軸についてーその2


上記の通り、本作の読み応え/絵面の面白さとしては、ゲストキャラクターの投入により担保してると思う、と書いてきましたが、
ただやっぱり 読者としていちばん重く受け止めるべきは、 主役カップルの軸の方 だと思っています。

アンちゃん自身もものすごい覚悟を持って、周囲の人々も尽くせる手はすべて尽くしたうえで迎えた 第1子の出産 でしたが、ひょっとしたら少し早産だったのかな…?
(9月に結婚して、翌6月初旬に出産を迎えていますので…)

大変な難産で、母体も危険視されるような状況の中で産んだ長女は、
丸1日生きることなく亡くなってしまう という、非常に残念な形となってしまいます。

妊娠期間中は、アンちゃん自身&周囲の人々も極力母体への負担がないように動いてるんです。
クリスマスには、ブライス夫妻はアヴォンリーへは帰らず、グリンゲイブルスの4名(マリラ/リンド夫人/双子)が夢の家へ訪問して来てますし、
出産が近くなると、2人暮らしの小さな家にわざわざ女中さん(スーザン)を何週間も前から雇い入れて、アンちゃんの家事/心的負担軽減や、ギルバート不在時の万が一に備えた体制を取っていました。

ここまでやった上で、上記のような結果でしたので、読者としても
アンちゃん…これはショックだろうな、もっと怖くなるだろうな… 大丈夫かな…?
とすごく心配しながら読み進めますが、
ただ想像よりずっとずっと、 ​この場面でのアンちゃんが「強い」んです。​

もちろんお子さんを亡くした直後はショックも大きく、嘆き悲しむ場面もありますが、その後すぐに第2子出産に気持ちを向けて、1年後には長男・ジェムくんを産むことができてますので。

​​ このアンちゃんの「強さ」こそ、本作の一番の見どころ だと感じました。​
周囲の人々の温かさや、レスリーが曝け出してくれた強烈な「羨ましい」という感情も全部有り難く丁重に受け取った上で、 やっぱりこれは根本的に ​​
「ギルバートの為」だからこその強さだな、 ​​
と受け取っています。

​「夢の家」で描かれる結婚~新婚生活は、 ギルバートにとっても正念場 なんです。
アンちゃんを幸せにしたい一心でここまでやって来て、念願叶ってこうして結婚することが出来て、医師としての地盤をしっかり作っていかなくては…!と必死に働く傍ら、ずーっと 「アンちゃんを幸せにできてるかな…?」 って心配して見てるんです。

自分が望んで望んでアンちゃんにお嫁に来てもらって、自分はすごく幸せなんですが、やっぱり有能なアンちゃんには、他にも様々な人生の選択肢がありましたので。

女性ながら二十代前半で校長という重職を任され、責任持ってこなすことができる、島の教育界にとっても唯一無二の超貴重人材でしたし、
ロイ・ガートナーと結婚していれば、上流階級の社交界で活躍できていたでしょうし(アンちゃん的には、教職の道はさておき、「ロイとの未来」など想像したこともなく、選択肢になかったが?という意識だと思いますが…)。

それらの様々な栄えある選択肢を捨てて、島の片田舎の、人里離れたぽつんと一軒家に来てもらって、機知に富んだ隣人たちに恵まれたことは幸いでしたが、基本的には、日中はアンちゃんは家で独り過ごしていますので。

そうした中で第1子が亡くなり、嘆き悲しむアンちゃんの姿を見てしまうと、
この道を選ばせて、アンちゃんを不幸にしてしまったかな… と不安も大きくなったと思います。

​アンちゃんが、これ↑(ギルバートの不安)を掴んでる。​
アンちゃんだって、ギルバートを幸せにしたくてこの道を選んで来てるんです。
​​​「やっぱり怖い」とか「ショック」とか言ってらんない。
何があっても、「絶対にギルバートの子どもを産むんだ!」と覚悟を決め込んでまっすぐ動くアンちゃんを目の当たりにすると、
やっぱり ​彼女にとって、前作「アンの愛情」の『黙示録』の章のインパクトが​ どれほど大きなものだったのか を改めて思い知らされます。

アンちゃんにとって、あれより怖いものは無いので。

本作「夢の家」で描かれている「アンちゃんの強さ」は、
「アンの愛情(の『黙示録』の章)」における、
アンちゃん自身が「死にたい」と思い至るほどの強烈な後悔…
それに対するアンサーだな、 と思います。

言い換えると、『黙示録』以降のアンちゃんは、
本当に日々、ギルバート(&子どもたち)に全身全霊を捧げて生きていて、 たとえいつ不慮のタイミングで死を迎えたとしても、 「精一杯愛に生きた、悔いはない!」と言い切れる人生 を遂行しているんだな、​ と感じています。


アンちゃんが勇気をもってもう一度出産に臨み、待望の長男・ジェムくんが誕生しました。

「可愛い!可愛い!幸せっっっ!」 と大喜びするアンちゃんを見て、​ギルバートもようやく
「…間違ってなかった、これでよかった」と​​​​​安心できたんだろうな、と受け取っています。







​​ ■終幕~それから

​本作のラスト、レスリー&ミスコーネリアさんは結婚という形で、
ジム船長は現世からの船出を迎え、遠い過去に海で亡くなった恋人マーガレットのもとへ…
ゲストキャラクターたちはそれぞれに「好きな人」のもとへ向かいます。

​ブライス夫妻も 「夢の家」から、 新しい子育て用の大きな屋敷・炉辺荘(イングルサイド)へ…
「夢の家」は借家でしたが、炉辺荘は購入するとのことで。
ギルバートが大きく出ましたね…医師業が順調にすべり出しているとはいえ、たった2年で、広大な庭付のお屋敷をキャッシュ一括購入できるような蓄財は絶対ないだろうに…(お屋敷の相場感とかよく分かんないけど…)

まぁ、 ​何でもできる!いくらでも稼いでみせる!!​ という、無敵の心持ちなんでしょう。
ギルバートが完全に調子に乗っていて、喜ばしい限りです。


本作のラストでは、 お子さんを無事に産んで、産後3~4カ月経過したところ で、ブライス夫妻は、アンちゃんの両親がたどり着くことのなかった「子育て」ステージに進むことが出来ました。

本作「夢の家」までで、 アンちゃんを主人公とした物語シリーズについて、 一旦「やるべきことはすべてやり切った」と言えるな、 と感じます。

​​ …ただ。 本作のラストまで見事に描き切った上で、​
モンゴメリさんの中に ​強く渦巻く感情… 懸念…不安…​ があったのかなと。 ​​

「これだけの両親(&周囲の人々)の思いを受けて生まれてきた、
そしてこの先も本当に大事に育てられるであろう、待望の長男・ジェムくん、
​​戦争に行くことになっちゃうんだぜ…!!?​ 」​

本作「夢の家」の発売された1917年は、既に 第一次世界大戦真っ只中 です。
「アンの娘リラ」でウォルターくんが亡くなるソンムの戦いが1916年の出来事ですので。

本作が、実在する土地ではない場所で、少し幻想的なモチーフを入れ込みつつ、浮世離れした登場人物たちを据えて描かれたのも、執筆時のモンゴメリさんの心持ちとして、
アンシリーズの大事な主役たちを「戦争が起こる」現実世界から遠ざけてあげたい気持ちも あってのことだったのかもな… と受け取っています。

ただ、長期化する戦争、日々増え続ける犠牲を目の当たりにする中で、
カナダを舞台にした作品として、戦争を無視することは 出来なくなったんだろうな、 と感じました。​
(本作「夢の家」終盤でも選挙の話が登場し、ブライス夫妻の支持する保守党が政権から落ちて…というエピソードも描かれ始めます。)

この部分…モンゴメリさん自身が生活の中で感じる大きな不安感をとっかかりにして、アンちゃんの子どもたち世代を主役に据えた物語の構想が始まり、 「アンの娘リラ」の執筆に向かっていったんだろうな、 と感じました。



「アンの夢の家」…もっとあっさり感想書けると思っていましたが、書き始めると想像よりずっと長文になってしまいました。

本作を最初ざっと読んだ際は、ゲストキャラの筋が強く、散漫とした印象を受けて、どう捉えていいか若干戸惑いましたが、
​​ 「なんでこの書き方になってるのかな?」 と考えたときに、​
主役主体(ブライス夫妻)の意志を一番に尊重し、様々な配慮を行ったうえで、 ゲストキャラを投入し、いち作品として読み応えのある形に しっかりまとめ上げているんだな、 と思い至りました。

ゲストキャラ2人の筋道も、お互いにつながって話が回る部分があったり、よくよく熟考してあることが見て取れますし、
読者の渇望するもの(主役カップルのラブラブシーン)もお腹一杯大満足!に提供し切った、 ​​​ モンゴメリさんの天才的且つ自由自在な物語構成手腕が一際輝く1冊だな、 ​​ と思っています。

感想を書いてみて、改めて大好きな1冊になりました!

by姉(イラストby妹)
​​



◆小説 赤毛のアンシリーズ(村岡花子訳) 感想リンク
アンの青春(Anne of Avonlea)1909
アンの愛情(Anne of the Island)1915
アンの幸福(Anne of Windy Willows)1936
アンの夢の家(Anne's House of Dreams)1917
炉辺荘のアン(Anne of Ingleside)1939
その1:アンの娘リラ(Rilla of Ingleside)1921
その2:アンの娘リラ(Rilla of Ingleside)1921
アンの友達(Chronicles of Avonlea)1912
アンをめぐる人々(Further Chronicles of Avonle)1920

◆モンゴメリ著 小説 感想リンク
果樹園のセレナーデ(Kilmeny of the Orchard)1910
ストーリー・ガール(The Story Girl)1911
黄金の道―ストーリー・ガール(The Golden Road)1913

◆赤毛のアン 関連本 感想リンク
赤毛のアンの手作り絵本 / 松浦英亜樹 さんのイラストについて
赤毛のアンシリーズのコミカライズについて





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最終更新日  2025.10.28 20:53:38
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